2020年(令和2年)11月21日

​今週の妻有新聞

 

審査員特別賞の河田農場「アヌースカ」

妻有の花、高評価 県花きコンテスト

河田農場は審査員特別賞、3者が入賞

 妻有の花、高評価—。県産花き品質を競う「県花きコンテスト」の切花共進会の部審査会を先般開き、県内112者が出品。うち入賞30点を選出し、審査員特別賞は津南町の河田農場(河田太郎社長、大井平)の津南産ユリ・雪美人の『アヌースカ』が獲得。さらに金賞に藤木農園(藤木直人代表、米原)のユリ『ゼルミラ』、銀賞に十日町市の江口一衛さん(干溝)の菊『小菊すずむし』が選ばれた。出品花は新潟市食育・花行くセンターで展示した。

 県内の花き生産は全国トップクラスの品質や生産量を持つなか、同コンテストはさらなる品質向上やPRをねらいに実施。花色や大きさなど品種特性、茎の太さや歯の大きさといった草姿などを総合評価するもの。審査員特別賞を獲得した河田社長は「コロナ禍で花を愛でてくれた皆様と生産販売を頑張ってくれた花屋、市場関係者の方のおかげでの受賞。頑張ってくれている従業員に感謝し、これからも精進していきます。コロナ禍をみんなで乗り切り、新しいステージに向かいたい」と受賞を喜んでいる。

生産者の河田農場・河田太郎さん

 

適正化方針を説明する市教委(昨年10月28日、中里説明会で)

学区再編、教育委員会方針変えず

十日町市 住民意見多数、だが当初通り

「何も反映していない」、議員反発

 小学校、中学校の再編整備を進める十日町市教育委員会は先月27日、定例教育委員会を開き、方針を決めた。当初からの「小学校は1学年1学級以上、中学校は1学年2学級以上の学校規模」を求める再編とし、結局当初方針そのままの再編整備指針を決めた。13日の市議会総文委員会で示され、議員からは「住民説明会であれだけ多様な意見が出たが、結局当初方針を再度示したわけで、これは市教委の決意表明と受け止めるが、住民理解をどう果たすのか、とうてい理解を得られる内容ではない。さらに難しさが増した印象だ」など厳しい意見が相次いだ。市教委は住民説明会を未開催の東小校区の大井田地区説明会を近く開き、全市36会場の説明会を終了する予定だ。

 住民から寄せられた意見総数は516件。うち「学区再編の進め方」(138件、27%)、「教育環境など」(93件、18%)、「学区適正化方針の説明会・周知について」(79件、15%)、「学区再編の内容」(74件、14%)など、この4つの意見が全体の70%以上で、市教委の取り組み姿勢や再編内容への意見や要望が多数を占めている。 

 市教委は昨年7月3日から今年2月19日まで35回の説明会を開き、昨年5月末までにまとめた「学区適正化方針」を示し、小学校は5年後、中学校は10年後を目標に小中学校の再編を進める方針を示した。参加市民は1170人で、意見表明者は451人。全体の意見数は516件でその内訳が前述の数値だ。

 13日の市議会総文常任委員会では、「再編内容の見直しの有無や、地域の理解が得られたと判断するなど、地域内の合意形成のあり方への疑問が出ている」などと共に、総文提出の説明資料にある『各学区の教職員の充実には、学校数の削減が有効である』に対し、「なにを言っているのかという印象だ。これが市教委の姿勢なのか」と厳しく指摘する意見も出て、地元住民のさらなる反発も予想される。

 12月市議会は4日開会するが、一般質問などでこの小中学校の学区適正化方針について再び市議会の場で紛糾が予想される。それは35回の住民説明会を開き、多数の意見や要望が出た中でも、当初方針の「小学校は1学年1学級以上。中学校は1学年2学級以上」の再編方針基準をそのまま示してことで、住民の思いを受ける議会は「なにも変わっていない」と反発を強めている。

 

猿倉発電所跡を見学し岡田正平の偉業を偲んだ中条郷土史クラブ員ら

岡田正平の偉業、足跡辿る

中条郷土史クラブが猿倉発電所跡で

 初代の民選県知事で只見川電源開発や三面川総合開発などに取り組んだ旧中条村(現十日町市中条)出身の岡田正平(明治11年—昭和34年)の偉業を学んでいる中条郷土史クラブ(庭野武一会長)は6日、明治45年に岡田が十日町地域で初めて電燈を灯した猿倉発電所跡を見学した。

 同発電所は『電気を中魚沼郡全域に供給し、電灯・電力のほか化学工業の需要にも供し、電気鉄道を敷設し、中魚沼全域を不夜城にしようという気宇壮大な構想』(妻有郷人物伝)の第一歩の取り組み。岡田が33歳の時に「魚沼水力電気株式会社」(社長は岡田氏の父・龍松)を設立し、津池集落付近から田川の水をトンネルで引いた60㌔㍗の水力発電所。十日町と中条の一部で30年余りに渡り約400軒の電灯を灯した。跡地はほくほく線・美佐島駅に近い、田川を挟んだ対岸。現在は田畑となっているが、当時のコンクリート製受水槽や水路管基礎などが今も残っている。

 見学会には同クラブ員ら20人余りが参加。「工事機械もない明治時代に、手作業でよくこれだけの施設を作ったものだ」などと驚きながら、その偉業を偲んでいた。

 なお、岡田はその後、飛渡川を活用して焼野に第二発電所(80㌔㍗)を建設したほか、70歳で県知事に就いてからは戦後復興の電力需要に応え、三面ダム発電(3万㌔㍗)や6年にのぼる大事業だった奥只見ダム発電(36万㌔㍗)にも取り組んだ。こうした発電事業が当時の国鉄(現JR東日本)や東京電力にも影響を与え、信濃川沿いに水力発電所が建設されるようになる礎を築いたといわれている。

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 ▼岡田正平展=30日〜12月6日、十日町情報館ギャラリー。父は衆議院議員も務めた岡田龍松。富士山の写真で有名な岡田紅陽は弟。

 

新潟薬科大・若林副学長(左)と北野大塾・及川副塾長がコロナや農薬について語った

里山で最先端講座

津南 北野大塾 「6年でひとつの津南文化に」

 多彩な第一線で活躍するゲスト講師を迎え、中山間地の津南で学術文化に触れる貴重な契機となっている「津南 北野大塾」。6年目を迎えているが新型コロナウイルスでくれまで開催できなかったが、先月28日に今年度第一回を開講。北野大塾長(秋草学園短大学長)は来町を見合わせたが、新潟在住の及川紀久雄副塾長(新潟薬科大名誉教授)が取りまとめ実施。及川副塾長は「新型コロナもあり開催をどうしようかと話し合って来たが、6年目を迎えひとつの津南の文化になっている塾。やろう、と言うことで新潟在住組を中心で開いた。今後も続けていきたい」と話す。次回は3月に行う計画だ。

「幸福寿命を延ばそう」

 主題を『新型コロナ』に置いた今回の北野大塾。ゲスト講師は新潟薬科大副学長で臨床薬物治療学教室の若林広行教授。世界で急ピッチで新型コロナワクチンが作られようとしているが「ただ本当に大丈夫か。ちょっと待って欲しい。本来は新薬は数万人に効果があるのを確認し、副作用があれば対応してからの使用。安全性をしっかり考えると、我先に使うものではないと知ってほしい」と指摘。感染予防には免疫機能を高める必要があるが免疫を高める薬はないとし「機能が低下しないように過ごすしかない。寝る前のスマホ、PCのブルーライトは免疫機能を低下させる。便利だが体には良くない。体内時計のリズムを乱し睡眠不足となる。お子さんと夜中までTVゲームやスマホをいじるのは最低の親。自分だけでなく子どもの成長も妨げる」と言及。

 さらに「薬は5種類以上飲むと転倒確率が上がる。寝たきりの原因の2位は骨折。その骨折原因の理由のほとんどが骨粗鬆症で、寝たきりとなると認知症に繋がる」と薬に頼る状況への危機感を示し、「薬はいつ頃止めようかと考えながら飲まないといけない。医者の営業に協力するのではなく自分で健康を考えないと。生活習慣を見直し、薬は本当に必要なものだけに減らさなければ。当たり前のことをやっていればコロナ感染予防にもなる」。健康の秘訣は「大きな声で笑うだけでもドーパミンが出て多幸感が現れる。そうすると些細な事でも幸せを感じることができるようになる。幸福寿命を延ばしましょう」と語った。

「農薬、自閉症に関連」

 及川副塾長は農薬について触れた。野菜や果物には大量に農薬が使われている実態があり「例えばイチゴは口に入るまで60〜80回、農薬散布しているのが現実。とても子どもには食べさせられない」。農薬散布が多い野菜としてはレタスやトマト、ナス、ニラなどを挙げ「地域や季節、栽培方法により使用回数は異なる。どうしたらいいか。自分たちで作ったり、旬のものを食べる。津南はそういう環境があり羨ましい」と指摘する。

 除草剤の強い毒性にも言及。「ラウンドアップなどの除草剤。原体のグリホサートの百倍以上も毒性が強い。ネオニコチノイド系農薬も原体より市販製品の毒性は百倍も高い」と注意を促す。除草剤ラウンドアップの使用量は過去20年で5倍にも増えているデータを示し「発がん性、自閉症などの発達障がい、パーキンソン病、生殖への影響が指摘されている。フランスでは農業従事者のパーキンソン病発症率が高いと言うデータがある」と話す。

 加えて日本で販売されているお茶製品からネオニコチノイド系農薬が「ほぼ百%検出される。ペットボトルのお茶もそう」と紹介。農薬による子どもへの影響は腸内細菌の異常、呼吸器疾患、学習・記憶障害などがあるとし「特に自閉症は確実に影響があると言われている」と日常生活から農薬の影響は及んでいる状況を指摘。農薬の子どもへの「健康な畑で採れた野菜を食べるのが大事。農薬については神経を使ってほしい」と呼びかけた。

 

長野県北部地震の復旧工事がほぼ完了した中条川。栄小児童らと住民が記念植樹(9日)

「未来の憩いの場に」と植樹

栄村中条川工事、第1期完了 栄小児童らがケヤキやミズナラ植える

 9年前の2011年(平成23年)長野県北部地震で大規模土砂崩落が発生した栄村中条川の復旧治山工事が今年度ほぼ完了。土砂を止める砂防堰堤や水の勢いを止める減勢工、トマトの国付近には崩落で出た残土などを活用し土石流発生時に土砂を川に導く高さ最大5㍍・横幅3㍍の導流堤(約249㍍)など整備。9日は県北信地域振興局が地元住民と栄小(日台智子校長、46人)を招き事業説明会と記念植樹を実施。導流堤沿いに根が大きく粘り強く土を支えるケヤキ、周辺の風景に溶け込むミズナラとモミジの3種類約100本を植えた。

 地震時は中条川上流2ヶ所の斜面で大規模崩落が発生。土石流はトマトの国建物のすぐ横まで迫った。翌2012年から復旧工事に入ったが、2013年9月16日に観測史上最高の24時間雨量174㍉(津南原アメダス)を記録した台風18号豪雨で再度大規模な土石流が発生。建設中の堰堤の一部も流されるなどし、復旧計画を見直しながら工事を進めて来た。県では「現在どれくらいの土砂が実際に流れて来るかシミュレーションを行っており、土石流の移動など検討し、第二期工事に入りたい」とする。

 新たに完成した導流堤は階段を複数付け、中条川側に降りれる形に。植樹は地元から「将来は交流の場ともしたい」という要望を受け実現。全体での植樹はケヤキを主体にブナ、ミズナラ、イタヤカエデ、オオモミジ、コブシの計960本となり、いずれは紅葉と人造物が同居する名所になりそうだ。森区長の木村文二さん(64)は「震災から10年で工事にメドが付いたのは安心に繋がる。植樹もあり、憩いや交流の場として地元でも活用を今後検討したい」と感謝した。

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