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昭和の​アルバム

シリーズ連載

駅西側構内の様々な建造物が写る(和30年代後半〜40年代前半)

広々とした敷地を持つ十日町停車場(昭和2年)

石炭駆動のロータリー車で冬場の路線確保(昭和初頭)

交通の便を図った多くの駅員たち

産業振興と通勤を支えた十日町駅(昭和30〜40年代)

十日町市下条 小杉貞吉さん(昭和3年生まれ)

 鉄道省敷設の十日町線は93年前の昭和2年(1927)11月15日、十日町町民、中條と下條村民の大きな期待を受けて越後川口〜十日町間が開通。長野方面からは飯山鉄道株式会社が路線を延伸して4年9月に十日町停車場(現JR十日町駅)まで接続し、現在の飯山線区間が全通した。

 小杉貞吉さんは終戦から間もない昭和22年(1947)に国鉄職員に採用され、59年(1984)の退職までの37年間、新潟、長野、山梨と様々な駅に勤務。近くでは下条駅と小千谷市の岩沢駅へ、昭和30年代〜40年代は十日町駅に何度か異動があった。

 上段の写真(仁田・木村喜郎さん所蔵)は、昭和30年代後半から40年代前半に撮影された十日町駅舎西側の構内。「当時、駅の営業職員だけでも30〜40人程で、車両関係の派出所には運転士や保線、整備などの職員が20人ぐらいはいた。写真中央は機関庫、左側の円形の構造物は蒸気機関車(SL)を方向転換させる転車台。その向こう側には車両を洗う洗浄線があった。線路右側は給炭庫。貨車で運ばれた石炭は炭スコというシャベルで給炭庫に手で積んだ。写真右側にはSL用の給水塔が写っている。保線係の詰所もある」と説明する。

 石田裕一前十日町駅長は「この頃はSLとディーゼル車が入れ替わる端境期で両方の車両が走っていた。昭和47年にSLはすべて廃止され、転車台は埋められた。平成28年まで昭和4年に建てられたホーム待合室を倉庫として使っていた」と話していた。

 中段の写真(市博物館所蔵)は昭和2年の開業の年に撮影された。ホームは片側だけだが、広々とした構内の左奥には給水塔と機関庫、中央奥には煙を吐くSLが写っている。鉄道省が同年11月に発行した十日町線建設工事概要には「建物は木造平屋建で建坪は331平方㍍、屋根は亜鉛引き鉄板葺き」とある。

 小杉さんが十日町駅で勤務していた当時は着物産業が上昇を続けている頃。朝は荷物の受付開始前から機屋(はたや=着物メーカー)と問屋を繋ぐ買継商が並んでおり、反物を詰め込んだ荷物が山のように運び込まれ、集荷場だけでなく待合室まで積まれた。「伝票は手書きの複写で手間が掛かる。運賃をその場で貰うとさらに時間が掛かるので後払い。長野鉄道管理局管内では荷物の取扱い量は十日町が2〜3位だった」。乗用車が普及していない時代は通勤通学の足として利用される。「朝夕とも上り線、下り線の利用者は多く、駅から駅通りはものすごい混みようだった」と振り返る。

 貨物列車の扱いも大変だった。夏場は鉄製の貨車は焼け、内部は目も口も開けていられない程の熱さ。長野方面、長岡方面へと貨車の組替えが必要で、西側構内には4本のレールが敷かれていた。駅の南側、高田町踏切方面は傾斜が高く、そこで貨車を切り離す。自走する貨車をポイント係が必要な方向へレールを切り替えて向かわせる。速度が増した貨車に別の職員が飛び乗り、取っ手につかまり足踏みブレーキを踏みながら、ブレーキ下部にいくつか空いた穴に、任意の位置へ鉄製のピンを刺して固定する。「踏み加減が難しく危険な仕事だった。貨車の連結作業で挟まれ、腕を切断した人もいた」と言う。

 当時、冬は国道117号線は雪で埋もれて通れない。徒歩か列車が交通手段だった。冬場の路線の確保は重要な仕事。夜間、鉄道管理局から大勢の人夫が来て除雪に当たる。ホームやポイント、信号機等は駅職員が除雪。「大きい駅は人数が多いが、小さい駅だと二人ぐらい。長いホームの除雪は大変だった」と語る。管理局と駅職員だけでは長い路線の除雪は不可能で、地区ごとに住民に除雪を依頼。頼まれた住民は親方を中心に組を作る。任された区間の距離を人数割にする「コマ割」式で、そのコマが終わらない人は帰れない。

 下段の写真(市博物館所蔵・昭和初頭)はSLと同様、石炭動力でロータリーを回転させる除雪車。自走できないため後方にSLを連結する。ロータリー車を使った除雪方式は「キ・マ・ロ・キ」と言った。まず、線路上に積もった雪をロータリー車(ロ)が機関車(キ)に押されながら吹き飛ばす。次いで機関車(キ)が牽引したマックレー車(マ)という車両が「八」の字に開く鉄の翼で線路両脇に高く積もった雪を線路上に掻き落とす。その雪を再度ロータリー車(ロ・キ)が飛ばして列車の通行を確保した。

(2020年7月4日号掲載)

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