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​妻有職人伝

シリーズ連載

宮大工の技術「指し作り」を活かす柳さん

柳工務所

新築住宅のほか、社寺建築、古民家再生まで請け負う

​宮大工の技法を住宅に

㉛ <建築編> 柳工務所 柳 洋治さん

 152年前の明治元年生まれの曽祖父が創業した柳工務所(高田町3西)。宮大工の技術を継承する同社は新築住宅の他、社寺建築や古民家再生も請け負う。4代目社長の柳洋治さん(68)は「宮大工の精緻な技法を現代の住宅に活かしている」と語る。

 地元高校卒業後は建築、土木、機械等を学ぶ都内の中央工学校に進学したが「若い頃は青年海外協力隊員として活動したかった」と振り返る。次男坊で家業を継ぐつもりはなかったが、兄が市役所に就職したため「ウチに入ってみるか」という思いだった。20歳で柏崎の建築関係の専門学校へ入り大工の基礎を習う。帰郷後は親方で「頑固オヤジ」と呼ばれた父親に就き、他の弟子たちと共に大工として厳しく仕込まれた。

 柳さんの建築は市場で木材を買うのではなく、地元の山で杉の木を見ることから始まる。「木を見るのはおもしろい。山で木を買うと高いように思えるが、柱を取った後の端材は壁板や棚板などに無駄なく使える。輸入材の米杉と違い、豪雪地の十日町産杉は目が詰んで(年輪間隔が狭い)いて米杉と比べると強度は2倍以上」だと言う。

 同社ではプレカット工法(木材の機械加工)は行わず、柱は一本ずつクセを見てノミや鋸を使っての手刻み。「プレカットでは長い年月のうちに、どうしても狂いが生じてしまう。さらに社寺建築で使う複雑に刻んで組む柱は『指し作り』と言い、地震に遭っても復元力が強い免震構造。1千年以上続く建築技術は非常に素晴らしい。立木の状態からクセを見て、木の使い方を覚えないとできないが、日本の風土に合った工法」だと強調する。昭和初期の建物を移築する時、大黒柱の礎石の下を掘ると抱えるほどの石が多数、1㍍以上の深さで埋まっていた。柳さんが調べると出雲大社と同じ工法で古来からの免振対策だった。

 茅葺き屋根の家の修繕を請け負った時、大工の伯父から「この家を上手く修繕できなければ、新築の家も上手くいかず、腕も上がらないぞ」と言われた言葉が忘れられない。近年は専門学校で墨付け等を覚えても、就職して現場に出ると機械加工が主流で習った技術がまったく使われないまま終わってしまう。日本古来の技術が継承されないと危機感を感じている。

 柳さんの長男も違う道を進むことを考えていたが「俺も大工をやる」と決意。「それが私の大きな力になった」。そして、宮大工の技術にあこがれ、専門学校を終えた若い衆も入った。柳さんのもとで働く従業員はすべて自社で育った大工。「下請け仕事ではないので施行主に引き渡す時は、こちらも嬉しく感動を覚える」。今後は「匠の技術を後世に伝えると共に、デザイン性も重視して新たな建築に取り組みたい」と将来を見据える。

(2020年5月23日号掲載)

 
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