社説.jpg

社説

 

悩ましき「婚活・人間社会」

 「結婚だけが全てではない」。そうだろう、分かってはいるが…である。未婚者が増え、晩婚化が進む現実は「人口問題」に直結し、個人的なことが「社会問題化」してしまっている。だが、世界では同性婚、みなし婚など、パートナーのあり方が多様化し、国によっては合法化され、社会を構成する「家族」とされている現実を見ると、「未婚率上昇」を問題視する論点はどうなのか…、悩ましき「人間社会」だ。

 人口減少は、ここ十日町市や津南町、栄村だけの問題ではないことは、この国のあり様の変化を見ると、誰もが合点がいく現実だろう。自治体単位で行政が行われている以上、その市町村は「なんとかしなくては」と人口対策に乗り出し、行きつく先は「未婚者対策」になる。それは「人口対策は未婚者の増加が主因」となり、年間出生率アップに取り組む誘因になっている。

 この構図は極めて分かりやすいが、当事者の感覚では「これほど個人的な事はない。余計なお世話」となりかねない。だが、地元行政は人口対策の決め手として「婚活支援」に乗り出し、事実、実績を上げている。ただ、現場からの声を聞くと現実はさらに一歩進んでいる。「女性の意識が大きく変わってきているのは事実。結婚という形にとらわれず、人生のパートナーという存在で男性を見て、一緒に暮らす方も増えている。まさに人生観の問題になっている」。こうしたライフスタイルは、今後も増えるだろう。「婚活」をひとくくりにできない内実を、しっかり捉えないと違った問題が表出しかねないのが、いまの「婚活事情」だ。

 どう地元行政は対応すべきか。市町村単位の取り組みは限界性にある。広域行政の言葉通り、この問題は広域エリアでの対応が必要だ。十日町市のハピ婚サポートセンターを、津南町、さらに栄村も活用する行政連携はできないのか。「ヨメに取られる、ムコに取られる」、そんな了見こそ、情けない。

知事選、参院選、そして津南町長選

 今年も選挙の年になる。「選挙話はまっぴらごめん」という方もおられようが、5月に知事選、6月に津南町長選、7月に参院選が予定されている。この2年間、コロナ禍の中でも衆院選はじめ全国で選挙は行われ、有権者の意識が問われる場面が随所に見られた。変異ウイルス・オミクロン株の感染拡大が全国的に広まるなか、この先の見通しは不透明だが、4年に一度の「審判」は否応なしだ。

 4年前、知事選で花角英世氏が初陣を飾った後、その熱が冷めやらぬなか津南町の町長選が行われ、31歳町長が誕生した。町村では全国最年少首長、市町村長でも女性最年少トップとなり大きな話題を呼んだ。初登庁の日、津南町役場前に多くのマスコミが詰めかけ、役場玄関前は大混乱した光景が思い出される。「次はどうするのか」、新たな年を迎え、衆目の関心が増している。昨年末、町長後援会は町内で座談会を開き、次期への取り組みを始めている。「予定より半年以上遅れている」の後援会幹部の言葉は、コロナ禍での選挙戦の難しさを表している。

 昨春、十日町市の関口芳史市長は4選を果たした。市政史上初の4選だったが、有権者の関心は投票率が表す通りだった。4選への出馬表明は遅れに遅れ、というより「相当なる逡巡があった」と言われる。隣接の市長の進退を決めるまでを、津南町の35歳町長の目にはどう映ったのか。新年度予算3月議会までに進退表明する方針のようだが、その言葉に関心が集まる。

 知事選・参院選は政党色が色濃く出る。参院選は登場人物が決まっているが、知事選は現職を含め、まだ見えてこない。その間にある津南町長選。政党色は薄いが、難題山積のまま任期を向かえる。31歳町長が初登庁で語った言葉が印象深い。「残すべきものは残し、変えるべきものは変える。変化を恐れず挑戦し続けることで町は存続する」。その挑戦の年だ。