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社説

動き始めた林業ビジネス

2020.3.28

 「林業に対する考え方が変わってきている。追い風だが責任が伴う」。追い風とはー。全国森林組合連合会・村松二郎会長、「皆さんに伝えたい事がたくさんありますが、このご時世です」。21日の十日町地域森林組合総代会で短縮の来賓挨拶。追い風は、昨年度導入の「森林環境税」に伴い市町村に交付される「森林環境譲与税」。新年度は前年の倍額が見込まれ、4年後、十日町市は4千万円を超えるという。

 ただ、「森林環境譲与税の交付金は、森林組合に直接入るものではなく、これによって経営が楽になるわけではない」。全国の森林組合624のトップに立つ村松会長は、ゆきぐに森林組合長であり、前職は新潟県議として県行政と市町村をつなぎ、中山間地域事情をよく知る。この交付金、森組経営の改善に直結はしないが、そこには「ビジネスチャンス」が内在している。

 林業は、常に優先順が後に押しやられてきた業界。住宅建材は安価な外材に押され、国や県が国産材使用を呼びかけても、なかなか需要が広がらない。そのなか導入の森林環境税。世界の流れは「環境」。16歳高校生、グレタさんの活動が世界を動かしている。CO2排出削減は人の営みに直結するが、CO2吸収効果の森林整備への着眼が新たな交付金を生み出している。

 国は、森林整備を進める森組など事業体に対し「森林経営計画」を求めている。森の整備に伴い求められるのが森林所有者の明確化、つまり国調「国土調査」。ただ山林地帯の国調は容易ではない。ドローン導入も検討にあがる。国調、十日町市は手つかず状態。津南町は終了している。森林整備に求められる森林経営計画は地元行政の承認が必要。そこで初めて間伐事業に取り組むことができる。十日町地域は林材供給100万㌧といわれる「資源の宝庫」でもある。

 林業は大きな局面を迎えている。木質バイオマス発電の供給源でもある。林業ビジネスが動き始めているが…。

妻有で見える人材たち

2020.3.21

 妻有エリアの県立高校から今春、616人が学び舎を後にした。多数が地域外での生活を来月からスタートする。だが、なんとも「気が晴れない」春のスタートだ。その主因は新型コロナウイルス。向かい受ける社会は、いつもと違う風景だ。地域の停滞感は深刻度を増し、連動して地域経済への影響が増している。その地域に新たな人材が見えているのは、この地域の近い未来の期待感であるだろう。

 起業家の動きが地域の活力になっており、そこに地域の未来を見る事ができる。地ビール(クラフトビール)の世界に、新たに挑む30代の幼馴染2人は、十日町市内の空き店舗を活用し起業する。それもAI(人工知能)やICT(情報通信技術)を活用し、自社製品と共に小規模メーカーを支援するなど、従来型の単一的な事業から多角的な事業を複合的に取り組むビジネスに挑む。頼もしき人材の登場である。それは共に32歳の岩田貴之さんと樋口啓太さん。若き感性だ。

 こちらは清酒。酒造は発酵分野でもある。伝統の造り酒屋に新規参入したのは「微細藻類・ミドリムシ(ユーグレナ)」によりバイオ技術でジェット燃料を創出した鈴木健吾氏も30代。津南醸造の筆頭株主となり、株式会社ユーグレナの管理職が津南醸造役員に入り、事実上のユーグレナ系列の酒造会社になっている。ユーグレナはミドリムシの学名で、その社名がそのまま事業ビジネスになっている。世界中が問題視するプラスチック分野も研究し、自然界に影響しないバイオプラスチック原料になるコハク酸の生産に、ミドリムシのバイオ技術で取り組み、業界の注目を集めている。

 新型コロナウイルス感染拡大を懸念し、あらゆる分野の自粛・縮小・中止で影響を受ける地域経済・産業界だが、キーパーソンの存在が地域を動かし、業績を上げている。新型コロナ騒動、それでも世界は動いている。

やって来る「その時」のために

2020.3.14

 「その時」は新型コロナウイルス感染が妻有地域で発症した、その時ではない。感染が収束した、その時である。

 いま、地域経済は完全に止まっている、というより沈下し続けている。人に関係する営業活動を生業とする事業経営者にとって、死活問題化しつつある現実が、目の前で進行し、日々の数字は落ちるばかり。国の支援策は「無利子・無担保」、これに無期限が加わればいいのだが、借入金に変わりない。すでに都市部では「白旗」をあげる事業者が出始めている。地域の経営者は語る。「タイリョク勝負、耐える力の勝負だね」。先が見えない耐力勝負だ。

 記録的な少雪の冬が明けつつある。早くも耕地が顔を出し、季節到来を促している。この地の基幹産業は「農」。耕地の雪は消えつつあるが、地域の農業スケジュールは、そう簡単に前倒しできない。だが、この「早い春」を経済に結び付けられないか、考えたい。それが「その時」のビジネスチャンスにつながるはずだ。

 感染拡大の収束が立っていない。だが、必ず収束があることを考えると、いまは、抑圧されていたエネルギーが一挙に解放される「その時」に備える時ともいえる。新型コロナ感染拡大を踏まえた開催の可否が、いまだ正式決定していない東京五輪だが、解き放されたエネルギーはいっきょに五輪景気に雪崩のごとく流れ込むだろう。いまの「静寂の時間」は、その準備時間といえる。

 では、いま何ができるのか。抑制の中で膨らむエネルギーが解かれた時、いっきに世界中に流れ出るだろう。それは情報であり、物流であり、人であり、マネーだろう。

 「農」、つまり食への関心も、その時の高まりの一つになる。魚沼米の産地、地酒、高原野菜、そして水。「その時」に備え、トータル的な戦略を、この時にこそ立てておくべきだろう。いまの時間をどう使うか、そこが知恵だ。

万一の場合どうするか、それが対策

2020.3.7

 『感染クライシス(危機)』。新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。人の往来が増す時期に加え、卒業式シーズン。人と人が顔を合わす機会が多い3月、それだけに住民不安が広がる。懸念を少しでも払拭したいと行催事の中止・延期、人が集まる施設使用の中止が日ごと数を増している。どう防ぐのか、防げるのか、先ずは、日常生活で当たり前のことだが『手洗い・うがい・せき予防』の衛生管理だろう。

 この事態に対し国のトップは『号令一下』し、小中高校の一斉休業の要請を打ち出し、多くの自治体は従い、小中高校の休業を、それも事実上は新学期までの休校を決めている。さらに今度は『異常事態宣言』という。危機感は理解できるが、中身を見ると新型インフルエンザ等特措法で即対応できるもの。加えて、これまでの国政姿勢から疑心暗鬼になる国民は多い。こうした時、その素性が表出する。

 地方自治が生きている所もある。栃木・茂木町は一斉休校を取りやめ、授業を再開している。古口達也町長は「保護者の事情を考えると、学童保育の需要は高くなる。それなら学校で通常授業をしたほうが健康面、安全面で良い」と、教育委員会や町議、地元産業界などと協議し休校取りやめを決め、町内に通知した。この背景には、核家族化による共働き世帯が増え、休校による学童保育を利用する家庭が増えるため、それなら学校生活の方が衛生面、時間の管理など規則的な生活ができ、精神面や生活面の安定・安心が図られると考え、行政判断で休校を取りやめた。地方自治を見る思いだ。

 感染拡大をどう防ぐか。「家から出ない」「人と会わない」、そうした極論が出ることを懸念する。健康を害す最たる要因だが、他に防ぐ策がないのも事実。市町村は対策本部を立ち上げた。この地で感染者が発生した場合の対応、それを先ず住民に示してほしい。その心づもりが、対策を作り出す。

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