「大規模園中止を」、署名原本を提出
より良い保育をすすめる町民の会 署名の集め方を疑問視する町長
保育園再編整備の再考を求める署名3157筆の原本を提出した。ひまわり保育園増築により町内各園の統廃合を進める保育環境整備方針の津南町。その再考を求める「より良い保育をすすめる町民の会」(大島知美代表)は7日に町長室を訪ね、『大規模保育園建設中止』を求める町民署名の原本を桑原町長に手渡した。ただ大島代表と町長の間で不穏さを感じさせるやりとりがあった。署名の集め方に関し、桑原町長は「残念な声も入ってきている。夜中署名してくれと回ってきて、文面も読ませることもないまま、とても強い調子で『書いてくれ』と。その方は少し怖くなって書かざるを得なかったという。それだけでなく『とにかく家族全員の名前をここに書いてくれればいいから』ということもあったと聞く」と強引な署名活動があったかを問うと、大島代表は「それはそれぞれの捉え方」としたが、「会に持ち帰り、そういうことをされた方がもしあったらぜひ反省して貰いたいと申し付ける」と答えた。署名の集め方に疑問符を感じさせるやり取りだった。
今後、同会は署名活動を継続しながら、9月議会定例会に同趣旨の議会請願を提出予定。有権者の過半数を超える4千人署名を集める方針。一方、すでに増築実施設計は3月議会で予算可決。増築設計は審査によりワシヅ設計(長岡市)に決定、年末までに最終案を出す予定となっているが、大島代表は「大規模園となると津南病院通りが午前8時台に通園で2百人余の車が集中するなど、そういうことを協議していない中での予算執行は乱暴すぎる。新型コロナ対応も考える必要があるなか、一度立ち止まり、教育関係者以外の声も聞き考える時期」と話す。
一方、町では署名簿を確認後、同会に要望書の回答を行う方針。桑原町長は「過疎化が進み町財政を心配する方もあるかと思う。ただ町全体を考えれば出生は下げ止まり、年50人余で推移。現状の5園でこのまま進めるのは問題があると思っている。その解決のため今の計画があり、町民に正しい情報が伝わるようにしていきたい」とする。
先月28日に大規模保育園建設の中止や保育士確保のための奨学金制度創設など求める要望書を提出した同会。この時、集まった署名3157筆は提出せず、中間報告の形で要望書だけを町と議会に渡した。その理由を「署名簿提出で不都合が生じる方もある」(大島代表)としたが、署名を求める説明文には『署名の提出先は津南町長・桑原悠様です』と言う前提があり、町は「集まった署名の提出がなければ要望書に回答はできない」と今月4日に同会に通知。大島代表によると、確認が必要な署名者と連絡を取り今回の原本提出になった。

【写真】より良い保育を進める町民の会・大島代表が園増築中止を求める署名原本を手渡した(7日)