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オピニオン

 

あれもダメ、これもダメ、物の見方は足し算で

ちぐはぐな昨今

元ゆずり葉編集委員・松崎 房子

 この原稿が御目に留まる頃は、五輪の開会式が行われた事だろう。当千葉県にも競技会場がある。

 千葉の様子をお伝えしたい処だが、聖火リレーも公道では行われず、世界からのお客様の姿も、超人達アスリートも目にすることはない。

 57年前の五輪は、一般人が何も知らない内に招致がなされ、よくわからない間に東京中が建設の嵐になった。新幹線が華々しくスタートした。

ブルーインパルスの妙技で空に五輪が描かれ、その鮮やかさに目を奪われた。後日公開された映画で見ただけで、当時は精々新聞報道・ラジオで聞いただけだった。日々興奮が募り、終わってみれば、世界に戦後からの復興を遂げた日本をアピールした。

 今回は事前に招致合戦を展開し『お・も・て・な・し』を印象付けた。

 しかしその後の展開は思いもかけない事態になり

多くの人が中止を望むところ迄になってしまった。

 コロナの進展を歯止めするのも、ちぐはぐが目立つ。五輪を強行するには、もっと早くから感染拡大を阻止する手立てがなされるべきだったのでは?

 選手の皆さんは、この日に照準を合わせ、並大抵でない努力の日々だったことを想うと、満員の観客で精いっぱいの応援を贈りたい。現実は無観客の試合が多いようだ。さぞ張合いがない事だろう。世界大会に出場する晴れ姿を見せたい・見て貰いたい筈だ。身内でなくても精いっぱい応援したい。そこへ至るまでの努力を想像するから。 

 一方、検疫に始まり、いろんな現場の関係者・当事者たちは、不眠不休の活動を迫られているに違いない。そんな中で、テレビ観戦で応援しましょう‼ との政府の勧めは空虚に響く。実際そうするしかないのは事実だが、残念だ。

 少し前はベターを探していこうと思う、と書いた。それからまだ半年位しか経っていない。今のベターは何だろう? コロナがまだまだ大流行だが、お蔭様でワクチン接種の2回目も終了させて貰った。この猛暑の中出歩かず、躊躇なく冷房も使ってテレビでオリ・パラを声援すればよいらしい。それで本当にいいのかなー?

 あれもダメ、これもダメと思うと出来ていない事ばかりが気になる。引き算の物の見方で世の中を見ている気がする。欲張りになったのだ。

 足し算の物の見方を心掛けなくては幸せを見失う。

飲食店関係者こそ先行接種の対象者では

ワクチン接種の大きな課題

会社員・村山 朗

 私事で恐縮ですが、先日一回目の新型コロナワクチン接種を受けました。同年代の友人、知人と副反応(副作用ではなく、副反応という言葉をよく耳にするようになりました。調べてみると「副反応」とはワクチン接種に関連したことがらに限定して使用されるそうです。初めて知りました)について情報交換をいたしました。

 人によって症状は様々ですが、接種した腕の痛み、倦怠感、発熱、筋肉痛、頭痛、腹痛、咳など風邪に似た症状が出るようです。筆者は一日ですみましたが、倦怠感や頭痛に襲われました。一方で、腕の痛みすらない無症状の方もいて、本当に個人差が大きいです。

 でも、長い人で三日もあれば回復するので、副反応は恐るに足らず、です。若いヒトの副反応が大きいというウワサがあり、何の副反応もなかった友人の中には「自分が思っているほど若くネヤンダなー」と落胆する向きも(笑)。

 本紙の報道によれば、十日町市では65歳以上の高齢者の一回目接種が8割終了し、先週から今週にかけて、16歳から64歳までの住民に一斉に接種券を配布しました。今回は地域によって接種日を割り当てるのではなく、予約によって接種日が決まるようです。

 家人にも接種券が届いたので見せてもらいましたが、先行枠と通常枠があり、先行枠は基礎疾患のある方、学校・児童福祉施設職員、60歳〜64歳の方、65歳以上で未接種の方とあります。

 残念なのは、飲食店関係者が先行枠に入っていなかったことです。5月に飲食店からコロナが広がり、大急ぎで関係者に無料PCR検査を実施したのを忘れてしまったのでしょうか。感染が広がり易い、不特定多数が出入りする飲食店は第一に優先するべきではないですか。

 ファイザーワクチンは一回の接種で60〜80%の感染予防率といわれています。また、先のPCR検査で飲食店関係者の住所氏名は当局で把握されているはずです。特定の人しか出入りしない学校・児童施設より感染の危険度は高いと思います。(学校・児童施設は後回しでいいという意味ではありません、念のため) 

 飲食店では売り上げの減少が経営を直撃しているため、この度十日町市は飲食店独自の割引クーポン券に補助金を出しました。これは来店客を増やす政策です。であるならば、もう一歩踏み込んでワクチン接種の優先リストに加えていただきたかったです。そうすればお店の利用客も関係者もより安心してお盆を迎えられたはずです。今更ながらですが。

ものづくり日本、それを支える地域の底力結集を

動き出す世界経済

経済地理学博士・清水 裕理

 今年の春頃から、世界経済において、今後10〜20年間を見越した各国の経済戦略計画が動き始め、騒がしくなってきた。

 バイデン大統領は、就任100日目の4月下旬の施政方針演説で、米国雇用計画及び米国家族計画を打ち出した。それによると、近年で最大となるインフラ投資が予定され、その内容は、道路、橋、安全対策、輸送、旅客、貨物列車など、いわゆる国内の伝統的インフラとなっている。

 さらに、米国の水道菅の多くはいまだに鉛が使われており、それら水道管の更新による安全な飲み水の提供と下水道の更新が計画に盛り込まれている。日本でも上下水道の改修問題は深刻で、しかしまだ解決の道筋が示されないなか、米国のこの大規模な計画には目を見張った。

 そして、これら計画の実施により、国内中間層の雇用創出が大きな目的となっている。小さな政府を目指す野党の共和党と財源や予算規模をめぐる議論が予想されるが、議会での法案成立を目指して、急ピッチでの調整が進んでいる。

 さらに米国では、中国等との技術開発競争に対応するため、別法案でIT投資関連の国家予算が増強されるという。

 中国では、今年3月に開催された中国の議会である全人代で、2021年からの5ヵ年計画が発表された。これまでの計画目標だった「小康社会(ややゆとりのある社会)の実現」の達成を習近平国家主席は宣言し、次の時代に向け、国内での技術開発の推進が掲げられた。具体的には、クラウドコンピューティング、人工知能などの7分野に、米国に劣らぬ多額予算の投入が決まっている。

 ITのネットワーク技術の普及では規模の経済が働くため、14億人の国内市場を有する中国は優位だ。また、ITのネットワーク技術については、民間のGAFAは、母国の米国当局から独占禁止法で提訴されるほど巨大で、Googleなどは広告収入という確固たる収入源があるため、新しい技術開発に惜しみない金額をつぎこんでいる。そのスケールは、今の日本の企業では到底かなわない。

 GAFAでは、開発時に高額な報酬を提示し世界中から優秀な研究者を募集している。日本からも優秀な人材がリクルートされているのだろう。 しかし、この世界の日本の天才の中には、報酬に興味はなく、企業にしばりつけられたり、世界に進出したりするよりも、独自で研究を続けたいタイプがいる。プログラミングのコンテストに匿名で出場し周りを驚かせる若者がいたりする。

 現在のパソコンのOSはWindowsが普及しているが、実はそれ以前に日本の研究者たちで優秀なOSが開発されていた。しかし、商業化の段階になると必ずしも良いものが普及するとは限らない。せっかくのチャンスを活かしきれなかったことは幾度とある。

 それは、知的財産戦略がうまくいかないという前に、身内である業界内での足の引っ張り合いが指摘されることがある。かつて海外で、日本の家電メーカーが争って誰も得をしなくなる状況に、現地の人が不思議がる話をよく聞いた。技術開発の段階では協力や切磋琢磨し合う光景がよく見られるのに残念である。

 もう一度、目を世界に転じると、EUは米国や中国に比べて戦略が遅れていると思いがちだが、気候変動問題と産業振興・研究開発を一体とした政策の具体化は、他を一歩リードしている。EUという巨大市場を強みに、規制やルールづくりの主導権を握ろうとする動きも垣間見れる。

 日本も今後、米国やEUと同じ方向の政策がとられると思うが、規模だけではない日本らしい方策を見出さなければ、厳しい国際競争に対応していけないだろう。ものづくり日本とそれを支える地域の底力の結集が大事になると思う。

東京五輪と東京都議選の深い関係

 「7月4日」

秋山郷山房もっきりや・長谷川 好文

 昭和39年、前回のオリンピックでは東京中が突貫工事の真っ最中で街は埃だらけだった。

  私は高校生でオリンピック競技はもっぱらテレビの前に坐って見るだけだったが、甲州街道を走るマラソンは見たような気がする。お婆さんが歩道に座って選手を待っていたのは覚えている。

 あれから56年経ってもう一度オリンピックが来るとは思ってもいなかった。選りによってコロナが収束していない中でのオリンピック騒ぎには少々辟易している。

 本当にオリンピックは行わなければいけないのか、反対はもう通じないのかと気を揉んでいる。

 先月G7が行われたイギリス、コーンウォールでは新型変異デルタ株が広がっているという。

 そもそもこの頃のオリンピックは政治に振り回され、誘致や放映権にまつわる金銭の疑惑にまみれていると聞いている。

 今回、開催都市が東京に決まった時「O・MO・TE・NA・SHI」と大騒ぎの裏にも大量にIOC組織委員に流れた金の話もあった。金でオリンピックを買ったとさえ言われた。そんななかJOCから資金援助を受けているアスリートはメダルを取ると言わざるを得ない。プロ選手の参加を認めた大会からその競技の意義が薄められ不必要な競技も増加している。もう一度オリンピックを考え直す良い機会でもある。

 新型変異株の急激な広がりを思うならば、中止という選択に世界は理解を示すと考える。それに各競技は2年に一度の世界大会が開かれているじゃないか。

 ところが、政府や経済界は東京の後は札幌冬季オリンピックだ、その後は大阪の万博だとばかり少し上ずった物言いで、次から次へと世界のイベントを引っ張り込んで経済を持たせようとしている。日本の経済界は一発屋に成り下がってしまったのだろうか。

 一度決めたことは何がなんでもやり通し、余所者にものを言わせない風潮の社会を持つこの国で、オリンピック開催がひと月後に迫るなか中止とは言い出せない時期に突入したのだとしても、本当に対策は出来ているのかと心配になる。

 それにしても新型コロナ禍で何処に行っても東京からと言うと拒否されたり、イジメられた都民がこの時期の開催を喜ぶだろうかと考えながら、「もしも東京都議選でオリンピック与党が大敗を喫したならば?」と思いついた。7月4日が本当に最後の選択の日になるのではないだろうか。 

 ここはひとつ当事者の多くの都民の判断を待つしかないと、病院に入った都知事をにらみながら思っている。

 開催の中止が決まれば何に気兼ねなくパンデミック対応に集中できるのでは、それが良いのにと、奥深い山のなかでひとり目を凝らしている。まず7月4日の結果を…。