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オピニオン

 

それでも、投票に行こう

与党も野党もダメ?

年金生活者・斎木 文夫

 マスコミの過剰な「自民党総裁選ブーム」に辟易していたが、岸田新総裁誕生が見えてくると、熱がすっかり冷めてしまった。さらに、幹事長をはじめとする党内人事、閣僚人事が報道されるにつれ、国民の関心は皇室方面に移り、発足時の岸田内閣支持率はご祝儀相場とは言えない40〜50%台となった。

 そんな状況で首相は、衆院議員の任期満了の21日を待たずに、14日に衆議院を解散。内閣発足からわずか10日で解散、公示から投開票まで17日間というのはどちらも戦後最短だ。理由は「岸田内閣の信任」というが、3日間の衆参代表質問で国会を打ち切り、閣僚はひな壇で顔見せをしただけだ。これで信任もへったくれもないものだ。自民・公明でボロが出ないうちに選挙へと走ったことは見え見えだ。

 選挙の最大の争点は何か。新型コロナ対策と、経済再生というのが一般的だろう。ここで思い出してほしい。日本の経済がうまく回らなくなったのは新型コロナのせいではない。

 アベノミクスで一部の企業や資本家・投資家は潤ったものの、それが下々にしたたり落ちることはなく、多くの国民の賃金は上がらず、格差は広がり、消費は低迷した。

 岸田首相の「新しい資本主義」がよく分からない。8日の施政方針演説の「成長と配分の好循環」とそのための「大胆な金融政策、機動的な財政政策、成長戦略の推進」は、2016年1月の安倍首相施政方針演説、アベノミクスの「3本の矢」とまったく同じ。

 だから、安倍・菅政権の評価も大切な争点だろう。それは経済だけではなく、国会軽視、国民分断のアベ政治そのものだ。

 選挙戦に入り、与野党とも国民に分かりやすい政策をどんどん出してきている。新型コロナからの復帰に向けての給付金やら減税やら、このバラマキの財源はどうする気だろう。「財務次官、モノ申す」のももっともなことだ。

 国と地方の借金は合わせて1166兆円だという。財務省のホームページを見ると、今年度の国の予算案の一般会計歳出106兆円の10倍以上になる。国の債務残高は、主要先進国の中で群を抜いて最も高い水準にある。財源を考えずに新たな支出を増やしたり、減税を続けたりすれば日本は破産する。

 最近のマスコミによる調査によるとどれも「選挙に行く」人の割合が増えている。よいことだ。「どの党に入れても変わらない」、「誰がなっても同じ」という考え方は間違っている。政治だって何だって、人がやるのだから、人が変われば必ず変わる。

 もう一つ気になるのが、マスコミでもしばしば見られる「与党は悪い。野党もダメだ」論だ。それは正しいのかもしれない。だが、「だから選挙に行かない」のは間違っている。ほとんどがオジイサンで、ほとんどが人相が悪いという政治家に完璧を求めてもダメ。

 選挙の争点はまだある。必ずしも「日本の」でなくたって、今の自分にとって大事なことは何だろう。外交・防衛、福祉・生活保障、教育、環境、原発、ジェンダー、年金、働き方、人口減少、雪対策、結婚したい、子どもを産み育てたい、スケートボードやりたい……。自分の力でできることもあるし、社会の力でできることもある。自分の夢の実現のために、力を貸してくれそうな人はどっちだろう。「よりましな方に投票する」、「よりダメな候補が落ちるように投票する」ことしかできなくても、投票に行こう。

 民主主義は私たちが守らなければお題目になってしまう。今の政治はそうなってやしないか。

「苦手はぜんぶ伸びしろだ!」、今更ではない

久しぶりの新幹線で思う

元ゆずり葉編集委員・松崎 房子

 不要ではなく必要,不急ではなく当日限定の所要があって、子ども・孫と一緒に久しぶりに新幹線で出かけた。

 以前、新幹線車内の電光ニュースがなくなると聞いた覚えがある。確かに列車内の案内とか到着駅や通過駅などの案内・JR広告は流れたが、新聞ニュースなどは一切入ってこない。

 世間では殆どの人がスマホを持っていて、下ばかり向いているので、費用対効果が望めないという理由だった。ごく少ない文字数で、的確に状況を伝える電光ニュースが大好きだ。当オピニオンに投稿したり、時折チャンスを見つけては応募することもあって、大いに勉強になる。スマホは持っていないので、下ばかりは向いていない。ニュースを見たり、通り過ぎる景色を見たりして列車の旅を楽しむのが常だが、叶わなくなった。こうして世間から切り捨てられて行くのだなーと思う。

 確かにあの小型のケースの中に際限もなく情報が詰め込まれているのは事実だ。大学生の孫はサクサクと疑問に答えを見つけてくれる。孫よりは生きている年月が長いので、多少なりとも経験もあり知ったかぶりをしようとした。が即座に正解が出てきて、沈黙・感心するばかりである。子どもは多少花を持たせるかのように、ああでもない、こうでもないと、私が少ない知識をひけらかすのを待っていてくれる。

 片やITを駆使して新しい社会を作っていこうとしている孫たちは日々新しい勉学で、新しい世の中を作っていってくれるのだろう。高齢者も切り捨てないでね。

 新幹線の中は、椅子を回転させ向かい合っての会話はご遠慮ください。

出来るだけ会話はお控えください。とのアナウンスがしょっちゅう流れる。

 非日常の新幹線の車中で久しぶりのおしゃべりを控えるのは骨が折れた。

 そういえば東京駅に向かう在来線の中で、広告を見ていた。学習塾の広告のキャッチコピー【苦手はぜんぶ伸びしろだ!!】にひかれた。苦手ばかりが一杯ある。しかし今さら苦手を頑張って克服しようとは思わない。でもその中の一つでも克服できれば残りの人生変われるかな!?差し当たりスマホに挑戦してみるか?一瞬ワクワクして、しばらくその気になっていた。

 落ち着いたらあのキャッチコピーは、若い受験生向けで、可能性にあふれた人達へ向けたもので、八十代が参考にするのは問題外だよね!でも、もう少しハードルを下げて苦手を乗り越えてみるのも悪くないかも。

遊休体育館を全天候型スケボー施設に

五輪金のスケートボード

会社員・村山 朗

 この夏はもっぱら「ステイホーム」でしたが、東京オリンピック・パラリンピックをテレビで連日楽しませてもらいました。良く知られている競技はもちろんのこと、あまり目にすることのない新しい競技にも興味を惹かれました。

 特に日本の若者たちが大活躍したスケートボードには驚きとともに、懐かしさを覚えました。私事で恐縮ですが、70年代半ば、東京で暮らしていたころ、アメリカの若者文化がどっと日本に入ってきてブームになったことがあります。スケートボード(スケボー)もその一つです。ネットも何もない時代ですので、筆者はそういう若者文化を紹介する雑誌を読み漁りスケボーを手に入れ、休日になると仲間と代々木公園のホコテンで滑ったものです。

 日本と違いアメリカでは水を抜いたプールで滑るのですが、動画も簡単にみることのできない時代、写真だけでは中々ピンときませんでした。アメリカのプールは側壁が直角に切り立っているのではなく若干斜めになっていて、壁から底へは料理用のボールのように丸まっています。その形を利用して滑るようでした。現在のスケボー、パーク競技の原型でしょうか。

 当地でもスケボーを持って歩いている若者を見かけることがあります。以前城ケ丘のピュアランドでコンパネやべニア板を使って造作されたスケボーのできる施設を見かけたことがありましたので、過日再訪いたしました。

 週末の朝だったせいか利用者はいませんでしたが、十日町スケートボード協会なる団体が管理していて、利用規則や利用簿(殆ど記入がされていませんでしたが(笑))なども置いてありました。ごみが散乱しているのではないかと危惧していたのですが、空のペットボトルが数本ころがっていただけで、荒れた様子はありませんでした。

ただ経年変化というか、雨ざらしにされているためか、設備そのものがやや傷んでいる様子です(あくまで個人の感想ですが)。冬にはブルーシートなどで覆うのでしょうか。または分解してどこかに格納するのでしょうか。東京オリンピックで金メダルに輝いた競技の場としては、まことに寒々しい光景でした。

 旧市内には元県立テクノスクールの体育館、中里地区には閉校した倉俣小学校や貝野小学校の体育館があります。十日町市は前述のスケボー協会や地元と連携し、それらの体育館を活用して若いスケートボーダーに安全な全天候型のスケボー施設をぜひ提供してほしいと思います。

大規模な経済対策を明言したが…

新総理誕生と今後の経済政策

経済地理学博士・清水 裕理

 9月29日に岸田文雄自民党総裁が誕生し、第100代内閣総理大臣となる。

 菅総理が応援していた横浜市長候補が負けるなどして総裁戦不出馬を表明、それからの1ヵ月、4人が立候補することになり、自民党国会議員と党員によるフルスペックの総裁選は最後まで大混戦、注目が集まった。

新リーダーへの役割と期待は、感染症、災害、東・南シナ海での防衛など、私たちが目の当たりにするリスクが多くなるなか増すばかりである。

 経済政策は、前安倍総理が掲げた、①金融政策、②財政政策、③成長戦略の三本の矢の基本方針は教科書通りの取り組みでもあり、おそらく継続されるだろう。

 ①の金融政策については、低金利と量的緩和(日銀が金融機関が保有する国債などを買い取りお金の量を増やす)が現在行われており、『非伝統的』金融政策や『異次元』緩和と言われている。

 それにより前年比で物価上昇率2%を目標にしているが、8年以上達成されておらず、当政策を始めた黒田日銀総裁の任期は残り1年半で、それまでの達成は難しいとされている。

 物価安定と資本主義の発展のためには、2%の物価上昇が適切であることが世界のコンセンサスとなっている。人々が欲するモノやサービスが存在し、需要が増して価格が上がり設備投資がなされ、それによって所得が増え経済が回るというのが幸せなシナリオだと思う。

 しかし、気をつけなければならないのは、必ずしも幸せなシナリオになるとは限らないことである。本来は、景気がよくなるから物価が上がるのであり、心配すべきは、不景気での物価上昇(インフレ)である。最近じわりとガソリン代や電気代、加工食品などが値上がりし家計を圧迫しているように感じられる。

 ②の財政政策については、景気対策に効果的という意見がより聞かれるようになっている。岸田総裁は就任会見で大規模な経済対策を明言したが、どの分野にどれだけの財政出動を行うのか、財政健全化維持なのか、増税の可能性はあるのかなどの論戦が、早々に実施される衆院選でなされるだろう。

 ③の成長戦略については、中長期的に最も重要な取り組みで、効果はすぐに見えにくいが、技術開発やものづくり・サービスの漸進的改善が大切と思う。 

 国際的にも各国で新型コロナからの復活も見越した経済対策が日に日に進められている。新しい日本のリーダーの舵取りが試される。