妻有まるごと博物館

 

カワアイサ

中沢 英正さん(県自然観察保護員)

 早春、ネコヤナギの芽がほころび出すころ、信濃川沿いを歩くといろんな水鳥を見ることができる。その中で出会うとドキドキするのがカワアイサだ。スマートな体形とおしゃれな色合い…とにかくカッコいいのである。

 雄は頭が緑色光沢のある黒色、背は黒く、お腹は白と、スッキリした容姿。白いお腹はよく見ると薄っすらと紅色を帯びているのがわかる。雌は頭が栗色で後頭に長い羽(冠羽)がつくのが目印。背と脇腹は灰色である。水鳥の雌は全体が褐色で地味な種類が多いが、この鳥は雌も目立つ色合いである。

 おしゃれの極め付きは鮮やかな紅色をした嘴と足だ。

 潜水が得意で捕食するのは魚。嘴は細く、先がかぎ形に曲がっていて縁にギザギザがついている。これで魚をがっちりくわえこむのである。

 名前の語呂もいい。踊りの合いの手みたいで気に入っている。

 この鳥の故郷は、ユーラシア大陸や北アメリカの北部である。妻有の地に緑が萌え出すころ、北を目指して飛び立っていく。

(2021年2月27日号掲載)

割野の十二講

小林 幸一さん(津南案内人)

 割野の十二講は集落の同年代グループによって代々受け継がれてきました。昨年からは30〜40代を中心にした(笑)天会にバトンを渡し、先輩の友野会と合同で引き継ぎをしながら行っています。地域の伝統行事は高齢化によってどんどん姿を消して行きますが、割野のように形を変えつつも残って行くものもあります。

 割野でも松焼きや賽の神(どんど焼き)を行っていましたが、ふたつがひとつになり、なぜか2月12日の十二講と一緒になりました。十二講とは山の神様十二社山に藁筒に入れたカラコと弓を奉納し、その弓を放ち1年間の無病息災と山仕事の安全を願う行事です。

 これといった山を持たない割野にとってこの日に集約した意義はよくわかりませんが、形を変えつつも、伝統行事が受け継がれていることに大きな意義があります。

 この日も古式に則り、東方の方角に弓矢を放ち、家内安全・疫病退散の願いを込めた大きな焔が境内を照らしました。

(2021年2月20日号掲載)

ふくら雀

南雲 敏夫さん(自然観察指導員)

 氷点下10度くらいの寒い日の朝、多数のスズメが樹上でにぎやかにさえずっていました。よく見るとみんな「まんまるふっくら」としていて思わず見入ってしまいましたが、昔からこんな姿のスズメを「ふくらすずめ」と呼ばれていて親しまれていたそうです。

 どうしてスズメが膨らむかと言うと、寒さから身を守るために自分から羽毛をふくらませて、中に空気の層を作ることで冷たい外の外気から暖かさを保っているのです。

 スズメの防寒対策ですね、これはスズメに限った事ではなくて鳥類は寒くなると羽毛をふくらませ逆立てる事での寒さ対策です。冬場のスズメはより集団行動で生活しますので、暖を取るためにスズメ同士でくっつきあったりして寒さをしのぎます。

 スズメにとっては冬は餌の少ない厳しい季節、食料捜しもたいへんです。ちょっとでも地面が出ていると集まってきますよ。

 米粒などをまいてやると喜んで食べてまたやっている事も多いですね。ちなみに俳句ではふくら雀は冬の季語です。

(2021年2月13日号掲載)

クスサンの繭

中沢 英正さん(県自然観察保護員)

 この冬、左手中指のじん帯を痛めた。病院で作ってもらったギブスを見て「スカシダワラみたいだ!」と思った。

 スカシダワラとはクスサンという蛾の幼虫が紡ぐ繭のことである(写真左)。網目模様で中が透けて見えることからの呼び名だ。

 この繭は、昔は指サックとして使われていたという。見た目よりしっかりしていて簡単につぶれたりしない。中の蛹を守っているのだから当然なのだが…。

 そこで繭がギブスの代わりにできないかと試してみた。熱湯で消毒し、両端を切り落として指にはめてみると弾力があり、なかなかの付心地である。ただギブスとしては心もとなく、安心感はいま一つであった(写真右)。

 この繭をつくる幼虫のことを「シラガタロウ」と呼んだ。背面に密生する白くて長い毛が生え、体長10センチにもなり、人目につく。つぶすと中からテグス状の糸が出てくるのが気味悪かったり面白かったり…。

 嫌われることの多い蛾だが、人との関わりは現在でも続いている。

(2021年2月6日号掲載)

学問の神様

小林 幸一さん(津南案内人)

 コロナ渦の中での受験、早々と合格が決まった方はともかく、身内に受験生の居る方は気が気ではないかと思います。栄村の北野天満宮は最後の神頼み、菅原道真公を祀った京都の北野天満宮の流れをくむ神社で、この地方では唯一の学問の神様です。開基は994年、その200年後には源義経が平泉に落ち延びる時に此処を通ったと云わります。

 北野に行くには津南町から長野県との県境に向かい、森宮野原の橋を渡らず、手前信号を左折、直ぐに右折して橋を渡り、志久見川沿いを登って15分くらいのところにあります。

 受験生と同伴の方は滑る・転ぶは禁句、境内は本当に滑りやすい雪道なので長靴が必需品です。

 拝殿入り口には絵馬が多く奉納されていますが、受験生の落書きが目立ちます。恐らく日本一建物に願い事が書かれた神社と言っても良いでしょう。藁にも縋りたい心情は理解できますが、神社に来る手前の看板のある民家で絵馬を購入してから参拝された方が効き目があります。また頭上の彫り物もよく見てください。歴史のある社殿にふさわしい見事な彫刻がなされています。

 一通り参拝を終えそれでも不安の受験生は近くの北野天満温泉「学問の湯」でリフレッシュするのも良いでしょう。

(2021年1月30日号掲載)

早朝の細月と金星

南雲 敏夫さん(自然観察指導員)

 この季節は寒いので夜明け前の細い月を見る事は余程興味がないとあまり見ないと思う。

 細い月と金星の接近だが、この時、日本では見れなかったがアメリカ西部から太平洋上では月が金星を隠すという現象が見れた言う。

 そう思うと、月がいかに地球に近いところを回っているのかが分かる。明け方の月も夕方の月も太陽光が当たっている場所以外の場所がほんのりと丸くなっているのも分かるが、これは地球照と言って太陽光が地球に当たって反射した光で月の影の部分がわずかながら見えるというもの。

 このように月と惑星の接近は頻繁に起こるのだが、なんにせ天候に左右されて見られない方が圧倒的に多い気がする。

 こういう現象はパソコンやスマホであれば検索が可能であるので興味のある方はぜひともやってみたらいかがでしょうか。

 もちろんデジカメでも撮影は可能だし手振れを防ぐ意味でも三脚にカメラを固定すればすぐに撮影   はできますよ。興味ある方は教えますよ。

(2021年1月23日号掲載)

キンクロハジロ

中沢 英正さん(県自然観察保護員)

 冬になると日本に渡ってくる鳥の中にカモの仲間がいる。池沼や大きな川の流れの緩やかなところで群れているのをよく見かける。マガモ、コガモ、キンクロハジロなどがお馴染みさんだ。

 キンクロハジロはユーラシア大陸が繁殖地である。

 雄は黒と白の色合いでなかなかお洒落である。さらに目が金色、後頭部には長い冠羽が垂れ下がるというインパクトのある姿をしている。今時の若者のようでカッコいい。

 雌の方は濃い褐色で、後頭部の冠羽は雄と比べると短く、ちょっと控えめだ。

 カモの仲間は雌の方が地味な色合いである。自然の中では目立たぬ姿の方が外敵に見つかり難く、生き延びる確率が高くなるのである。

 水面を動き回りながら潜っては食べ物を探す。エビやカニ、水生昆虫、水草などが好物だ。

 春になれば生まれ故郷を目指して飛び立っていく。中には渡りをやめてしまったのか夏でも小群を見かけることがある。

(2021年1月16日号掲載)

一車線になった国道405号を歩く(津南駅へ)

平成18年豪雪の記録

小林 幸一さん(津南案内人)

 年末からの大雪で雪害も出ているようですが、平成18年の今頃には4m近い積雪がありましたので、まだその半分くらいです。大雪が降ると我々地元カメラマンもなかなかカメラを持ってウロウロ出来ないものですが、意を決し、ヤッケにカメラを隠して撮った貴重な写真です。

 写真は津南町割野の国道405号線と信濃川橋の様子です。こんな狭い道を高校生たちが通っていると思うと、事故が起きないうちになんとかして頂きたいと思うばかりです。

(2021年1月9日号掲載)

信濃川橋の歩道はトンネルのようになって歩けない

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