2021年(令和3年)9月

2021年9月11日(土)

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オンラインで妻有地域の医療介護を話し合ったシンポ(4日、クロステンで)

医療集約、「地域過疎化・消滅招く」

妻有医療介護シンポ 3年後に医師働き方改革、医師不足で診療科維持困難に

 人口減少に加え、医師・看護師不足がある魚沼医療圏。今年4月に県は『地域医療構想』を策定。その中には圏域ごとの特定の医師など集約し専門的手術や救急を24時間体制とし、その他の病院は役割を見直し後期高齢者など地域包括ケアシステムを支える医療機関とするのが骨子。県は効率化を進め「最後の命を守ってくれる病院をいかに機能させるかが重要」とする。だが豪雪地の中山間地である妻有地域は集落が点在、高次医療を行う病院に医師などが集中すると、これまで地域病院で受けていた診療が難しくなり、集約化が進むほど安心・安全な医療体制から離れる懸念がある。地域の実状を知る新潟大十日町いきいきエイジング講座の菖蒲川由郷氏は「医療サービス縮小、特に周産期や小児医療の減少の結果地域の過疎化、消滅を招いてしまうようになるのではないか。集約の先の未来像を描いた上で進める必要がある」と危惧する。一方で町立病院を持つ桑原悠町長は「妻有地域で集約して機能分担する段階にないと思っている」と県が進める医療再編は時期尚早とするなど、地域に医療機関がある現状の重要性を指摘する。医療集約が地域医療の切り捨てとなる、その不安解消なき医療集約は難しいのが現状だ。

(詳細は2021年9月11日号で)

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地域医療を担う十日町病院

病院乱立の首都圏こそ集約を

 菖蒲川氏は「おそらく魚沼基幹病院、遠いが長岡が3次救急を担う所。現状で一次・二次医療は十日町病院、松代病院、津南病院が担っている」。『もし医療集約すれば』の仮定のなか「これまで松代病院、津南病院で担って来た救急搬送患者や夜間休日の対応を十日町病院が一手に引き受けるとなった時、どうなるかを考える必要がある」。昨年の休日・時間外受診と救急受入れは十日町病院は時間外受診5011人・救急1860件、松代病院286人・112件、津南病院1118人・182件のデータを示し「仮にこの松代病院と津南病院分を十日町病院ですべて担うとなると、休日受診だけで44%増になる。医療集約するならばこの辺りも考える必要がある」とする。

 一方、白倉悠企氏は「日本が超高齢化社会に突入している。この地域も人口の約50%が高齢者になる。社会構造として高齢者がマジョリティ(多数派)になる時代に突入しようとしている。その中で社会構造、地域デザインの変化が求められて来る」。さらに「医師の働き方改革、地域医療構成は他人事ではなく、この地域の医療に大きな変化をもたらそうとしているのを住民はまだ知らないのではないか」と危惧。加えて「10年、20年後にどのような地域を残すのか。その議論に行政、住民が参加できていない状況があるのが地域医療構想のひとつの問題点では」と言及した。

(詳細は2021年9月11日号で)

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地元利用を呼びかける十日町飲食店組合・貝沢組合長

「仕事でモチベーション、課題は運転資金」

 新型コロナの影響で苦境が続く飲食店。今月3日から16日まで県独自の警戒レベルで最も厳しい特別警戒が発令され、酒類を提供する飲食店などに対し再び営業時間を短縮するよう要請が出されるなど厳しい営業を余儀なくされている。十日町管内の飲食店の経営は大丈夫なのだろうか。十日町飲食店組合(46店)の貝沢友哉組合長(食楽空間だぼる)に聞いた。

 Q.中国・武漢市で病因 不明の肺炎の集団発生 が報告されたのが2019年12月31日。あっという間に世界に感染 が広がった。十日町圏域の飲食店はいつごろから影響が出てきたか。

 A.豪華客船で新型コロナの感染が出たという報道があった昨年2月から1ヵ月ほど過ぎた頃、予約キャンセルが出始めた。ただ、それでもキャンセルはあっても新規の予約が入ったりしていた。それが4月に入ると一気に新規の予約がなくなった。そんな状態のまま今に至っている。

(詳細は2021年9月11日号で)

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委員19人がアンケート分析を基に意見を交わした下条地区

学校再編、望ましい形模索

 小学校と中学校の再編整備方針を出している十日町市教育員会。当初から『小学校の複式学級解消と1学年1学級以上、中学校は1学年2学級以上の学校規模』を必要条件として再編とする方針を崩しておらず、市議会9月定例会での学区再編を問われた一般質問でも改めて強調している。ただ再編案ではまつのやま学園を除き信濃川左岸側から中学校が無くなるなど、旧市町村の境を越えての再編が多く、住民から「学校を残してほしい」や「将来の児童生徒数を考えると大幅な統合は必要」などと賛成可否が割れた状態が続いている。大きな再編対象となっている下条地区、吉田地区、中里地区などでは統合が何をもたらすかを考える会などが立ち上がり検討を進めるが、市教委が示す必要条件を満たすのは今後も進む少子化もあり難しいのが実情。学校統廃合が地域理解を得られるかは不透明な状態が未だ続いている。

(詳細は2021年9月11日号で)

今月末に移住定住案を町各課に提案する若手職員で作る「移住定住プロジェクトチーム」

豪雪と共に、移住促進案を

 20〜30代の津南町若手職員6人が所属課を横断し検討を進めている「移住定住プロジェクトチーム(PT)」。新年度予算編成に意見反映をと、今月末にまとめた移住定住策を各課に提案する予定だ。8日に行った町長定例会見でメンバー5人が来訪。移住定住スローガン『今いる人とこれからの人で豪雪(めぐみ)と共に暮らしをつくる』の元で移住定住策を検討していると話した。具体的な提案内容は明かさなかったが、美雪町の空教員住宅活用など検討しているという。メンバー最年長の山田佑樹さん(38)は「一人で考える仕事が多いが、PTで町の課題の目標解決に向かうのでやりがいがある」と話している。

(詳細は2021年9月11日号で)

十日町管内50社が参加した高卒の就職選考研修会(6日)

コロナ禍で高卒採用

十日町職安 公正な選考求める

 コロナ禍で迎えた高卒就職希望者の新規採用選考がスタート。十日町公共職業安定所(今泉潤所長)は6日、高卒者採用予定事業所などを対象にした「高卒者の選考から入社受け入れまで」「公正さでのぞむ採用選考」など雇用管理・公正採用研修会を開き、「新型コロナの感染拡大防止に留意し、学校・生徒の個別事情にも配慮した柔軟な対応をお願いしたい」と要望した。

(詳細は2021年9月11日号で)

初収穫のホップでクラフトビール製造に臨む山家さん(右)と岩田社長(4日)

十日町産のホップでクラフトビール

山家さん栽培、醸燻酒類研究所で製造

 「香り高く、風味深い十日町のビールを作りたいです」。アメリカ・オレゴン州のホップ農場で本場のホップ栽培を学び、2018年から木落の耕作放棄地でホップの栽培をスタートさせた山家悠平さん(33)。いよいよ自作のホップを使ったクラフトビールの仕込み作業を4日、醸燻酒類研究所(十日町市本町5、岩田貴之社長)で行った。

 ビールの原料のなかでホップは芳香と苦味のもととなるもので、仕込みを行ったのは『フレッシュホップ』と呼ばれるもの。持ち込まれたホップは3・6㌕、約300㍑のビールとなる。

(詳細は2021年9月11日号で)

2021年9月4日(土)

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衆院選近し、現政権評価が争点

来月解散総選挙か 高鳥・梅谷・風間 一転三つ巴、思惑交錯

 衆院選の時期をめぐり、政府自民党内では様々な駆け引きが続く。総裁選前、あるいは衆議員任期直前など、憶測が飛び交っているなか、新潟6区は三度の現職と新人の対決かと見られていたが、参院から鞍替えの新人出馬が確実となり、三つ巴の選挙戦が確実になっている。現職の高鳥修一氏(60)は30日、十日町市選対を開設し、事実上の臨戦体制に入っている。三度の挑戦となる立憲民主・梅谷守氏(47)は先月上旬、十日町市選対を立ち上げ、野党グループの組織と市民レベルの支援組織の二本立てで取り組む。鞍替え出馬となる風間直樹氏(54)は十日町地域の支持者を足掛かりに昨秋の事務所開設で活動するが、いまだ十日町入りを果たしていない。前回2017年選挙は現新一騎打ちで現職・高鳥氏が2212票差で梅谷氏を下し再選を果たしている。今回は選挙時期と共にコロナ禍で活動が制限されるなか、限られた活動による短期決戦を余儀なくされ、有権者の現政権への「評価」が投票行為に大きく影響すると見られる。

(詳細は2021年9月4日号で)

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色彩豊かなミヤマカラスアゲハ(涌井泰二氏撮影)

希少動植物の保護急務、乱獲横行

 「大型のサーチライトを谷に向けて照らし、オオクワガタを採集していた」。こんな証言がここ数年、聞かれるようになっている。オオクワガタなど甲虫類に限らず、希少な蝶の乱獲も耳にする。「数人からグループで来ている。なかには業者が募った採集ツアーもある。なんとか手立てはできないのか」。当初は黙認していた住民たちも、その乱獲ぶりが目に余り、地元行政や関係者に対策を求めている。だが、そうした採集や乱獲を規制する法的な根拠は乏しく、地元自治体により「条例化」を求める声が上がる。新潟県は今年3月「新潟県希少野生動植物保護条例」で16種を指定、保護保全に乗り出し、長野県は2003年に希少野生動植物保護条例を制定し80種を対象にする。両県とも罰則規定を設けているが、どう乱獲を防止し違反行為を摘発するかなど実効性には課題が多い。一方、31年前の1990年に「自然環境保護条例」を制定する長野・栄村は、昨年から専門調査員による希少野生動植物の調査活動を行い、すでにある保護条例をさらに実効性が上がる条例に改正するか、新たな条例制定をするかなどを視野に取り組む。ただ、自然界には自治体の境界線は存在しない。栄村の調査員は「近隣自治体が連携し、一帯的な保護への取り組みをしないと効果が上がらない。自治体を超えた広域連携が早急に求められる」と話す。

(詳細は2021年9月4日号で)

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全域に特別警報、時短要請も

 県全域に「特別警報」を発令—。県は先月30日、新型コロナの感染拡大で県独自の警戒レベルで最も厳しい特別警報を発令。十日町市や津南町でも3日から16日までの間、酒類を提供する飲食店などに対し、営業時間を短縮するよう要請。また若い世代の感染が増えていることから、同期間中の中学校の部活動を休止した。

 十日町保健所管内の新型コロナ感染者は2日朝現在、累計で十日町市142人、津南町43人。管外からの通勤通学者5人。先月10日から31日まで連日、感染者が出た。

(詳細は2021年9月4日号で)

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新コロナの影響で全国や県大会開催が心配される中学校駅伝大会(前回大会で)

新型コロナ、またも全中駅伝微妙

 全国大会出場をめざす中高生の駅伝シーズンを迎えたなか、新型コロナの影響でまたも全国中学校駅伝大会(12月19日、滋賀県)が中止になるのではと、心配する声が広がっている。先月30日には県独自の警戒レベルで最も厳しい特別警報が発令され、今月3日から16日までの間、中学校では部活動の中止している。昨年は県大会で男子・津南、女子・十日町と妻有勢が優勝を独占した中学駅伝。今年も全国をめざし、選手たちが厳しい練習に取り組んでいる。「全国大会があることを信じたい」。選手、監督の思いは届くのか。

(詳細は2021年9月4日号で)

育成管理や農薬散布ができるドローンも実演(先月27日)

最先端技術、棚田で実証

 豪雪・中山間地の農業を、最先端技術活用で営農発展を図る農林水産省「スマート農業実証プロジェクト」。その採択を受けた十日町市では昨年度から2ヵ年計画で、中条と松代の棚田地域2ヵ所でスマート農業の実証を進めている。

 中条飛渡地区の農事組合法人「ふれあいファーム三ケ村」が取り組む実証を見て関心を持って貰おうと先月27日、スマート農業現地見学会を行い市内農業者と行政関係者21人が参加した。

(詳細は2021年9月4日号で)

土器に残るススやコゲの分析から縄文食を解説した講座

土器から縄文食探る

十日町市博物館講座 ススや焦げから分析も

 十日町市博物館講座「縄文を学ぶ」の第2回講座が先月21日、同館で行われ、東大総合研究博物館・学術専門職員の宮内信雄さんが「土器から縄文食を探る」と題して講演した。宮内さんは十日町市出身で市博物館に嘱託職員として10年間勤務し、市内遺跡の発掘調査にも携わってきた。現在は縄文土器の科学的分析を専門に行っている。

 縄文人が食物として利用した動植物は全国で258種見つかっており県内では80種。縄文クッキーはナッツ類が中心で油分を含んだクルミは入っていない。土器からは植物の種子等が押し付けられた「圧痕」が見つかっており、中里・おざか清水遺跡の土器にはアズキの一種、下条・野首遺跡の土器にはトチの実の痕が確認されている。

(詳細は2021年9月4日号で)

オンラインで津南町と自然エネ協定を結んだ世田谷区長(モニター画面内、先月19日)

「津南ルーツ」で新たな交流を

東京世田谷区・保坂展人区長 祖父は石田文学博士と、曽祖父は旧上郷村議長

 自然エネルギー活用を通じた連携・協力協定を東京・世田谷区(保坂展人区長、65)と締結している十日町市と津南町。津南町とは先月19日にオンラインで協定を結んだばかり。その世田谷区・保坂区長のルーツは津南町にあった。祖父は津南町出身の国文学者・石田吉貞氏(明治23年12月〜昭和62年11月)と幼なじみ、曾祖父は旧上郷村大井平で村会議長を務めた自由民権運動の活動家だった。保坂区長は「今後、住民同士の交流を深めていきたい」と話し、津南町の桑原悠町長も大賛成。『津南ルーツ』の縁が新たな交流に結び付きそうだ。

(詳細は2021年9月4日号で)