2020年(令和2年)12月

2020年12月26日(土)

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酒粕でカキ養殖、新分野に挑む

津南醸造 新社長40代経営陣、発酵業界が注目

 酒米生産農家や地元津南町、JA津南町などが共同出資し、酒造事業に取り組む「津南醸造株式会社」は、昨期からバイオ分野やベンチャー事業経営者など40代の若い経営陣が加わる新経営体制になっている。伝統産業の酒造に新風を吹き込む事業展開が期待されるなか、6日に第67期株主総会を開き、コロナ禍での業績発表があり、売上減少ながら経常利益の落込みは少なく、新たな営業戦略への芽出しもあり、さらに40代経営陣から新社長を選任するなど、酒造業界から注目を集める存在になっている。

     ◇◇◇◇◇

 新社長には前期の新経営陣に加わった樺沢敦取締役(41・株式会社FARM8社長)が就任。前社長の古澤有三氏は財務・営業担当の執行役員に。新たに相談役にJA津南町・石橋雅博専務、アドバイザーに弁護士・安藤万里子氏が就いた。

 新社長の樺沢氏は、発酵食品分野で『HAKKO(発酵)』ブランドで全国展開し、津南醸造筆頭株主の鈴木健吾氏(ユーグレナ)と事業連携。前期の新参入は発酵事業の酒造で津南醸造の新展開をめざす。発酵食品ファーム8(本社・長岡市)経営の樺沢社長は「地元の良質な酒米、良質な水、雪がもたらす酒造環境、津南醸造ファンは多い。この1年、新たなファンを創り出す体制作りを考えてきた。コロナ禍で全国の酒蔵は苦戦しているが伸びている蔵もある。津南醸造は大きな可能性を持ち、我々はその可能性に挑んでいく」と就任挨拶。さらに「私の会社ファーム8は農業と関係深く、津南醸造もそのつながりが大切。土を守り、雪と水を守る活動が、この酒造事業を100年後へとつなげるはず」と環境保全と酒造事業の関係性を強調する。

 筆頭株主の鈴木健吾氏は「事業売上は減少傾向だが経常利益の減少は少ない。コロナ禍で国支援の財源で財務的には心配ない」と決算数値を分析。「今年4月に新ブランド『Go』を立ち上げ、ロンドン酒チャレンジで金賞受賞した。今後のターゲットは20代30代女性で戦略を進める」と樺沢社長との連携を話す。

 さらに鈴木氏は新たな研究分野を明らかにした。「世界的に環境への取り組みが企業業績に大きく影響している。酒造で出る酒粕を廃棄物処理せず、カキ養殖に活用する実証を進め、広島で酒粕養殖カキを試作している。津南醸造の経営陣にシェフの村山太一氏がいる。営業戦略と活用アイデアも出ている。独自ブランド化、養殖事業ノウハウの提供など多分野での取り組みが可能。酒造事業で廃棄物を出さない、世界が認める酒造会社を築きたい」と話す。

 一方、樺沢社長は近く『Go』ブランドの新商品を発表する方針。「アウトドアでも気軽に携帯でき、飲んだ後の処理も簡易なパウチ形式の100㎖酒を発売する。女性の嗜好に合った甘口で芳醇な香りの酒と濃厚な味わいの2種類を予定する。国内と共に外国への戦略を主体に取り組み、少量ながら飲みごたえがあり、携行が簡易のポケット酒のイメージで営業展開を進めたい」と話す。

 新社長就任と共に40代経営陣の「挑戦」は業界の大きな注目を集め、新聞や関係業界、マスコミなど関心を呼んでいる。

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中央の屋根から転落(関根で)

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左の家の中屋根から転落(船山新田で)

集中豪雪、犠牲者発生

屋根除雪転落死 十日町市と津南町、1週間で​2メートル超

 初雪の大雪で妻有地域で雪害に関する死亡事故が18日に2件発生した。いずれも高齢者が単独で屋根に上り転落したもの。「一人では屋根に登らないで」などと十日町市や津南町は呼びかけるが、高齢者世帯などでは難しいのが現状。世帯の高齢化が進む中山間地の厳しい冬事情が大雪で明らかになっている。

 18日午前11時20分頃、十日町市関根第一の農業・岡村貞雄さん(81)が自宅の2階建て車庫を1人で作業中、誤って約5㍍下のコンクリート地面に転落。胸などを強く打ち、心肺停止の状態で十日町市内の病院に搬送。午後12時14分、搬送先の病院で腹部大動脈損傷で死亡を確認。岡村さん方は国道353号線沿い、通行人が転落するのを目撃し通報した。

 18日午後12時20分頃、津南町船山新田の無職・櫻澤泰一さん(70)が自宅の軒下で倒れているのを通行人が発見し通報。心肺停止で十日町市内の病院に搬送、午後1時27分に食道静脈瘤破裂での死亡を確認。櫻澤さんは一人で自宅1階の出窓の上にある屋根の雪下ろしをしているのを住民が目撃しており、約3㍍下の道路に転落した。櫻澤さんは持病があり退院したばかり。雪下ろし中に発病し病死し、転落したとみられる。

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蚊トンボの仲間の新種「ウロモルファ・ロンジペニス」

新種発見、松之山ブナ林で、さらに新種も

「キョロロ」加藤大智研究員 国際学術誌に掲載

学生時代から8年がかりで

 ブナ林が広がる十日町市松之山で通称・蚊とんぼの仲間の昆虫の新種が発見された。松之山では15年ぶりの新種だが、蚊とんぼ(ウロモルファ属) の新種が論文掲載されたのは世界で71年ぶり。論文は世界的な動物分類学・系統地理に関するブルガリアの国際学術誌に今年11月に掲載され、発見者は松之山「森の学校キョロロ」の加藤大智研究員(30)。学生時代から大学院時代を含め米国スミソニアン博物館まで標本確認に行くなど8年がかりの研究成果で、加藤研究員は「松之山にはまだ昆虫の新種がおり、今後も研究成果を発表していく」と話す。21日の定例記者会見で公表され、関口市長は「子どもたちの関心や興味につながる大きな成果」と話した。この新種・学名「ウロモルファ ロンジペニス」は来年春3月の企画展で展示する予定だ。

 地域で通称・蚊トンボの仲間で、分類では「ヒメガガンボ科」。同科は750種ほどいるが、今回の新種は従来の蚊トンボに比べ、オスの生殖器が倍以上長い。加藤研究員は筑波大から弘前大大学院時代に研究を進め、2012年に初めて松之山で今回確認された新種を採取。その後、九州大で博士課程でさらに研究を進め、この間に米国ペンシルバニア州ドレクセル大に留学時代、スミソニアン博物館で標本確認し、今年3月に新種確認。11月には世界的な学術誌「Zookeys(ずーキーズ)」に論文掲載し、ウロモルファ属では実に71年ぶりの新種掲載となった。論文は共著だが加藤研究員はメインで取り組み、今回の新種は奄美諸島の新種の2種を新種掲載している。

 松之山での採取は標高800㍍付近の天水山のブラ林で、その後の調査で同種は日本に広く分布していることは判明している。なお、松之山では15年前に新種昆虫「マツノヤマヒメコケムシ」(和名)が発見されている。

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​加藤大智研究員

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『鬼の宝ポーク』が新潟伊勢丹に

NIIGATA越品コーナー 津南町「鬼や福ふく」、26〜30日に店頭販売

 県内の食やファッション、雑貨、工芸品など『新潟の銘品』が集まる新潟伊勢丹の「NIIGATA越品コーナー」に、津南町宮野原の「鬼や福ふく」(島田福一社長)のブランド豚『鬼の宝ポーク』が今月26〜30日に販売。4年前に始まった同コーナーで、生の豚肉が選ばれるのは初めて。鬼や福ふくでは全国的にも珍しい、県内では同社のみが取り組む母豚のフリーストール飼育を10年余前から導入しており「子豚を生む母豚が自由に歩き回り、食べたい時にエサを食べ、寝たい場所に寝るのがこの飼育方法。健康な母豚から埋まれた子豚は何よりも健康で美味しいを信念に育てており、それが評価されたのはとても光栄」と喜んでいる。

 現在は母豚170頭を育てる同社。これまで40年余「島田農園」として養豚業とその堆肥を使う循環型農業を続け、昨年に株式会社に変更。スイートコーン『鬼もろこし』、『鬼の宝にんにく』の自社ブランドを生産。今回の新潟伊勢丹出品を契機に、自社豚肉は『鬼の宝ポーク』と名付けた。すべてに『鬼』が付くのはスイートコーンがクマ被害に悩まされていた時に『クマより強い名前を付けたら寄ってこなくなるのでは』と、初の自社ブランド名を『鬼もろこし』としたのがきっかけ。

 同社が育てた豚は長野県内の業者に卸しており、そこから関東圏に出荷。新潟県内での販売は珍しい。養豚担当16年目の島田福徳ディレクター(40)は「フリーストール飼育はヨーロッパのアニマルウェルフェア(飼育動物の生活の質を高める考え方)基づいたもの。近年はどういった風に食べるものを育てているかを意識する方が増えている。今回の出品を契機に育て方も含めアピールしたい」と話している。

鬼や福ふくの島田福徳さんと「鬼の宝ポーク」

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コロナ陽性者が出た十日町署。入口にマイクロバスを置き業務対応(23日)

30代男性警官新型コロナ陽性

また十日町警察署

 再び十日町警察署で新型コロナウイルス感染者が出た。十日町署は23日、地域課の30代男性警察官(長岡市在住)が新型コロナ陽性だったと発表した。同署は23日午前0時過ぎ、感染が疑われる事案を認知したと発表。署内は原則立ち入り禁止とし、窓口業務は玄関前にマイクロバスを設置し対応。なお署内の消毒は23日で完了した。同署では11月に警察官1人の感染が発生している。

 感染が判明した男性警察官は21日夜から翌22日朝まで当直勤務。帰宅後に発熱があり同日医療機関を受診。抗原検査の結果は陽性で、感染を確認。発熱と咽頭痛がある。感染確認を受け濃厚接触者の署員10人余が自宅待機となっているが、今のところ体調の悪い職員はいないという。保健所の指導を受け随時検査など実施。業務は県警本部から応援を受け行っている。この影響で新築し24日開所予定だった下条駐在所の開所日は延期となった。

​≫<年末特集>写真で見る今年1年

​≫志願倍率アップ 県立津南中等教育学校 前年0.34%増、だが定員割れ

​≫倒木で断線、2400戸停電 湿った重い雪、20日までに復旧

​≫関口市長、削減否決で 定数問題、「どうなのかな」

≫流せる包装紙 あんしんが出荷開始 

≫紙おむつ燃料化に着手 ペレット製造、1日330キロに

≫命を守る最新式新救急車を導入 しぶみ分署

≫コロナ対策吐出器寄贈 ムラオ

≫今年も歳末寄付、40年続く奉仕活動 津南ロータリークラブ

≫マスク、消毒「基本対策が大事」 十日町高校同窓会 新潟大・井口教授がコロナ講話

≫医療福祉サポート 日本生命労組津南支部が恵福園などカタログ寄贈

≫年間賞は関口友子さん 妻有俳壇、皆勤投句は22人

≫5社連携で福袋、北信越Fe袋 北越急行など

≫高校生が彫刻芸術を 奴奈川キャンパス「松代の贈り物」制作

≫やまびこ祭り、工夫して楽しむ 川治小学校で開く

≫オゾン発生きや自動検温装置導入 ダイナム十日町店

≫ボッチャで交流 十日町アクティブスポーツ、障がい者と健常者が共に

■好評連載

≫<新米ママ子育て日記465回>「三段腹??」​

≫<霜月の表情>「スイスイ・一輪車クリスマス会」(十日町)・「ちょこっとXマス・協力隊企画」(津南)

≫<本って最高・高橋しげ子226回>「ちいさなちいさな めにみえないびせいぶつのせかい

<とっておきの私の山行>宮澤 健二さん 「剱岳の思い出② 山岳写真で銅賞、カメラ犠牲も」

<マイふぁみりー>小海 洋美さんさん <ラグ、いま幸せ?>

<ドクター栄美子のこころとからだの学校15>『「冬至」は「湯治」、「柚子」は「融通が利く』

<私の名作めぐり・庭野三省290>番外編 閑話休題 現代の作家② 「現代小説は女性作家で成り立っている」

​ほか

2020年12月19日(土)

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積もった雪から掘り出すように車を出す高齢男性(15日朝、市街地で)

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大量降雪となった里山の初雪。国道117号沿いの商店街は除雪に追われた(16日)

初雪ドカン、170センチ超

除雪追いつかず、生活道寸断

 めったにないドカ雪な初雪が奥信越を襲った。強い寒気が入り込んだ14日夜から降り出した里山の雪。降雪はやまずあっという間に積もり、津南町役場観測点では24時間降雪量は16日98㌢を記録。17日には奥信越3市町村の観測点の平均積雪は1㍍を越え、すでに昨冬の最高積雪(十日町試験地72㌢・2月11日、津南町役場90㌢・2月9日、栄分署112㌢・2月11日)を越えた。初雪が根雪となる見込みで、町役場観測点では平成26年以来6年振りとなる。

 16日早朝は2日間降り続いた雪のため、道路が埋もれ各所で除雪が追い付かない状態が発生。初雪ながら積もった屋根雪落としをする住民の姿も見られた。いっきに来た初雪で早くもマスメディアに取り上げられ、「豪雪地」らしさが全国ニュースで流れた。一方、降雪による倒木で栄村では16日未明から野田沢など8集落264世帯で停電が発生。停電は17日に復旧見込み。津南町でも16、17日にかけ上郷地区の一部や三箇地区など約200戸で停電が発生。すでに復旧。十日町市では松代や中里地域で10戸の停電が16日に発生し復旧している。

 一方、スキー場にとっては恵みの雪。19日には松之山温泉、まつだいファミリー、さかえ倶楽部がオープン予定。ニュー・グリーンピア津南は24日から営業開始の予定になっている。

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外観や香り、味をみる第1回町米・食味鑑定コンクールの審査員ら(16日、綿屋旅館で)

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第22回米・食味コンクール国際大会で町内上位に入った5者の米を審査した

3年後の国際大会向け機運アップ

米・食味分析コンクール 津南町独自で第1回審査会開催

 めざせ金賞獲得—。3年後の令和5年度に第25回米・食味分析観点コンクール国際大会の開催が決まっている津南町。今年静岡・小山町で開いた第22回国際大会では全国4755検体が集まり、うち津南町からの出品数は87検体(昨年38)。津南開催に向けた意識アップをねらいに出品料の2分の1を町が補助した効果もあり倍増。なお同国際大会では大型法人部門(50㌶)でグリーンアース津南・桑原健さん(貝坂)が金賞を獲得している。

 津南開催を前に良質米作りへの機運をさらに盛り上げようと、「第1回町米・食味分析コンクール」は16日に綿屋旅館で開催。今年の第22回国際大会に出品した町内農家の上位5者の新米を審査。外観や甘味、粘り気など確かめながら実際に桑原町長ら審査員9人が実食。町独自コンクールでは最優秀賞に株式会社・麓(樋口貴幸社長)、優秀賞に中澤正臣さん(中深見)と内山勝也さん(谷内)、入賞にグリーンアース津南・桑原健さんと滝沢英喜さん(赤沢)を選び表彰。町では本大会開催の3年後まで独自コンクールを継続予定だ。

今回初開催となった町独自コンクールでは実食鑑定は本大会の基準を参考に実施。最優秀賞となった麓は、昨年の第21回大会で国際総合部門で特別優秀賞を受賞した農業法人。瀧澤武士取締役は「最優秀賞は嬉しい。苗場山麓の標高の高い地でコメを作り2年目。収量ではなく、コメの整流率や旨味など成分密度を上げる取り組みを進めている。めざしているのは国際大会で金賞の常連となること」と話した。

 一方、桑原町長は津南米の認知度アップを図ろうと新米を小説家・湊かなえ氏と国際政治学者・三浦瑠璃氏に贈ったと明かし「コロナ禍でより美味しいものが求められている。町独自コンクールは本番前のプレ大会の位置付。農業と観光の連携を進めながら、コメを始め津南産の価値を高める努力をしていきたい」と語った。

審査員=桑原悠(津南町長)宮澤嘉孝(JA津南町組合長)涌井直(町農業委員会長)長谷川雅義(十日町農業振興部副部長)滝沢元一郎(町議会産業建設常任委員会長)樋口明(町観光協会長)風巻あづみ(つなベジ会代表代理)桑原清(町稲作改善組合副組合長)桑原健太郎(国際名稲会、グリーンアース津南)

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1月1から発電開始予定の松之山温泉の地熱バイナリー発電所。右が空冷式冷却塔(13日)

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建屋内にあるバイナリー発電機(GPSSグループ提供)

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完成を祝う関口市長、柳氏、地熱発電・大野社長、GPSSグループ・目崎代表(左から)

温泉で地熱発電、来月15日稼働

「コミュニティ発電・ザ・松之山温泉」

 地域のエネルギー活用の新たな「地熱バイナリー発電所」が完成した。国内屈指の高温度を有する松之山温泉の高温蒸気を活用した再生可能エネルギー利用の地熱発電所「コミュニティ発電 ザ・松之山温泉」がこのほど完成。県内初の地熱発電所で、発電・売電開始は来年1月15日を予定。同発電所を運営する合同会社『地EARTH(ジアス)』の共同代表である柳一成さん(松之山温泉合同会社まんま代表)は「余剰している温泉の利用という長年の地域の課題を解決できるのを嬉しく思う。環境を傷つけない温泉利用の発電。サステナブル(持続できる)な観光とサステナブルな環境を組み合わせさらに地域のコンテンツを発信していきたい」と意欲をみせる。

 源泉温度は98度、蒸気は120度にも達する松之山温泉。毎分9百㍑自噴するが、うち5百㍑程は余剰分として未使用だった。高温度温泉での地熱発電に関心を持ったGPSSグループの「地熱開発」(大野友史社長)と3年前から活用協議を続け、昨年末に共同出資の発電事業会社・地EARTHを設立。総事業費約3億円で地熱発電所を建設。全国でもまだ数少ない空冷式冷却塔を備え、蒸気を毎時1・7㌧と熱水を毎時30㌧供給、蒸気と代替フロンを熱交換。代替フロンでタービンを回すバイナリー発電。年間電力124万KWh(一般家庭約280世帯1年分)、売上は約5千万円を見込む。地元の柳さんと共に地EARTHの共同代表を務める大野友史社長は「最低でも15年、安定的にこの発電所を運用するのが我々のこれからの使命」と語った。なお利用源泉『鷹の湯3号井』の常時モニタリングも行い湯量の変化なども調査する。

 13日の開所式で関口市長は市内消費の電力量30%を再生可能エネルギーで賄う目標を掲げていることに触れ「今回の地熱発電はその目標を掲げて初めて実を結ぶ事業。松之山温泉の豊かな資源を活用したい地域の思い、地熱開発の『温泉の供給に影響を与えない資源の利用』の提案、このふたつが重なった素晴らしい取り組み。交流人口増も大いに期待できる。松之山温泉にまた新たな宝が加わった」と完成を喜んだ。なお十日町市は先月、東京・世田谷区に電力供給に関する連携協定を締結。地熱電力は東北電力に売電、その後再生エネルギー販売事業を行う同区「みんな電力株式会社」を通し電力供給する予定となっている。

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無観客で行った全日本ウエイト選手権(右は71㌔級で日本新記録で優勝の石井未来選手)

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優勝者には津南産の新米コシヒカリ5㌔を贈呈(64㌔級優勝の安藤美希子選手、12日)

一体型施設「コロナ禍大会に最適」

ウエイト全国選手権、ニュー・グリーンピア津南で​初開催

 無観客ながら約1年ぶりの全国大会で、気合を入れバーベルを挙げるトップレベル選手百人が競った。全日本ウエイトリフティング選手権・第80回男子と第34回女子大会は11〜13日、ニュー・グリーンピア津南で開催。新型コロナウイルスの影響で今年に入り全国大会が開けない状態が続くなか、ようやくの全国大会。参加選手は各階級通常の半分の5名に絞り、無観客開催、選手や役員・監督などは事前PCR検査実施など感染拡大防止策を徹底。コロナ禍の全国大会だったが日本記録更新や大会新記録など続出。何度も同津南での合宿に訪れている東京五輪候補の八木かなえ選手(ALSOK、55㌔級)や安藤美希子選手(FAコンサルティング、64㌔級)も優勝するなど活躍。なお津南町は優勝選手に新米コシヒカリ5㌔のプレゼントした。

 同津南で同選手権大会を開くのは初。全日本ウエイトリフティング協会では今年6月に東京で全国大会開催を予定していたが、新型コロナ感染拡大の懸念があることから12月に開催延期を決定。感染リスクの低い会場を探すなか、今年9月に同津南を開催地とする案を打診。町の承諾もあり、今回の大会開催となった。同協会・小宮山哲雄専務は「ホテルと大会会場が一体であり、選手らの動きを管理しやすい状況が津南にはある。16年前から全日本女子などの合宿が続く実績もある。選手たちは東京五輪に向け鍛えているが全国レベルの大会がないと緊張感に欠けるため、今回試合ができ喜んでいる」と津南開催に感謝する。

 選手たちにとっても、久しぶりの全国大会。64㌔級に出場、ジャークで日本記録の123㌔をあげトータル213㌔ノ大会新記録で優勝の安藤美希子選手は「大会出場は昨年の国体以来。やはり公式の試合は緊張感が違う。こうして試合ができることにありがたさを感じました」と優勝インタビューで語り、津南産新米コシヒカリを受け取っていた。

​≫花火リレー「虹花火」協力を 来年2月に十日町商工会議所青年部企画

​≫中小零細企業の下支えを 十日町商工会議所が振興策要望

​≫十日町雪祭り中止 新型コロナウィルスの影響受け

​≫宮嶋麗風さん、2年連続優勝 県詩吟大会で

≫後期計画案は妥当 審議会が関口市長に答申 

≫新充填施設で暮らし守る 新潟ケンベイLPガス、十日町エネルギーセンター最新化

≫素敵な地球に 馬場小学校5・6年生「SDGs」を劇で発表

≫教育の価値も、児童が販売体験 とおか市が10年

≫そばエール常時販売に 宮幸酒店で

≫正しい「性」知識伝えて 栄村人権教育講演会、「10代の子1日37人が中絶」と高橋ピン子さん

≫医療福祉サポート 日本生命労組津南支部が恵福園などカタログ寄贈

≫「スキー場に来てね」栄小5年生、手作り画が公式パンフに

≫「歌い続けます」いしばしゆみこさん、16回目コンサート

≫外国資本から守り、県道拡幅も容易に 宝山荘取得の意義問われ

≫マイナンバーカード交付率12% 津南町、県平均以下

≫役行者の伝説『小菅山物語り』春山 伊左夫さん

≫コロナの終息願い、アマビエ製作し販売 おとぎの国美術館・福崎礼子さん

■好評連載

≫<新米ママ子育て日記464回>「点、丸、つけてね」​

≫<霜月の表情>「かわいいでしょ・ミニツリー作り」(十日町)・「一挙一動を見る・上郷小児童が議会に」(津南)

≫<本って最高・高橋しげ子225回>「部長会議はじまります​(吉野万理子作・朝日学生新聞社)

<とっておきの私の山行>宮澤 健二さん 「岩と雪の殿堂・剱岳の思い出①」

<マイふぁみりー>髙橋 由美子さん <横浜生まれのハルン>

<ドクター栄美子のこころとからだの学校15>『「冬至」は「湯治」、「柚子」は「融通が利く』

<私の名作めぐり・庭野三省290>番外編 閑話休題 現代の作家① 「時間は有限、読書は無限だ」

​ほか

2020年12月12日(土)

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日本糖尿病学会認定の教育研修病院になった町立津南病院

専門医教育研修病院に​認定

​町立津南病院 日本糖尿病学会、新大・魚沼基幹・長岡日赤と同等に

 町立津南病院は県内の中規模病院では2例目となる「糖尿病専門医・認定教育施設」として日本糖尿病学会の認定を受けた。これにより糖尿病専門医の取得に必要な臨床研修教育を同病院で受けることで専門医受験資格を取得できる。津南病院勤務10年の佐野浩斎副院長(東京慈恵会医大内分泌内科、研修指導医)が取り組み、昨年4月に日本糖尿病学会の教育関連施設の認定を受け、今年10月に研修施設認定を受けた。

     ◇◇◇◇◇

 今回の認定は、佐野副院長が糖尿病研修指導医として津南病院で療養指導士を育成し、病院内の医療体制の充実に努めるなど、津南病院の糖尿病医療活動が高く評価された証し。設置者の桑原悠町長は「津南病院で専門医の教育研修が受けられることは佐野先生の存在が大きく、身近な生活習慣病であるだけに、町民の医療への安心感が増すと共に、新たな医師を迎えられる環境が整ったことは津南町にとってとても大きなこと」と認定を喜んでいる。

 今回の認定に取り組んだ佐野副院長は2010年から東京慈恵会医大からの派遣医として赴任し、文科省事業で高齢者糖尿病の地域調査研究に取り組み、翌年には日本糖尿病学会学術奨励賞・福田賞を受賞など糖尿病研究で実績を積み、2019年には同学会の教育関連施設の認定を津南病院が受け、この間に看護師や薬剤師、栄養士ら8人の糖尿病療養指導士の資格者を育てるなど認定環境整備に取り組んだ。

 今回の認定により、糖尿病専門医をめざす専攻医が津南病院などで3年間の所定カリキュラムを受けると専門医受験の資格が取れる。佐野副院長は「新潟県内では新潟大、魚沼基幹、長岡日赤、長岡中央病院など大規模病院と同等に、津南病院の規模でも専門医に必要な教育研修を受けられることになる。これは津南病院にとって大きな要素になる。専門医をめざす専攻医が全国から来ていただける。若い専攻医はなかなか高齢化する地域での糖尿病実態を研修する機会が少ないだけに、津南病院は今回の認定により、この津南の地の現場で研修できることになる」と、地域にとっても、専門医をめざす若い医師にとっても、今回の津南病院の認定は大きな意義があるとする。

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前回市長選の最終日、最後の街宣で訴える関口市長(2017年4月22日、本町3丁目で)

「次に求められる市長とは」

関口市長、次期表明見送り

 来年4月30日任期満了を迎える十日町市・関口芳史市長(61)は7日の市議会12月定例会一般質問に答え、「もう少し時間をかけてこの3期12年を振り返り、その成果と今後のあるべき姿を整理し、今後の去就を考えていきたい」と進退の明言は避け、4選出馬の表明は見送った。

 質問者は庭野政義氏。「選ばれて住み継がれる町づくりに取り組み、成果と実績を残している。次代の子たちに誇れる十日町にするために7期26年間、議員活動をしてきた。自分で蒔いた種は自分で拾う、これを当たり前のこととしてやってきた。数々の種を巻いてきた関口市長。その種は自分で拾う責務がある。次期への去就を聞きたい」と進退表明を迫った。

 これに対し関口市長は「市長職というものは大変厳しいものであるという認識のなか、市長職をやり遂げるために、毎日、毎朝、気力は充実しているか、体調は万全かチェックしながら日々臨んでいる。任期満了まで5ヵ月、もう少し時間をかけてこの3期12年を振り返り、その成果と今後のあるべき姿を整理し、今後の去就を考えていきたい」と明言を避けた。

 さらに庭野氏は、「市長職は再雇用も再任用もない。次の事は就職口を見つけないと大変なことになる。前向きに検討する、そのことを心の中でどの程度決まっているのかお話しいただきたい」と現在の心境を迫る。

 これに対しても関口市長は「これからの4年間、十日町市にどのような市長が必要なのか、客観的に考えなくてはならない。この12年をしっかりと振り返り、今後の十日町市に求められる市長とはを考えながら、今後を考えていきたい」と明確な姿勢は避けた。

 さらに庭野氏は「今後は市長の報告の中で述べられると思うが、チャンス到来と手ぐすねを引いて待っている方もいるという状況でもあり、ぜひとも、住み継がれる町づくりを継続していただきたいという希望を託したい」と期待感を込め質問を閉めた。

 関口市長は4年前、やはり12月議会一般質問で進退表明を迫られたが明言を避け、翌年1月最初の議会全協で「3選出馬表明」をしている。

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ドラムメジャーの指揮で華やかに演奏を披露する松代小マーチングバンド

力強く演奏、マーチングバンド

松代小学校4・5・6年生

 58年の伝統を持つ松代小学校(阿部浩校長)のマーチングバンド。4〜6年生まで67人の児童で編成する令和2年度隊が3日、最後の演奏を行った。6年生のドラムメジャー(バンド指揮者)若井悠香さんが振る指揮杖を合図に金管楽器と打楽器、カラーガード(旗)が隊形を変えながら華やかに力強く演奏。移杖式では5年生の令和3年度隊ドラムメジャー・佐藤羽音さんに指揮杖が手渡されると、見守る保護者から温かい拍手が贈られた。

 これまで同校のバンドは地域の数々の催事に出演し、高齢者からは「私もバンドにいました。懐かしい」との声が聞かれるという。しかし、今年はコロナ禍で発表の場は失われ運動会で1回演奏したのみ。若井さんは「コロナで地域の人たちに成長した私たちの姿を披露できず、とてもくやしい1年でした。私たちが卒業してもバンドの伝統が受け継がれることを期待します」と挨拶した。

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津南町と栄村、十日町情報館の9ヵ所に掲示の「ジオサイト新聞」(なじょもんで)

「わたしのオススメです」

津南小学校3年生、ジオサイト新聞発行 町内外に展示、アンケートも

 「わたしのオススメはここだよ」。総合学習で苗場山麓ジオパークを題材に郷土理解を深めている津南小(江口正洋校長)の3年生43人が作った「お気に入りのジオサイトランキング新聞」。先月の学習発表会で披露し好評を得るなか、今度は町内7ヵ所と栄村役場、さらに十日町情報館の計9ヵ所に自分のお気に入りジオサイト(景勝地)を記した新聞を展示。関心を呼んでいる。

 新潟の橋50選の吊り橋・見倉橋、養蚕卵保管施設に使われた山伏山の風穴、川から熱い温泉が湧き出る切明温泉など、実際に自分たちが巡った場所を調査し紹介。「もっといろんな人に苗場山麓の良い所を知って貰いたい」と各所に願い、展示が決定。設置個所にはアンケートボックスを置き、意見を求めている。

津南町ではなじょもん・町役場・総合センター・文化センターの4ヵ所の会期は2月末まで。約1ヵ月間ローテーションで展示し、各所で全児童の作品が見られるようにする。セブンイレブン十二ノ木店・メルシーつなん・ニューグリーンピア津南、栄村役場でも展示中。十日町情報館では全43人のすべての新聞をスロープ壁面に飾り、22日まで展示予定だ。

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​≫倍返しで感謝 十日町商工会議所、総額80万円

​≫市町村、冬の期末手当支給

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≫傘樹記念の誌上展、全国便りに 十日町市愛石会・大海武夫会長、「来年こそは全国の仲間が集いたい」 

≫土偶ちんころ、縄文の魅力 笹山遺跡で製作体験

≫歩行者優先でセーフティ作戦 安全運転管理者部会

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≫キッチンカーの基本伝授、頑張る人を応援するセミナー 関心高く、定員倍の19人参加

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■好評連載

≫<新米ママ子育て日記463回>「自分のベストでいいよ」​

≫<霜月の表情>「夜にキラキラ・イルミネーション輝く」(十日町)・「妻有木ツリー・蔵カフェ」(津南)

≫<本って最高・高橋しげ子224回>「貸出禁止の本をすくえ!

<とっておきの私の山行>小林 陽子さん 「氷山と秋山郷」

<私の名作めぐり・庭野三省285>『銀の匙』中 勘助 橋本 武 案内⑤

​ほか

2020年12月5日(土)

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信濃川中流域の河川整備・環境を協議する(先月26日、長岡市で)

上流・中流・下流、一体で

信濃川​水系流域委員会 中流部会初会合、河川環境を

 昨年10月13日の台風19号増水被害で上流の長野県・千曲川、さらに新潟・信濃川の流域全体での河川整備と川のあり方に関心が集まるなか、国が30年間を視野に策定の「信濃川水系河川整備計画」(2014年策定)に基づき、河川環境や治水・利水などの視点から施策実施や見直しなどを専門の立場から検討する「信濃川水系流域委員会」を設け、その中流部会の初会合を先月26日、長岡市の長岡商工会議所で開いた。委員12人の部会で部会長には長岡技術科学大・環境社会基礎工学の陸旻皎教授が就き、信濃川河川の生態を長年研究する「生物多様性保全ネットワーク新潟」井上信夫氏も委員で、専門の立場から河川環境のあり方への提言などが期待されている。

 この水系流域委員会は、長野・千曲川流域でも同様に設置され、信濃川は中流部会、下流部会を設置し検討する。中流部・下流部は県境(長野県栄村と津南町)から河口までの約135㌔。うち中流部は約76㌔。この委員会は河川整備計画の点検や検証を行い、その事業の再評価により、必要に応じて計画の見直しなどを提言していく。委員任期は2年で、中流部会では必要に応じて流域住民から意見聴取の機会など設け、河川整備計画に反映していく方針だ。

 委員会では昨年10月の台風19号増水の過去最大流量が示され、上流・立ヶ花観測点で毎秒8387立方㍍、十日町観測点で毎秒6646立方㍍、小千谷観測点で毎秒9609立方㍍を記録。委員からは「上流と下流が一体化した整備が必要で、上中下流の連携が重要」などの意見が出た。さらに生態系から井上委員は「ブラウントラウト(外来種)が津南町で捕獲され、流域での生息が確認され、在来の魚類などへの影響調査も必要」など、河川整備と生態、さらに河川環境のあり方が今度の課題となる。

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防護衣等の着脱を体験した福祉職員たち

新型コロナの予防を

妻有地域包括ケア研究所 3年未満の職員対象に基礎講座

 妻有地域の社会福祉法人と県、市、町の行政で構成する妻有地域包括ケア研究会は先月26日、市医療福祉総合センターで入職3年未満の職員を対象に「介護職員等基礎研修会・感染症基礎講座」を行い、20人余りが参加した。

 これは新型コロナ感染症対策の一環として実践したもので、講師は新大の白倉悠企特任助教授が務め、福祉施設等で発生しやすい主な感染症やコロナの対応方法について説明を受けた。

 手技指導では手の洗い方、手指消毒の仕方、マスクや使い捨て手袋や防護ガウン、エプロンなどの装脱着方法を実践した。受講したうえのこども園の庭野裕香さん(22)は「園は子どもが生活している所なので、どこまでの対策を行うべきなのか判断が難しいとも感じましたが、今自分たちにできる標準予防策をしっかりと意識して行うことが大切だと思いました」との感想だった。

 白倉悠企助教は「職員の感染症対策で最も大切なことは自分自身を守ることであり、施設に持ち込まない、広げない、持ち出さないという三つの原則を遵守して行動してほしい」と呼びかけた。

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閉校を前に親子遠足で貝野巡り。住民から郷土の歴史を学んだ(新屋敷の二十三夜塔で)

歩いて郷土を知る

来年3月閉校の貝野小学校、住民解説で4集落巡り

 歩いて学ぶ郷土の歴史—。来年度、田沢小に統合する貝野小(松澤ゆりか校長、27人)。新型コロナウイルス禍でのラストシーズンを過ごすなか、このほど「親子ふれあい遠足」を開催。久しぶりの秋晴れに恵まれ、校区の新屋敷、本屋敷、宮中、堀之内の4集落を巡った。新屋敷では約150段の石の階段を登る神明宮見学や現在も続く二十三夜塔のもみじ祭り、「にかっこ滝」の悲話、堀之内集落センターで古地図鑑賞や阿弥陀堂見学など、地元住民らが郷土の歩みを紹介。全7㌔余、3時間余かけ五感で地域を感じる貴重な時間となった。

 二十三夜塔と地蔵様が並ぶ新屋敷。毎夏7月23日の『モミジ祭り』を現在まで続けている。この日は二十三夜塔にモミジの木を立て、花を飾る。かつては子どもたちの祭りで、モミジを山から取るのは男の子、花を飾るのは女の子だった。現在は地域住民の協力で飾り付けている。子どもたちに現在でも続く伝統行事を解説した吉田晃さん(64)は「こうやって地元集落以外の子どもたちに二十三夜塔の話をするのは初めて。閉校の話が無ければ機会はなかったかもしれない。校区の歴史を少しでも覚えていてくれれば嬉しい」と想いを話した。

龍神太鼓30年を記念し植樹(26日)

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30周年祝いヤマザクラ植樹

芦ケ崎小学校 龍​神太鼓 育成会元メンバー有志が記念に

 枯れることない龍ヶ窪の水が大河を通り海に向かう様を勇壮なリズムで仕上げた芦ヶ崎小(丸山浩市校長、46人)の『龍神太鼓』。今年30周年の節目を迎えるなか10月末の文化祭で記念公演を行い、住民からも多くの拍手を受けた。長い歴史を持つ郷土の太鼓を次代に繋げてほしいと、同太鼓を支援する「龍神太鼓育成会」元メンバー有志がこのほど30周年記念樹を贈呈。2本のヤマザクラを贈り、先月26日に全校児童と共に校庭に植樹した。龍神太鼓31代目リーダーの5年・関沢寧々は「毎年満開になるようなキレイな桜になるといいな。将来ここで花見をしたいです」と丁寧に土をかぶせていた。

 30年間受け継がれて来た龍神太鼓。固定の指導者はおらず、赴任教諭と在校生自身が指導者となり伝統継承する珍しいスタイル。その活動をサポートして来たのが保護者らで作る育成会。これまで太鼓や法被などの寄贈を行っている。初代育成会長の草津進さん(71、赤沢)は「設立に関わった人間としてバトンタッチを続け30年も受け継いでくれたのは本当に嬉しい。これから40年、50年と続けていって欲しい」。第2代会長の宮川安司さん(72、城原)は「よくも長く続けてくれた。みんなも桜も大きくなった時、一緒に花見をしてみたい」と伝統を引き継ぐ子どもたちに感謝した。

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プロジェクションマッピングなど最新技術活用の展示に関心(22日、十日町市博で)

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本物の火焔型土器を慎重に触る国際大学の留学生たち(22日、なじょもんで)

縄文は「Amazing!」

国際大学留学生 県企画モニターツアーに9カ国20人

 来夏に延期開催予定の東京オリンピック・パラリンピックを契機に日本文化を世界に発信中の国文化プログラム『日本博』。全国有数の縄文文化出土地である特性を活かし、県は「新潟発! 縄文から続く文化の魅力体験2020」事業を今年から3年計画でスタート。今月22日は国際大学(南魚沼市浦佐)の留学生20人を招いたモニターツアー「ドキドキ縄文ガイドツアー」を実施。今年6月にリニューアルオープンの十日町市博物館での国宝・火焔型土器鑑賞、津南町なじょもんでは国史跡・沖ノ原遺跡の環状集落を模した復元竪穴式住居が並ぶ縄文村散策や本物の火焔型土器を直接触れるなど縄文体験。留学生から「Amazing!(素晴らしい)」の声が出た。

 外国人から見た縄文文化の魅力を探るために開いた同ツアー。参加者はスリランカ、フィリピン、ソロモン諸島、ラオス、モンゴルなど9ヵ国出身者。長岡市の馬高縄文館と県立歴史博物館、十日町市博、なじょもんと縄文文化や雪国の暮らしを紹介する4地点を巡った。十日町市博で国宝鑑賞をはじめ、雪映像など最新のテクノロジーを活用した郷土文化紹介に関心。ベトナム出身で公共経営学を専攻する女性のブイ・テイ・ハウさんは「縄文文化は造形が素晴らしい。十日町市博では映像が使われ印象に残った。観光には感動できるストーリーと体験、学びを関連付けると良いと感じました」。なじょもんの縄文村を興味深そうに中に入っていたパキスタン出身のアドナン・サファヴァッド・アリさんは「日本の15ヵ所ぐらい旅したが、縄文文化はとっても魅力的。竪穴式住居はどうやって作っているか、中に入ってみて初めて分かった。昔の人がどう暮らしていたかを感じさせた」と話した。

 日本博の採択を受け、県文化振興課初の試みとなった同ツアー。留学生は関心あるものすべてを写真に取り、さっそく移動のバス内でSNSで発信。ガイド役の学芸員に「火焔型土器はどうやって作るのか、今でも作っている人はいるか」など、より詳しい説明を求める姿が見られた。県文化振興課・小林保夫課長は「日本の歴史に関心があり、深く知りたい方が多いと感じた。留学生は帰国後、国の要職に就く可能性が高い方々。発信の拡散にも期待し、コロナ収束後のインバウンドに活かしたい」。同事業では多言語対応型の文化PR動画作成なども予定している。