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2019年11月

2019年11月30日(土)

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自治大臣就任後、初の十日町入りする白川氏(2005年2月22日、十日町市四日町で)

白川勝彦ガンバ 2005・4・22.jpg

市長選出馬する白川氏(2005年4月22日、クロステンで)

貫いた74年、白川勝彦氏 逝く

来年、お別れ会を予定

 1976年・昭和51年9月9日。十日町市学校町の市民体育館は熱気に包まれた。『新時代を拓く』を掲げ、国政をめざす31歳、白川勝彦氏は、ギャラリーまで埋めた4000人の大聴衆に熱く訴えた。その3ヵ月後、12月5日の衆院選新潟4区(当時・現6区)に初出馬するも惜敗。だが、妻有郷は3年後、若きリーダーを誕生させた。「リベラル」と「信念」を貫いた、その人、白川勝彦氏。今月18日、74歳の生涯に幕を下ろした。

 県立十日町高から東京大法学部へ現役合格し、大学在学中に弁護士試験に合格、司法修習24期を経て弁護士になる。昭和50年(1975年)10月、次期衆院選・新潟4区出馬を表明。翌春から十日町市・中魚沼4市町村で集会を開き、その集大成が昭和51年9月9日の4000人大集会。その熱気で、その年12月の衆院選に初出馬。3万385票を集め惜敗したが、31歳の挑戦は、雪国の住民を奮い立たせた。

 その若き挑戦を、内閣官房副長官・加藤紘一氏が見て、宏池会に誘う。当時の総理・大平正芳氏と師弟関係ができ、1979年・昭和54年10月の衆参同時選に再出馬、ついに初当選。雪国の34歳の若き代表が誕生した。

 その原動力になったのは「連合青年部」。初代部長・関口芳央氏(現関芳社長)、遠田延雄、飯塚茂夫、庭野政義の各氏は市議として活躍。ピーク時は会員1万8千人を超え地域の一大勢力になり、いまも「白川派」は妻有の歴史に名を残す。

 1994年・平成6年、自民党が下野するなか、自民内部の反発があるなか旧社会党勢力らと連携し、自民・社会・さきがけ連立政権実現に動き、1996年・平成8年衆院選で6度目の当選後、第2次橋本内閣で自治大臣、国家公安委員長で初入閣。51歳。

 その年の12月15日、出身の十日町市大井田地区「やまだ屋」で住民4百人余が出迎えるなか、大臣として初の十日町入り。「行革を天命と思っている。権限を地方に移していくが、3千や5千の市町村では限界がある。その意味でも地方行革に伴う広域合併推進のトーンが強まっていくだろう」(当時の本紙)。平成の合併の30年以上も前に、地方行政の方向性を示唆していた。だが、2000年6月衆院選で当時民主党の筒井信隆氏に惜敗、議席を失う。

 白川氏は信念を通した。2001年・平成13年、「政教分離」の立場を鮮明にし、自公政権への問題意識から自民党を離党。自らが代表となり『新党・自由と希望』を立ち上げ、同年7月の参院選比例区に出馬するが地元の立正佼成会支援が得られず落選。得票30万9994票は当時の落選者最高得票を記録した。

 さらに2003年・同15年、無所属で隣の衆院選3区(現5区)に出馬するが民主本部の支援が取れず惜敗。この選挙から白川氏は、表舞台には現れず、ウェブサイト『永田町徒然草』を発信し続け、特に安倍政権誕生後は痛烈な批判を発信し、フロアー10万人余となるなど、「信念の人」への評価は変わらなかった。

 運命は、さらなる舞台を用意した。2004年12月、地元十日町支持者の熱い要請に応え、翌春の十日町市長選出馬を決める。文字通り『白川派』の復活と見られたが、時代の流れは人の心も変えた。2005年・同17年5月1日投票の市長選は、市町村合併後の新市長を選ぶ選挙。戦いは厳しく8339票にとどまり、「郷土が生んだ政治リーダー」の復活は実現しなかった。

 敗北が決まった5月1日夜11時過ぎ、選挙事務所で白川氏は、妻・久仁子さんと共に支持者をねぎらった。「有権者9人に1人が私の考えを受け止めてくれた。心からお礼を言いたい。私はどんな結果が出ようと、今回の選挙には名乗りをあげなければならなかった。今回の合併を市民から真剣に考えてほしいと思った。自分の生まれ故郷で皆さんと一緒に選挙戦ができ、政治家として一番充実した日々を過ごせた」(当時の本紙)。

 2015年・同27年の秋の叙勲で旭日大綬章を受けた。この国の屋台骨である憲法軽視に警鐘を鳴らした。『平和の尊さ、戦争がもたらす悲劇、悲惨さを、我々はこの憲法を以って体感している』。リベラルを貫き、著書『新憲法代議士』(1983年刊)の通り自由と平和を求め続けた人だった。

 『白峰院勝覚賢政居士』。菩提寺・眞浄院の富井住職は亡くなった18日、魚沼や県境の山々の冠雪が、白川氏と重なった。 

 関係者によるお別れの会を来年開く予定だ。

01.11.30湯沢発電所_web今週の記事.jpg

4年ぶりに運転再開した湯沢発電所の説明を受ける「清流を取り戻す会」メンバー

発電力アップ、「その分 増放流を」

住民グループが発電所視察、分水状態に疑義 清津川分水問題

清津川から発電取水し、東京電力・湯沢発電所で発電後、別水系の魚野川に放流している『清津川分水問題』。一方、その湯沢発電所は4年前の1月10日、屋根雪の過重で発電機がある建屋が崩落。新たな施設建設や発電機を導入し今秋9月30日から1号機、10月28日から2号機が稼働。清津川に清流を取り戻す会(富井利明会長)は27日に湯沢発電所と取水口のある湯沢町三俣地内など視察。東電から直接説明を受けた。同会では今回の新設で発電機交換などにより、発電量が5百㌔㍗増したことから「増えた分だけの清津川の水は返してほしい」と思いを話している。

 旧建屋は解体し、新たに建設した発電所と変電建屋の2施設。落差3百㍍余の導水管は以前は旧建屋に直角に曲がる形で入っていたが、新施設はストレートに入る形に変更。水車発電機は2台。これまでの4台から半減したが発電出力は1万6100㌔㍗となり、5百㌔㍗増加。湯沢発電所は96年前の1923年(大正12年)稼働だが、大幅な施設更新となった。

 清津川分水問題は、清津川三俣で取水(毎秒6・121㌧)し湯沢発電所で発電用水として使い、下流の石打発電所の発電用水に使用後、魚野川に放流。農業用水などに使われている2年前に県仲介で、県・十日町市・南魚沼市の三者協定を締結。抜本的解決をめざし、従来の放流量(最大毎秒1・16㌧〜最少毎秒0・869㌧)に、毎秒0・341㌧〜2・363㌧増量する5年間の試験放流を行い現在3年目。

 同会の富井会長は「5年間の試験放流後に抜本的な解決策を検証すると言っているが、それでは遅すぎる。本来は試験放流しながら考えていくものだろう」と試験放流と抜本的対策検討の同時進行を求める。一方、藤ノ木信子事務局長は「新施設となり発電量があがりました。少なくともその分は清津川に水を返して貰いたいのが本音。早く清津川の水に頼らない、南魚沼市側の農業用水を確保して貰いたい」と話している。

​渋さ知らズ」メンバーらが生オケで盛り上げる(23日)

布川地区、恒例生オケ喉自慢

 ◎…お昼から始まり、「楽しかったねぇー」とフィナーレを迎えたのは午後4時過ぎ。拍手と笑い、時にはほろりとする場面など、会場は笑顔に包まれた。7年目となる松之山・布川地区「収穫祭&生オケのど自慢大会」は23日、布川コミュニティセンターで開き、国内はじめ世界各地で演奏活動する音楽集団『渋さ知らズ』などのメンバーら8人が福井や東京から駆けつけ、住民のリクエストに応え、昭和歌謡など25曲をプロの演奏で盛り上げ、住民らは気持ちよく熱唱した。7年前に地域おこし協力隊で布川地区に家族3人で移住した小野彩さんの「音楽で地域を元気に」と始まったのが生オケのど自慢。収穫祭の通り、地元「おんなしょの会」が新米、秋野菜を使った酢の物、だいこんキムチ、漬物、新米おにぎり、特製トン汁など手作り料理がテーブルいっぱいに並び、子どもから90代まで60人余が集い、生演奏に乗り次々に登場する自慢の歌に手拍子し、プロの演奏がさらに盛り上げ、4時間に渡りセンターは笑いと歓声が響き渡った。

 ◎…「上布川と下布川が一緒になり、夏の盆踊り、この生オケのど自慢は皆が楽しみにして、元気になる場です。それに演奏が上手だから、歌がうまくなるんですよ」と4人で『瀬戸の花嫁』を歌った鈴木厚子さん(69)。4年前に布川地区を一つにする布川地区協議会を作り、交流を深めている。松之山自治振興会長で布川協議会長の樋口一次さん(73)は、この日は『これから音頭』を熱唱。「布川が一つになって、この生オケのど自慢でその絆がさらに深まっている。こうして一緒に集うことが、皆が元気でいられる源になる。遠くから毎年演奏に来てくれる彩さんたちには感謝している」。ドラムの山田ベンさんは福井から。この日は大正琴で明治・大正・昭和の名曲集を余興で披露し大喝采。アニメ・千と千尋の神隠しで声優出演したアコーディオンの玉木夕海さんとギター・上里ユタカさんは沖縄の『花』をしっとりと。生オケで盛り上がったのは小野塚茂さん(58)。中学から手にするギター片手に『春の雷』を熱唱。エレキギターのファン・テイルさんのアドリブ演奏が入り、最後は渋さスタイルの即興演奏になり、会場は大盛り上がりに。「テイルさんとは2年ぶりの再会。プロはすごいねぇ。でも最高に楽しい。また来年が楽しみだね」と小野塚さん。

 ◎…指揮とフルート担当の小野彩さん、ベースの小野章さん夫婦は協力隊時代から布川地区に関わる。ピアノ・山口コーイチさん、サックスの高木千歩さんと次々のリクエスト曲を演奏、住民の熱唱は続いた。おんなしょの会代表の佐藤松枝さん(56)は「もう、布川にはなくてはならない交流会です。皆の笑顔がそれを物語っています」と、今回は『気分爽快』を軽快に歌い上げた。毎回司会を担当する小野塚●さんの軽妙のトークが会場を盛り上げた。この交流会を生み出した小野彩さんは「冬を前にしたこの時期は、なんともいえない雰囲気なんです。歌の力と言えばいいのか、そんな時期の気持ちを開放してくれる感じで、皆さんの笑顔がとってもいいですね」と、この日も指揮をしていた。フィナーレは恒例の『青い山脈』、『松之山町民歌』。「来年も楽しみにしているよー」と。

郵便局の「買い物サービス支援」実証実験は12月まで行われる

「周りに店はない、助かるよ」

郵便局買い物支援実証実験、12月まで

 「歳を取ったし、助かるよ」。郵便局員と住民の、そんなやり取りが生まれている。日本郵便と総務省は少子高齢化や人口減少に対応するためにICT(情報通信技術)を活用した、郵便局活性化推進事業に取り組むなか、津南町で「買い物サービス支援」の実証実験を10月10日から12月末まで実施。町内の谷内・岡地区の14世帯を対象に、毎週火曜と金曜に乾物や調味料、雑貨など届けている。

 今回の実証実験では、協力を申し出た町民利用者がタブレット端末を使って商品を発注し、スーパー・メルシー大割野店が受注。商品は大割野郵便局員が集荷し、注文者の元に届ける仕組み。注文は前日の正午まで受付、買える商品は生鮮食品を除いた約440品。支払いはゆうちょ銀行を通じた口座振替で行っている。これまでの注文傾向は、カップ麺や乾麺のそば、しょう油、サラダ油、さらにティッシュやトイレットペーパーといった日用雑貨など、少し重くかさばるものが多いという。

 利用者のひとり、村山晋さん(85、岡)。19日には注文した缶詰やお菓子、カレールーなどを届けてくれる郵便局員を待っていた。「タブレットの使い方も習ってやっている。今この周辺に商店はほぼない。買い物には大割野まで行くしかないが、特に冬は厳しいし、きっとそのうち車の運転はできなるなる。こうしたサービスはありがたい。できれば生鮮もあるといいのだが」と話す。

 全国2万4千店余ある、郵便局ネットワーク活用を考える地域実証実験は今年度、津南町(買い物サービス支援)、岩手・遠野市(見守りサービス・観光情報等の発信)、静岡・藤枝市(農家の農産物配送支援)の3自治体で実施。課題や実現の可能性を探っている。日本郵便信越支社の地方創生・地域貢献担当の柳澤行基課長は「全国にある郵便局。国、自治体、地元企業などと連携し、お客様にお役に立てることを考えていきたい」と話している。

十日町産振袖をPRした十日町総合高校の女生徒たち

きれいでしょ?

 華やかな振袖が一堂に—。国民文化祭「きものの祭典in十日町」が先月23日、越後妻有文化ホール・段十ろうで開催。東京オリパラの開会式での採用をめざす世界の国を表現したKIMONOプレジェクトきものショーと共に、十日町総合高・女生徒が「十日町産きものステージ」を披露。きもので十日町をアピールした。

 出演した女生徒たちは、授業できもの文化や着付など学ぶ10人余り。色とりどりのきもの姿で10月に朱鷺メッセで開催の全国産業教育フェア新潟大会で発表した内容を中心にアピール。「私たちはきもののよさ、文化に関心を持つようになりました。十日町は、きもののまちとして注目され続けていくと思います」などとPRした。

2019年11月23日(土)

台風19号の影響で430匹、採卵22匹に

留まったサケ採捕(JR・宮中取水ダムで、

10月2日)

採卵わずか22匹、来春稚魚放流に影響

中魚沼漁協、宮中取水ダム魚道、台風19号影響

​今期430匹、飛渡川での採捕検討、食活用も

 台風19号の大増水でサケ遡上調査(9月11日〜11月10日)は途中13日間の調査中断があったが、今月10日までに期間中430匹のサケ遡上を確認している。調査・採捕事業を行う中魚沼漁業協同組合・村山徹組合長は「一番大事な時期に台風被害を受けた。採捕して採卵できたのは22匹だけ。稚魚放流に大きな影響が出ている」と今期の採捕状況の深刻さを語る。さらに来期から飛渡川での採捕も計画すると共に、今期試験的に研究したサケの食としての提供販売にも取り組む方針だ。

 サケ遡上調査はJR東・宮中取水ダム魚道で行い、今期の初遡上は9月20日に2匹を確認。以降同月末から順調に遡上数が伸び、2015年・平成27年の過去最多1514匹の遡上状況に似ていたため、関係者の期待は大きかった。だが10月13日の台風19号の大増水で魚道の通水はストップし、同27日まで通算13日間、調査が中断した。ただ先月末から遡上数が回復し、今月1日には17匹確認、最終日10日にも10匹となり今期430匹の遡上数となった。

 村山組合長は「台風の影響は大きい。採卵では計画の40万粒に対し確保できたのは3万粒。不足は県内の採卵場からとなるが、どこも今期は厳しい状況。来春の放流計画にも大きな影響がでる」と台風被害の影響の大きさを語る。

 このため来期は下流の飛渡川での採捕を計画。過去5年間調査では平均120匹から150匹ほど遡上しているという。さらに採捕サケの活用も検討。村山組合長は「これまで採捕サケは廃棄処分していたようだが、今期試験的に食として活用できないか研究した。充分に食材として提供できる。今後の漁協の事業にも考えたい」と方針を話している。

 なお上流の西大滝ダムでは期間中、同様に20日間の中断があり、今期は6匹の遡上数。この10年間で4番目に多く、前年ゼロに比べ回復傾向が見られる。

01.11.23おんだC・竜ヶ窪温泉_web今週の記事.jpg

休業が決まり最終日までの5日間で1300人余が来館(最終日20日、同温泉で)

惜しまれて休業、近く臨時株主総会へ・竜ケ窪温泉

 経営難で業績が下がる冬季を前に今月20日での休業を決めた津南町の温泉日帰り施設「竜ヶ窪温泉・竜神の館」は21日から冬季休業に入った。直近の土日から20日まで休業を惜しむ利用者で賑わいを見せたが、今後予定の臨時株主総会で取締役会が提案予定の会社解散を筆頭株主の津南町がどう扱うかで、その後の営業再開を含む方針が具体化する。21日、取締役会と桑原悠町長らが懇談したが、内容は非公開。今後、臨時株主総会の開催と共に会社解散議案の取り扱いが最大の焦点になっている。

 営業最終日の20日、これまで学校ぐるみで竜ヶ窪温泉を盛り上げてきた地元の芦ヶ小学校5、6年生12人が課外授業の一環で同館を訪れ、休業する温泉への思いを一人ひとりが述べ、『竜ヶ窪温泉・竜神の館、ありがとう』と表紙に書いた文集を中熊弘隆社長に手渡した。先週から休業情報が広まり、16、17日の土日には2日間で800人を超える入込みで、営業最終日の20日までに閉館を惜しむ利用者などが多数来館。16日からの5日間で千3百人余の利用があった。 

 地元上段地域の70代の涌井さんは「残念だね。いまの経営陣はよくやってくれた。町や議会への要望を行い、なんとか残したいと取り組んだ。でも町は、地元はどうしたいのかと言うばかり。これじゃ話し合いにならない」と残念がる。20数年間、十日町市から毎週2回通う小宮山清一さん(78)は「ここの温泉はいい。だから20年以上、40分もかけて通った。ぜひ再開してほしいね」と話す。芦ヶ崎小の子たちの文集には「すごくさみしいです。アイデアを出し合って、また賑やかな竜神の館になってほしい」、「竜神の館がある地域を盛り上げようと活動してきた。役場にも行った。大好きな場所で、また行ける日を楽しみにしています」、「なぜお休みするのかと、お母さんが多くの人から聞かれたと言いました。なくなるのはとても悲しく思います」など12人が思いを寄せている。 

 中熊社長は「子どもたちの活動は励みになった。今月に入り何度も役場へ行き話した。だが、地元はどうしたいのか、その繰り返しだった」と町の主導性のなさを嘆く。さらに今月20日での休業で、様々な未払金が生じることについては、今月8日の町と協議で『責任を持って対応する』と桑原町長の姿勢を確認しているため、最優先の人件費、農産物直売所出荷者への支払い、社会保険料、電気料、同月の借入金返済は今期の営業収益で支払い可能とする。だた、燃料費など営業諸経費は「未払金」として町の対応に委ねる意向。試算では借入金返済残金を除き130万円余を見込むという。借入金返済は11月分まで支払うが残金は約1千万円ほどあるという。一方、町に納付する入湯税は毎年90万円から百万円前後で、この24年間で2千5百万円余の納税額となる。

 竜ヶ窪温泉の経営体制は、スタート当初から株主でもある地元住民が取締役となり経営し、昨年6月就任の現経営陣も、月額5千円から1万円程度の報酬で取り組む「ボランティア経営陣」でもある。これまで借入金を運転資金にしてきたが、新経営陣になり、「相当なる危機感」を持って臨み、「資金ショートしたら会社解散」で合意しており、今月20日での休業は「冬季経営でさらに赤字が膨らむ」、「すでに借り入れは無理」との取締役会の判断で休業・会社解散を先月30日の臨時取締役会で全開一致で決めた経過がある。

 休業後の施設管理は、施設所有の町が行うことになるが、温泉給湯をどうするのか、保育園職員や新規就農者の冬季駐車場になっている駐車場管理など、相応の維持管理費が求められ、今後予定の臨時株主総会役員入れ替えを含む審議に大きな関心が集まる。

2022年稼働予定の新最終処分場の予想図(十日町市役所提供)

新最終処分場、松代​海老地区に

 来年3月で契約満了となる十日町市霧谷の一般廃棄物最終処分場の新たな施設が松代・海老地区に事業費31億8120万円(税込)で建設されることになった。先月末の入札で「大成・丸山・クボタ環境特定共同企業体」に決まり、2022年供用開始に向け建設事業が始まる。市ではゴミ減量化に平行して取り組み、来年度から埋立ゴミは破砕後、金属類のマグネット分別を行い、埋立ゴミ減量化にも取り組む方針だ。30億円を超えるビッグ事業になる。

 建設地は松代・海老地区の約2・4㌶で、長さ約85㍍、幅約40㍍、高さ約15㍍の建屋(クローズド型埋立、深さ約15㍍、容量約3万4千㌧)と浸出水処理施設などを設置。1日の処理能力10㌧としている。

 入札決定は先月24日に決まり、参加資格条件を満たした2社による技術提案評価と入札価格評価の総合評価を数値化して決めた。2社は「大成・丸山・クボタ環境特定共同企業体」、「鹿島・髙橋組・日立造船特定共同企業体」。長岡技術科学大と長岡造形大の学識経験者、選定委員(市職員)などにより選定した。

国道405号の未供用路線開通めざし​3県3首長が連携し新たな期成同盟会を設立

3県3首長スクラム、夢実現一歩へ

国道405号 未整備区画開通めざし新たな期成同盟会設立へ

 長野・新潟・群馬の3県をまたいだ3首長らを中心に、未開通部分の開通にスクラムを組む。栄村秋山郷切明—群馬・中之条町の野反湖間約11㌔が未開通となっている国道405号。その開通実現をめざし「国道405号未供用区間開設促進期成同盟会」が20日に設立した。総会は栄村役場で開き、栄村・森川浩市村長が会長、副会長に津南町・桑原悠町長と群馬・中之条町の伊能正夫町長が着いた。会長となった森川村長は、冬季閉鎖となる中之条町側の国道405号の路線部分を合わせ、早期開通・整備促進を図る路線は約21㌔、総事業費概算は636億円となるとし「壮絶な事業展開となる。しかし開通できると、太平洋側と日本海側の人の交流が最短距離で結ばれ、物流など色んなことが起きる。ひいては日本中を巻き込んでの各種事業が展開される道路だと考えている」と一丸となっての活動を呼びかけた。

 国道405号の未供用区間開通に向けては、秋山郷住民らで作る「秋山郷国道整備促進期成同盟会」(吉野徹会長)でこれまで早期着手を求めて来た。2年前には未開通部分を伊能町長らと共に群馬側から長野側にかけ歩くなど現地調査。今年に入り秋山郷住民らを始め、津南町中津地区で早期開通を求める署名活動を展開し、桑原町長と森川村長に提出している。一方、両町村でも昨年から中之条町と協議を続け、新たな期成同盟会設立が実現。今後の具体的な活動に関心が集まる。

桑原津南町長は「この道は命の道、交流の道、そして商いとして大きな潜在的な力を持っており、伸びしろのある地域だと思っている。しっかりと手と手を携えて、大きな力となるよう盛り上げたい」。伊能中之条町長は「群馬から小栗(忠順)上野介の奥さんがここを超えたという歴史があり、交流も昔からあった。本当に壮大な計画だが、夢はずっと見続けないと叶わない。力を合わせていきたい」と語った。

なお顧問には3県の地元選出県議が着いたが、中之条町の働きかけで群馬5区選出の衆院議員・小渕優子氏も顧問として名を連ねるようアプローチする予定だ。

 役員体制は次の通り。

 ▼会長=森川浩市(栄村長)▼副会長=伊能正夫(中之条町長)桑原悠(津南町長)▼理事=福原和人(栄村議長)関常明(中之条町議会産業建設常任委員会委員長)滝沢元一郎(津南町議会同)月岡利郎(栄村副議長)▼監事=山本隆雄(中之条町議長)吉野徹(津南町議長)【顧問】入内島道隆(群馬県議)萩原渉(同)尾身孝昭(新潟県議)小山大志(同)宮本衡司(長野県議)【参与】石井和範(群馬県吾妻振興局・中之条土木事務所長)丸山和浩(十日町地域振興局地域整備部長)丸山進(北信建設事務所長)

2019年11月16日(土)

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1等比率が過去最低となった魚沼コシヒカリ(JA十日町川西倉庫で)

1億4千万円減収、等級ダウンで

魚沼コシ1等比率40.3%、仮払金に追加払いで支援 JA十日町

 高温障害で白未熟粒が発生し、今年産魚沼コシヒカリの1等米比率が県内20・8%と過去最低となっているなか、JA十日町でも11月14日現在、集荷率99%で1等米比率は40・3%と平成10年の合併以来、過去最低となっている。このため生産農家の減収は、平年値(1等米比率90%)との比較で1億4千万円に上ることから、仮渡金の追加払いを決めている。

 JA十日町の今年産米契約数量は約8493㌧、14万1556俵(1俵60㌔)。等級比率は1等米40・3%、2等米約58%、3等米以下約2%となり、平年値の1等米比率約90%に比べ大幅にダウン。食味に影響はないが「見た目の悪さ」で等級落ちとなった。昨年産米は天候不順による収量の減少で契約数量の約87%に留まるなど、2年連続の打撃となった。

 等級の悪化が生産農家の収入減に直結することから、JA十日町では「全体的に1億4千万円の減収が見込まれる」として先月、仮渡金の追加払いを決めた。1俵あたり、1等米には500円追加し総額で1万8千円、2等米には千円追加し1万7千円、3等米には500円追加し1万2千円とし、総額1億1千万円にのぼる。

 営農生活部の志賀義雄部長は「販売先からは『魚沼コシは1等でないと困る』という声も届いており厳しい。ただ、生産農家にとっては2等米が1等米に比べ600円から300円の差となって収入的にはアップし、さらに追加払いで品質低下による減収分はカバーできたと思う」と話している。

01.11.16コメづくり_web今週の記事.jpg

1トンパックで次々に出荷される新米(JA津南町低温倉庫で)

「コメ作りの難しさ痛感」

1等米比率57%、2等米42% 気象変動対応を 

 今年産の津南町状況がまとまった。町全体出荷量の8割余を占めるJA津南町の2019年産は、予約比101・54%の増量になっているが、1等米比率は過去2番目に低い57・3%。昨年は等級比率が高く収量が少なく、一昨年は減収と品質低下で、この3年間、改めて米づくりの難しさを示している。JA津南町は「今期の等級比率は低いが、収量が多く、比率低下をカバーする形になっている」とする。機械化とデータ管理が進むコメ作りだが、依然と天候に大きく左右される現状は変わらず、今後も予想される天候不順に対応する米づくり農業のあり方が早急に問われている。

  JA津南町の2019年産米予約数量15万3457袋(30㌔)に対し、出荷数量は15万5816袋。出荷率101・54%と収量豊作だが、1等米比率は57・3%。2年前の2017年の過去最低比率52・4%に次ぐ低比率。要因は「7月下旬から8月上旬、35度を超える日が続き高温障害による乳白粒が多く、見た目で評価される等級比率で1等外米が多く出ている」とする。JA津南町は1等比率に対し2等米が全体の42%を占め、出荷米の半分近くが1等外。ただ、収量で等級外をカバーする形になっており、ここ3年では最多収量を記録している。

 コメ農家収入は仮渡し金(1等1万7500円)段階で、1等と2等で昨年同様1俵千円の差。単純比較はできないが、今期1等比率を平年並みの85%で試算すると、2等米の23%(約9162俵)が1等米と換算し、1等・2等の差額千円で試算すると約916万円の今期減収となる。

 コメ作り専業農家の経営者は「この3年間、改めて米づくりの難しさを痛感している。機械化が進み、中間管理もデータ化で細かくできる。だが予想つかない天候不順はどうしようもない。天候に左右されない米づくり、品種改良の必要性を強く感じる」と話す。だが品種改良は年月を要し、さらに食味と魚沼ブランドの関係もある。だが、「そんなことは言っていられない。これから地球温暖化でさらに天候不順になる。そのうち米づくりは施設園芸になるのではないか」など、冗談とも取れない声も聞こえる。

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大増水で上郷橋を激流が直撃する(10月13日午前9時半、国道117号線​から撮影)

トンパック、現地に常備

堤防改修、町道上郷橋も県改修へ 信濃川・足滝水害

 台風19号による記録的な大増水で氾濫した千曲川・信濃川により床上浸水で新米や家具、農機具など浸水被害を受けた津南町足滝地区の堤防改修など災害復旧の説明会を新潟県と津南町は13日夜、同地公民館で開いた。同河川区間を管理する県(十日町地域振興局)は、集落を越水からまもる堤防の嵩上げと共に、緊急時に流入を防ぐ1㌧パックを現地に常備するほか、国道117号と集落を結ぶ町道・上郷橋の改修、さらに同橋に水位計を設置するなどの復旧対応を示した。住民からは「3㍍の堤防嵩上げで県道はどうなるのか。(避難指示で)何も持ち出せず、新米も農機具も家具もだめになった。町は助けてくれないのか」など切実な訴えが聞かれた。

 説明会には同振興局・池田治水課長ら5人、町から小野塚副町長ら3人、住民17人が出席。大増水で損傷した堤防の応急工事の取り組みと共に今後の災害復旧対応を説明。この中で池田課長は、1㌧パックを現場近くに常備し、堤防嵩上げまでの増水時に対応、さらに県境の宮野原橋に設置に設置の水位計を、新たに上郷橋にも設置すると共に、堤防改修とセットで上郷橋改修も行うと方針を示した。町道・上郷橋は今回の大増水で橋げたが激流が当たり危険な状態だった。このため県は補強かジャッキアップ(橋位置の上げる)、架け替えなど視野に改修に取り組む。

 一方、今回の増水で集落内への流入を防ぐ「土のう」の不設置が疑問視されている津南町。河川への土のう設置は地元の水防管理団体・津南町の判断によるとされ、小野塚副町長は「深夜急激に増水し危険性が増し、消防団の土のう積みはしなかった」と釈明し、「今後は情報収集し、水位上昇が見込める場合、土のう設置を指示していく」としたが、住民からは「新米も農機具も家具も水に浸かり、使いものにならない。このままでは農業は続けられない」など悲痛な訴えがあり、「津南町は助けてくれないのか」と救済を訴えた。

 上流の長野県栄村は国の災害救助法適応で救済措置があるが、津南町は被害が限定的のため同法適応外。町の被災住宅改修補助事業(費用の20%、上限20万円)があるだけ。町では国県に同法適応外への支援、財政的な支援を要請している。

 吉野徹氏=昭和23年6月25日生、津南高卒、町商工会理事。国道405号同盟会長、川津屋社長、町議連続6期、秋成逆巻、 71歳。

 風巻光明氏=昭和26年1月18日生、国立長岡高専電気工学科卒、三菱電機、津南電子、しなの富士通勤務。町議連続2期、大割野、64歳。

議長に吉野徹氏、副議長は風巻光明氏

 改選後の津南町議会の初議会臨時会を14日開会し、正副議長や常任委員会構成など議会人事を決め、立候補制による所信表明後の無記名投票で議長には吉野通氏(71・7期)が就任し、副議長は風巻光明氏(64・3期)を選出した。

 議長人事は当選後から多数派工作に入り、トップ当選の恩田稔氏(68・4期)、最多選の吉野氏と草津進氏(70・7期)により進み、立候補は恩田氏、桑原洋子氏(69・4期)、吉野氏の3人が名乗り、無記名投票の結果「吉野6票、恩田4票、桑原2票」で吉野氏が8年ぶり(平成21年から4年間)に議長に就いた。

 一方、副議長は同様に立候補制で行い、無記名投票の結果「風巻光明7票、滝沢元一郎5票、桑原洋子2票」で、風巻氏が副議長に就いた。

 議長に就いた吉野議長は「山積する課題に議員全員で取り組み、津南町議会は変わったと町民からいわれる議会をめざしたい」と話している。

 改選後初の津南町議会臨時会は14日開会し、議会構成を決めた。

 【議会運営委員】◆委員長・半戸哲郎◆副委員長・筒井秀樹◆委員・滝沢元一郎、久保田等、石田タマエ、桒原洋子

【総務文教常任委員会】◆委員長・石田タマエ◆副委員長・桒原洋子◆委員・小木曽茂子、半戸哲郎、村山道明、草津進、風巻光明

 【産業建設受忍員会】◆委員長・滝沢元一郎◆副委員長・久保田等◆委員・関谷一男、桑原義信、筒井秀樹、恩田稔、吉野徹

 【津南地域衛生施設組合議会議員】恩田稔

 【十日町地域広域事務組合議会議員】関谷一男、村山道明

 【新潟県後期高齢者医療広域連合議会議員】小木曽茂子

昨年からの整備で生まれ変わったJR飯山線水沢駅前(11日)

ウエディングトレインの駅に

​水沢地区、ジミー作品と相乗効果を

大地の芸術祭で台湾の人気絵本作家、ジミー・リャオ制作の作品『Kiss & Goodbye』が飯山線越後水沢駅前に設置され、特に海外からの来訪者が多く賑わったが、住民からの「こんな草ぼうぼうの駅で乗り降りしたいか」との発想で、地元では昨年度から3年計画で駅前と作品周囲の景観整備を進めている。

 水沢地区振興会と馬場・水沢集落、リゾート振興協議会、JR十日町駅、越後妻有里山協働機構が「越後水沢駅美観整備実行委員会」(富井教雄会長)を組織。同地区と縁があった慶応大教授と学生が何度も訪れて地区内の景観を調査。地区全体を芸術作品と捉えた「越後水沢駅修景計画」を作り、それに沿って実行委と住民がボランティアで整備を継続。資金には県中越大震災復興基金や市のパワーアップ事業からの補助を充てている。

 これまでウッドデッキや芝貼り、花壇、旧野中小のレンガを敷き詰めた通路・カーペットストーンを作り、年内には6本の柱を建て白い布を張るウエディングゲートを完成させる。富井会長は「十日町駅に来たウエディングトレインがここに停まるようにしたい。駅前がどんどんきれいになると共に住民が地区を盛り立てようとする気持ちが高まった。土市駅のジミー作品と相乗効果を図り、国道沿いにもジミー作品が点在するようになれば」と期待している。

熱演し県自治活動賞を受けたかわにし夢きゃらばんの出演者たち

笑いと夢と感動を

かわにし夢きゃらばん​ 県自治活動賞を受賞

 自分たちでステージをと、1995年に結成した「スーパー素人劇団・かわにし夢きゃらばん」(関口昌生代表)の第23弾自主公演「愛と混沌の物語・大宴界『地獄のオルフェ』より」を千手中央コミュニティセンターで開催。時折、方言を織り交ぜながら理屈抜きに楽しめる夢と感動のステージを演出した。

 脚本から衣装、音響、大小道具などすべてメンバーの手づくり。今回も出演20人、当日スタッフ30人余りが協力。一方で演出家・伊勢谷宣仁氏、振付は荒木薫氏の指導を仰ぎ、素人ながらプロ顔負けのメリハリの利いたステージを展開。こうした活動が地域の新しい文化創造をめざしていると評価され、今年度の第38回県自治活動賞を受賞。10日に段十ろうで開かれた県ふるさとづくり大会で表彰を受けた。

 舞台は、世界的に有名なオペレッタの古典『地獄のオルフェ』がベース。互いに不倫相手を持つ破綻夫婦という破天荒な設定で始まり、人と神々が織りなすハチャメチャな騒動を展開。会場は笑いと感動に包まれ、訪れた人たちから「とってもよかったよ」「楽しかった」「次回も楽しみにしているよ」と次々に声を掛けられていた。

2019年11月9日(土)

11月末に予定の臨時株主総会に会社解散を提案する竜ヶ窪温泉

3セク・竜ヶ窪温泉、住民会社経営難

月末の臨時株主総会で休業解散提案

 住民の思いと行政の思いが、合致しない地域事業が、ここでも見られる。地元要望で温泉ボーリングに成功し、住民出資で経営会社を立ち上げ、経営難を打開すべく昨年6月から新経営体制で温泉施設『竜ヶ窪温泉・竜神の館』を経営する3セク形態の株式会社竜ヶ窪温泉は、先月30日、臨時取締役会を開き、今月20日で営業休業し、今月末に予定の臨時株主総会で「会社解散」議案の提出方針を決め、4日には温泉施設に告知を張り出すと共に、地元集落に会社解散と営業休止を知らせる文書を配布。臨時取締役会後、全従業員に20日付での解雇通知を出している。同社の中熊弘隆社長は「業績向上が見込めず、半分以上を持つ筆頭株主の津南町の支援もなく、このまま冬に向かうと大きな欠損を生じる。ここで区切りをつけたい」と、会社解散の方針を話している。一方、津南町の桑原悠町長は「突然の方針に驚いている。町も財政事情が厳しいなかだが、できるだけの努力はしたい」と何らかの対応を検討するとしている。

 温泉施設を経営する株式会社竜ヶ窪温泉は今期で24期を迎えている。昨年24期決算は265万円余の赤字。累積欠損6133万円余になっている。新経営陣は昨年6月に地元住民代表6人が取締役に就き住民主導の経営体制に一新。住民アンケートや会員確保の全戸回り、さらに各所イベントを継続開催するなど、業績向上に努めた。今年9月には、町議会に「業務委託契約にある委託費の支払い」などを趣旨に議会請願を提出。その後、町との協議で町側から「年度内に新たな業務委託契約を交わす」方針示されたが、10月の台風19号被害が広範囲にわたり交通アクセスが寸断され、「冬場以下の落ち込み」となり、売上が激減。例年の10月売上の4割減で、「このまま冬季に入ると昨年の3倍以上の欠損が出る」(同社役員)となり、急きょ、先月30日に臨時取締役会を開き、善後策を協議し、結局、全会一致で今月20日での営業打ち切り、さらに会社解散の方針を決めた。これにより、今月20日前後に予定の臨時株主総会で会社解散の議案を提出することになった。
 株式会社竜ヶ窪温泉は、資本6200万円、株主個人338人、団体1で、この団体が津南町(出資金3300万円、出資比率53・23%)。このため株主総会は津南町が出席するだけで総会が成立する。施設は町所有で経営の同社は業務委託契約を町と結んでいる。 
昨年決算は売上4462万円余(温泉利用・売店・直売、売上総利益3099万円)。一方、販売費用・一般管理費は3348万円。従業員は正社3人、臨時パート5人余。今年当初に金融機関借入を行い、経営を継続し、8月が黒字以外は厳しい経営が続き、10月の極端な落込みが「致命傷」になったとする。
 中熊社長は「当初から訴えている筆頭株主で施設所有の町の経営責任への関わりが、我々が求めることと全く違う対応をしている。(議会請願で)やっと業務委託の見直しが出てきた。我々は民間会社だが、この施設は町所有でもあり、経営責任は共にあるはず。それが全く感じられない。今回の結論は苦渋の決断だ」と無念さをにじませる。
 一方、津南町は先月の臨時取締役会の方針通知を受け、対応策の検討に入っている。9日で任期満了の町議会産業建設常任委員会メンバーや議長が動き、町の対応促している。取材に対し桑原悠町長は「芦ヶ崎・上段地域の皆さんの熱意によりできた会社であり、会社や地域の皆さんがあれほど一生懸命だったのに(突然の方針に)驚いている。町も財政事情が厳しいなかだが、できる限りの努力はしたい」と、今後会社側と話し合いの場を持ち、臨時株主総会までに何らかの方針を示す方針。それを受け会社側がどう対応するか、今後の推移が注目される。
 今月20日以降に予定の臨時株主総会で提出予定の会社解散議案は、出席者(委任状含む)3分の2の議決をもって成立する。さらに臨時総会は株主の過半数(委任状含む)をもって成立。現取締役会は、仮に会社解散議案が否決された場合、取締役全員が辞表を提出する意向で、その場合、筆頭株主はじめ株主による会社運営となるなど、さらなる混乱が予想される。今春、同社が実施した住民アンケートでは竜ヶ窪温泉施設が「必要88%」(回答595人)と圧倒的な支持が出ており、今回の会社側の「苦渋の決断」を住民・株主がどう判断し、筆頭株主であり施設所有者の津南町がどう対応するか、時間が迫るなか、両者の話し合いが望まれる。

本町通り・高田町など市街地・南部地域の高齢化率は39%を超える

十日町市南部振興会

自治組織、生活介護支援を事業化

 地域の住民同士の支え合いで介護人材不足や要支援者の生活支援サービス量の増加に対応しようと、十日町市の市街地、南部地区振興会(柳貢会長・21町内)が高齢者対応の「訪問型サービスB」に今月から取り組むことになった。介護人材が不足するなか、地域組織がサポートする取り組みは県内初で関心が集まる。
 サービスBの活動は身体的介護は対象外でケアプランに基づいた「調理・掃除・洗濯・買い物代行」など生活支援を主体に行う。すでにシルバー人材センター、NPOほほえみ、ボランティア団体ひだまりの市内3団体がサービスBを実施しており、地域自治組織が取り組むのが市医療介護課によると「県内でも例を見ない」という。市社会福祉協議会の地域懇談会で市が参加を呼びかけ、同振興会が事業導入に乗り出した。
 生活支援対象者は要支援1~2、それに準ずる人で、対象エリアは同振興会内の居住者。利用料金は1回1時間までで自己負担2百円。市が1回あたり同振興会に1400円補助。市はすでに実施の3団体含め今年度予算約6百万円を予算化。サービス内容は地域包括支援センターを通して対象者に紹介。同振興会の支援者は5人で、うち4人がホームヘルパーなど有資格者。今後市社協のボランティア研修会に参加し研修を重ねる方針。
 同振興会・柳会長は「地域で出来ることをやってみようと事業導入を決めた。大切なことは行動力。事業の中で出た課題は話し合い、検討していく。人が足りなければ参加を呼びかけたい。若い世代がいない高齢者世帯が多くなり、地域内の少子高齢化は待ったなしのテーマ」と事業への思いを話している。南部地区振興会は市街地で人口2123人、高齢化率39・5%と市平均を上回る。

発電開始80周年を迎えソメイヨシノ一本を植樹し節目を祝った

発電事業80周年、東京電力

信濃川発電所で記念植樹

 かつて「東洋一の水力発電所」と呼ばれ、1936年(昭和11年)に着工、1939年(昭和14年)11月に運転開始した東京電力信濃川発電所(津南町鹿渡新田)。発電開始80周年を迎え今月2日、記念式典を開催。東京電力・信濃川事業所・大島和明所長、東京電力パワーグリッド・信濃川電力所・中島宏幸所長、小野塚均副町長、地元区長ら15人余が参列。ソメイヨシノ一本を植樹し節目を祝った。
 現在でも日本トップクラスの発電量の同発電所。5年前には運転開始以来の発電電力量が9百億kWhを超え、国内の一般水力発電所では初。現在は累積960億kWhを超えた。約21㌔上流の西大滝ダムから取水し河岸段丘地形を利用し、落差110㍍の高低差を利用し水車を回し発電している。大畠所長は「年間の発電は約12億kWh、新潟県の一日分は平成28年実績で4600万KWh。この発電所の一日平均は約330万kWhで、新潟に送ると7%分を供給できる量」とし、80年の中でメンテナンスを続けるなか「環境に優しい設備への変更など計画的に行っている。今後も変わることなく、設備をメンテナンスしながら安心で安定した運転を継続させて頂きたいと思う」と話した。
 同日は同じく80周年となるJR東日本・信濃川発電所と連携した記念イベントを行い、発電所を一般公開。福島物産展や柏崎刈羽原発の安全確保の取り組み現状を伝えるコミュニケーションブースも津南町で初めて開いた。

上野小学校で書家の柳澤氏が大書を指導、「想」の一字を贈った(6日)

君たちにメッセージ「想」

書家・柳澤魁秀

 「すごく大きな字」、子どもたちに歓声があがった―。上野小(根津江美子校長)で6日、イタリア・トリノ大日本語学科などで書を中心とした哲学を指導する書家・柳澤魁秀さん(59・長岡市)を招き、5~6年生を対象に「巨大書を書こう・自分を見つめて」と題して授業を行った。
 右手と右手で握手する象形文字から『友』という漢字が生まれたことなどを解説しながら「自分を取り巻く環境と人々を見つめ、大切な漢字一文字選び、書に表そう」呼びかけた。受講した5~6年生29人は今月27日、畳1枚ほどの紙に向かって大書する。

地域交流の場に空き家活用

松之山「まつのやま基地」

火渡り護摩

見玉不動尊

 参拝者の祈願の護摩札が燃え上がり、境内に薄緑の煙がもくもくと舞い、天台宗・村上光田僧正ら6人の山伏が古式の祈祷をあげる見玉不動尊の「火渡り護摩」。本山・比叡山延暦寺につながる同不動尊。7年前に始まった火渡り護摩が3日、紅葉の秋山郷の山々をなか開かれた。町内外、最近は県外、外国などからも参加が多数見られ、秋晴れのなか3百人余が招福祈願した。
 不動明王を祀る見玉不動尊(池田明順住職)はかつて10年置きに火渡り護摩祈願祭を行っていたが、さらに全国に広めようと地元実行委員会(髙橋紀久郎委員長)で取り組み毎年開催。事業経営者の祈願が増えるなか最近は家族ずれも多数参加。初参加の田中克子さん(72)は長野・飯田市から友人ら10人で参拝。飯田市の信濃比叡・広拯院でも毎年2月に火渡り護摩を行う。「素晴らしい所ですね。この滝と社殿のたたずまいが雰囲気たっぷり。ちょっと熱かったですが、ご利益を感じました」と手を合わせ、火渡りした。

境内での護摩法要後、火渡りする参拝者(3日、津南町、見玉不動尊で)

まつのやま基地を運営する「松之山を遊び尽くす会」の佐藤会長

コミュニティを作る場にと取り組みが始まっている「まつのやま基地」

 「やりながら進めていこうと言うスタンスです。まず自分たちで楽しみ、たくさんの人に来て貰おうと思っています」。十日町市松之山支所の前にある、コミュニティ&レンタルスペース「まつのやま基地」。オリジナルな旗が目印。今春4月にオープンし、民家空間を提供。レンタルスペースを始め、今は毎週土曜日午後に誰でも利用できるコミュニティスペースを展開、イベントも行うなど交流拠点化をめざしている。
 企画・運営は「松之山を遊び尽くす会」。昨年末に松之山の魅力に見せられた元現職の地域おこし協力隊6人で立ち上げ。いまは30~70代の男女17人が会員。代表の元協力隊員で現在は地域支援員の佐藤美保子さん(41、天水越)は「松之山は人口2千人を切り、少子高齢化が進んでいます。私たちが魅せられた、知恵や技術をもつ方と共に暮らす、松之山の個性であるコミュニティの密接さも失われつつあります。地元の方、松之山が好きな方、子どもも大人も集えるコミュニティ空間があった方が良いと思ったのが始まりです」と話す。
 10年前、結婚を契機に松之山に来た佐藤代表。布川地区に協力隊員として赴任。地域コミュニティの大事さを感じたのは、8年前の新潟長野県境地震。まだ1歳の子がおり、お腹にはもう1人いるなか、家族で旧松里小体育館で避難生活を贈った。「元々出身は関東なのですが、避難生活を送っていた時、松之山に来て良かったと思ったんです。都市で見ず知らずの人と段ボールで仕切られた空間で過ごすより、知っている人と一緒に生活する方が生きて行けるって実感しました」。その時の思いが、松之山基地発足に繋がってる。「コミュニティ空間があることで、いまは薄れつつある繋がりがまた生まれ、新たな住民の楽しみも出て来るかと。いずれはここから小さな経済活動が始まればよいなと思ってます」。将来的には人が集う場であり、地域の産物を扱ったりできる基地に成長することが願いだ。
 コミュニティスペース提供は毎週土曜日午後1~4時、利用料は3百円(高校生以下無料)。レンタルスペース利用は会員登録(年会費3千円)が必要で、一部屋5百円、一棟貸切1000円(1時間当たり)。同級会やイベント開催、サークル活動などに使える。問合せはフェイスブックページ「松之山基地」から。

2019年11月2日(土)

10月13日午前7時撮影の信濃川氾濫の様子。左奥が下足滝集落。右が上流。県道を泥流が集落に向かって流れ下る(読者提供)

流域で行政対応に違い、住民不信増す

検証・信濃川水害

 信濃川の記録的な増水で床上浸水し、倉庫に保管していた新米や農機具、家具などが浸水、大きな被害が出ている津南町下足滝。同区間の河川管理者の新潟県は増水から守る堤防のかさ上げ計画を地元に示し、年内には現地測量に入る方針。その説明会を先月24日、下足滝公民館で開いた。水害後初めての県説明会とあって、地元からは厳しい声が出た。「誰が命と財産を守ってくれるのか。春の説明会では3㍍のかさ上げを示したが、今度の大水で計画の見直しが必要」、あるいは「下足滝と国道を結ぶ橋は町道。県と町、地元がしっかり連携して取り組む必要がある」など多数の意見が出た。下流の津南町巻下地域から着工している堤防かさ上げ事業に含まれる下足滝エリア。今回の大増水により計画の見直しに迫られている一方、災害時の行政対応の不備を指摘する声がある。
 地元が問題視しているのは、県が示した堤防のかさ上げ計画と共に津南町の今回の災害対応。台風19号による千曲川・信濃川の増水は11日段階で上流域での大増水が分かり、栄村は11日午後4時に災害警戒本部、翌12日午前8時55分に災害対策本部設置。津南町は12日午前10時に災害警戒本部設置。栄村は同日午後1時から夕方にかけ箕作や月岡など流域地域に避難勧告。津南町は13日午前2時半に災害対策本部に移行、同時に津南駅前の下平地域、さらに下足滝に避難指示。同日午前7時頃から下足滝の浸水が始まり9時には床上浸水。15日午後6時、足滝の避難指示を解除。
 この経過の中で、両町村の災害対応に大きな違いが生じた。栄村箕作・月岡では避難勧告後の12日深夜、13日に日付が変わる頃、増水警戒する地元消防団から「箕作・月岡はこのままでは水没する。いまのうちに車や農機具など動かせるものは動かした方がいい」(栄村防災係)と連絡が入り、村対策本部は安全性を確認しながら13日午前1時半から午前3時まで、一時帰宅を許可。消防団や村職員が同行し、避難先から自宅への一時帰宅ができ、車移動や農機具、家具など動かした住民が多くいた。
 一方、津南町は13日午前2時半、下足滝を含む下流の津南駅周辺エリアに避難指示。地元消防団が集落前の高台で警戒巡視。住民は避難先で水かさが増す情報を聞くばかりだった。この時間、上流の栄村箕作・月岡では一時帰宅させていた。このため下足滝では、6世帯のうち4世帯が倉庫に積んでいた新米すべてが水没。農機具も水に浸かった。この中、連絡を受けた上足滝の住民が、下足滝の留守宅から農業トラクターを腰まで水に浸かりながら搬出した。だが床上浸水の住宅の多くが避難したままの状態で水没した。
 下足滝住民からは「同じ流域でこの災害時の行政の違いは、あまりにも情けない」と落胆している。さらに「これまでの大水(平成18年)では増水が集落に入る県道に土のうを積み浸水を少しでも防いだ。今回はそれさえもなかった」と話す。
 新潟県が25日に示した堤防のかさ上げは、今回の大増水前の計画。3㍍堤防を高くし、県道との接続部分もそのまま高くし、県道を緩やかにスロープ化する計画。だが、住民からは「(国道と足滝を結ぶ)上郷橋は町道。かさ上げすれば今度は増水時には橋が危ない。町と県、さらに地元とがしっかり連携して取り組む必要がある」と事業の見直しを求める声が上がる。さらに住民からは「堤防工事にいくらかかるか知らないが、仮に10億円ほどかかるなら、それを6世帯に配布し、安全な地に集落ごと引っ越した方が県も町も将来的な心配がなくなるはず」なども意見も出ている。台風19号被害は国内全域で激甚災害指定となり道路など公共施設修復が支援され、長野県は国の災害救助法指定となった新潟県は指定外。災害被害の個人支援は現状では行われない。

自然の美と世界の美女の競演に歓声があがった清津峡渓谷トンネル(10月30日)

ミス・インターナショナル候補84人が清津狭渓谷トンネルへ

SNSで発信、感動の清津峡を世界に

 紅葉や雄大な柱状節理の岩肌と世界の美女との競演―。日本三大峡谷のひとつで上信越高原国立公園・清津峡に先月30日、『2019ミス・インターナショナル世界大会』に出場する世界83の国・地域から84人の美女が訪れ、渓谷トンネルが一気に華やいだ。
 同世界大会が12日に日本で開催されるのに合わせ、出場者から日本の魅力をSNSなどで世界に発信してもらおうと企画され、清津峡もその一つに選ばれた。香港の代表は「自然もアートもとても素晴らしかった」と話し、日本代表の岡田朋峰さん(21)は「ホスト国代表として、みなさんが清津峡に感動してくれてうれしい。SNSで発信します」と話した。

10月25日、エルデネット市役所前で引き渡し式を行った(交流協会提供)

モンゴル・エルデネット市にロータリー除雪車寄贈

エルデネット・十日町市交流協会

 友好交流するモンゴルに十日町市所有の中古除雪車が寄贈された。今月25日、モンゴル・エルデネット市で寄贈式を行い、十日町市から村山潤副市長、十日町エルデネット交流協会・滝沢信一会長ら5人が出席し、実際に積雪のなかデモンストレーションで除雪を行い、現地の技術者への講習会も行った。同活動はODA草の根支援事業が輸送などバックアップ支援し実現した。
 除雪車寄贈は、2017年10月に同市からバトルット・ダンバ市長らが来市し、その後の交流の中で十日町市所有の更新期を迎えたロータリー除雪車の寄贈が具体化。整備点検後、昨年末にモンゴルへの輸送が始まったが、手続き関係でようやく現地での引き渡しが実現した。25日の引き渡し式には村山副市長、齋木市建設課技監、滝沢交流協会長、宮嶋正一同協会副会長、技術指導で村山鋼業・村山広幸社長の5人がエルデネット市に出向き、25日、同市役所まで寄贈式を行い、一行は「道路などの除雪に役立てて下さい」とロータリー除雪車のキーをバトルット市長に手渡した。
 さっそく村山社長が実際に動かし、雪をロータリーで飛ばすと歓声が上がっていた。村山社長は同市の技術者に除雪車の運転講習をその場で行い、アドバイスした。
なお、来月8日午後5時から十日町市役所第一会議室で寄贈報告会を開く。同席にはモンゴル出身のデルゲルマー氏やモンゴルからの技能実習生2人も参加し、デルゲルマー氏による馬頭琴演奏も行われる。入場は自由で、同交流協会では多くの参加を呼びかけている。

撮影・小林幸一さん

60秒の美

秋夜に映える段丘花火

 太古の中津川の流れが作り出した、津南町の日本最大級の河岸段丘。収穫期を終えた26日、火柱花火・虎の尾と尺玉で段丘を夜空に浮かび上がらせる「第14回ジオ河岸段丘花火」が開催。スタート地点の秋山郷切明からメイン会場のマウンテンパークまで繋ぎ、全50地点を60秒で繋ぐリレー花火。点火の午後7時には、メイン会場では4百人余が集まり、ここでしかできない一瞬の花火を鑑賞した。
  大地の芸術祭で展開したアートを契機に、地元住民有志が引き継ぎ始まった同花火。花火打ち上げ前はメイン会場でつなん火焔太鼓や榮太鼓演奏を行い、祭りらしく和太鼓のリズムで盛り上げた。講習を受ければ一般人でも点火できる参加型花火なのも特徴で、今回は120人余がボランティアスタッフとして活躍。主管の地域活性化グループWaの福原章子代表(48、外丸)は「来年は15周年です。節目で尺玉を増やすなど何か考えたいと思います。来年は自分で点火してみませんか」と話している。

400人余が集まった小木ママの講演会(10月30日、津南町文化センター)

スマホの危険性語る

尾木ママ、津南来町

 「尾木ママ」の愛称でテレビでも同じみな教育評論家・法政大名誉教授の尾木直樹氏を招いた講演会は30日、津南町文化センターで開催。著名人の講演となり、小学生からお年寄りまで会場は満席の4百人余が参集。テーマ「スマホ・ネット時代これからの子どもと大人のかかわり方」で講演。テレビ出演時と全く同じ尾木ママ口調でテレビの裏事情も交え笑わせながらも、真剣な教育論を展開。スマホを子どもに持たせる時にルール作りの必要性を語り「アメリカでは18、韓国では15のルールがあるの。所有者はママやパパ、あなたには貸してあげているだけ、ルールを破ったら没収とか。途中から作るのは難しいから最初に作って」などと呼びかけた。
脳に電極を付け、どんな状況で脳が動いているかを調査した研究を元に「わからないことをスマホに話しかけて聞いても脳はどこも動かない。ただ岩波の辞典とかで調べると真っ赤になって動いているんですよ。ホントはわかっているの。スマホで調べてもほとんど意味がないって」。一方でスマホ依存度が高くなることで内斜視が増えたり、キレやすくなる状況など問題が出ていることを話し「脳も破壊される。感情をコントロールするとかの機能がある、脳の前頭前野が働かなくなる。よく『安全確認にいる』と言うけどこの前の台風の時、千葉では電波塔が壊れ携帯は繋がらなかったでしょ。災害の時、使えないんですよ」。
世界のスマホ事情も紹介。韓国では夜12時から朝6時まではオンラインゲームをシャットダウンするなど国が守り、フランスは法律で小中学学校でスマホ持ち込み禁止を決めるなどの事例を出し「調べると国が本気で危ないと言う姿勢を示すためのもの。最も所有に規制をかけてないのが日本。最も遅れてる」。一方でメディアにスマホ被害があまり出ない訳を「3つの通信会社から広告がいっぱい出ているでしょ。中立公正ではありませんから、お金をくれる所には弱いんです」と笑顔で指摘。世界の先進国の中高生アンケート調査で『スマホでいじめを受けたことはありますか』と聞いた時、36%がいじめを受けていると出たとし「これはまずいのよ。スマホができていじめが目に見えなくなった。いじめを受けると心が傷つき、対人不信になる。これは30代、40代になってもずっと続く。いじめは絶対ダメ」。
 他にも平成の大合併のあと「合併してみんな後悔してるから。例えば3つが合併したなら、教育は一番低い所に合わせる。平等にしようとすると低くなる。合併した教委はみんなこっそり泣いている」。津南町の状況にも触れ「ジオパークとかやっていると聞きました。そういうのはどんどん頭を養っている」とし、例としてキャンプで山に入るとヘビやミツバチが出たりする状況は子どもたちにとって「未知との遭遇でしょ。出た時、どんな対応していくかの力、瞬発力がどんどん鍛えられる」。火を起こし煙が目に沁みたり、給食のお盆を地場産木にしたりする自然体験の大事さを語り「あとゼロ体験。夜になると漆黒の闇になり、見ると星が出てたり、ホタルが見えたり。そういう悠久感、人間の力じゃどうしようもないものを感じるのがゼロ体験。人間の世界を超えた、自然との向き合いが大事」などと話した。
 同講演会は実行委員会(宮澤清委員長)形式で開催。主管は育ネット津南地域部会(江村大輔部会長)で行った。

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