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2020年3月

2020年3月28日(土)

東京五輪、1年延期、来年夏までに

​服部勇馬「全力出す準備を」

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京オリンピック・パラリンピックは2021年の夏ごろまでに1年程度、延期されることが決まった。こうしたなか、札幌で開かれる男子マラソンに出場する服部勇馬選手(26、トヨタ自動車)は25日午後3時過ぎ、本紙の電話取材に応え、同陸上部を通して「本番で全力を出し切れるよう準備していきたい」とコメントを寄せた。

 この中で服部選手は「世界が新型コロナウイルスの影響で深刻な状況のなか、オリンピックの舞台で競技できる機会をいただける事に感謝しています」としながら「これからも変わらず、本番で全力を出し切れるよう、準備していきます。1日でも早い、コロナウイルスの終息を願っています」と改めて決意を示した。服部選手は今後、ハーフマラソンや駅伝出場などを通して五輪に向けた調整を続けていく方針だ。

 また、佐藤敏信監督も本紙に「現状のコロナウイルス感染拡大のなか、中止の判断がなされなかったことに感謝し、これからも今まで通り、本番にベストの状態で臨めるように努力していきます。感染拡大が、早期終息することを願っています」とコメントしている。

 

 関口十日町市長は25日、五輪延期について「クロアチア共和国選手団の事前キャンプ受入れの準備を進めて来た。今回の延期を受け、今後どのような時期でも選手たちが最高のパフォーマンスを発揮できるようにリスタートしていく。マラソンの服部勇馬選手や桜花レスリング道場で合宿した女子レスリング代表選手など、すでに代表権を獲得した選手が、その権利を失うことなく万全のコンディションで大会に臨んでほしいと思う。国際オリンピック委員会が早期に開催時期を示すことを期待したい」とコメント。また服部選手の市民応援団・援馬隊の吉楽一彦隊長は「服部選手が苦労してつかんだ出場権、そのまま継続されることを願う。応援する気持ちは変わらない。この1年、さらに盛り上げていきたい」と話している。

 

 服部勇馬応援ツアーを計画し準備を進めていた共立観光では「打撃は大きいが仕方ない。計画の練り直しになる」と落胆している。同社では、新型コロナによる観光旅行のダウンや修学旅行の延期に続くダブルパンチ。応援団ツアーは飛行機で約50人、フェリーで40人余りの参加が予定されていた。

クロアチア選手、混乱なき受入を 十日町市

 東京オリ・パラに参加するクロアチア共和国の事前キャンプを受け入れる十日町市。今夏の本大会に向け選手が宿泊するホテルや練習会場となる中里アリーナなどの施設に仮予約していたが、1年延期の方針を受けキャンセルした。

 またクロアチアでは、出場選手の選考が競技によっては5月頃になるとしているほか、実際の事前キャンプは競技本番の2週間前頃との事前打ち合わせがあり、対応に当たっている市スポーツ振興課では「事前キャンプなどの日程が決まっていたわけではなく、大きな混乱はない。来年に向け準備を進めていきたい」としている。

 市は一昨年11月、クロアチア・オリンピック委員会と事前キャンプに係る協定書に締結。昨年8〜9月にはテストイベントに参加する柔道や空手、テコンドーの選手団が来市、中里アリーナなどで練習に取り組んだ。

春耕の水田は水鏡となり景色を映し込む(津南町沖ノ原から中津川を望む、内山義幸氏撮影)

実証実験、米食味向上に挑む

河岸段丘の水田15​カ所、国際大会に出品 津南町3年継続

 小学校の社会科教科書で紹介された津南町の「河岸段丘」。信濃川と中津川、清津川、さらに志久見川の4本の1級河川の浸食と隆起で誕生した階段状の自然のテーブル大地は国内有数の規模。標高2百㍍前後〜6百㍍余の段丘面に水田など耕地が広がる。津南町は2020年度から3年間、自然の特性である段丘地におけるコメの食味向上の実証実験に取り組む。 実験の収穫米は毎年末に開催、米・食味鑑定士協会主催で毎回6千点近く出品がある国内最大の『米・食味分析鑑定コンクール国際大会』に全品を出品する。数値で行う公正な審査で、第三者的な視点での評価や改善点が分かり、今後の津南米づくりの貴重なデータ収集にもつながる。3年後、同コンクール国際大会は津南町開催が決まっている。同コンクール最高賞・金賞をめざす取り組みを契機に「津南のコメづくり機運を高めたい」とすると共に、「コメどころ津南を、さらに全国や世界に発信する好機」と捉え、農業者の果敢なチャレンジを期待し、町は新年度予算で支援する。

    ◇◆◇

 津南町の水田は約1430㌶(酒米含む)。河岸段丘は、春の田植え期、水田の水鏡が残雪の上信越の山々を映し込み、夏には緑の大地に姿を変え、秋は一面の黄金色に。まさに「恵まれた自然が作り出す津南米」。さらに食味向上をめざし「津南米・食味向上プロジェクト」に取り組む。

 米・食味分析鑑定コンクール国際大会。昨年11月、千葉・木更津で第21回を開催。2022年・令和4年、津南町開催が決まっている。今回のプロジェクトは同コンクールを生産者意識を高める好機にしたい考え。目標はコンクール金賞受賞者を津南町から誕生させることだが、町は「国内最大のコンクールという評価の場は、これまでの米づくりの検証にもなり、課題や改善点を考える場にもなり、なによりも生産者のコメづくりの意識と関心を高める好機になる」(地域振興課)と見ている。

    ◇◆◇

 昨年4月、津南町は「農業のプロを」と新潟県の職員派遣を受けた。津南など妻有エリアの農業を知る村山大成参事(前県農林振興部課長)が着任。就任時「県とのパイプ役として農業者所得の確保と向上が求められる役目を感じている」と抱負。花角知事の園芸1億円産地づくり農政につなぐ取り組みで、就任時から米づくり品質向上に取り組み、今期は同プロジェクトと共に園芸スマート農業化にも取り組む方針。昨年から町・生産組織・営農団体と構想を進めた一つが同プロジェクト。

 計画では町内米集荷5事業所の協力を受け、「標高3百㍍未満」「3百㍍〜450㍍未満」「450㍍以上」の各5ヵ所、全町15ヵ所を選定。各農業者の米づくり手法の提出を受け、地域振興課(4月から農林振興課)で調整し実証水田を決める。

 米づくりは各農業者の従来方法となるが「津南町の一般的な米づくりの方法」を目安に行う。種籾(もみ)は通常の津南産を使用。一般的な農法のほか減農薬・減肥料、有機栽培などにも取り組み、中間管理は各農業者の取り組みに委ねる。だた「極端な作り方や肥料の大量投入などは行わず、あくまでもスタンダードな作り方で」。15ヵ所の水田は10㌃〜30㌃程度の広さを選定し、津南の平均的な立地と水路確保として「できれば3年間、継続して同じ水田で実証実験したい」とする。

    ◇◆◇

 プロジェクトは3年間の継続事業。15ヵ所の実証水田で取れたコメはすべて食味分析鑑定コンクールに出品する。今年末には2022年の本番を前に「津南町米・食味分析鑑定コンクール」をプレ大会として行う。年末の国際大会結果に基づき、町内出品の上位者を選出し、町独自の食味審査で金賞・特別優秀賞5人を決める。

 津南米・食味向上プロジェクトに取り組む村山参事は「若い農業者が育っている津南町の米づくりを、さらに伸ばす契機にコンクールはなる。コンクール出品で克明な分析データを得ることができる」と話す。3年継続で取り組む実証水田のデータが今後の津南米づくりの指針になり、コンクール開催を全国発信の好機につなげたい考えだ。 町は新年度予算で15ヵ所の支援金45万円、さらに今年末のコンクール出品料補助40万円(200出品想定)を予算化している。

 

木質バイオ発電、森組と連携へ

間伐材供給、十日町森組、津南町森組が協定書

 再生可能エネルギー事業の木質バイオマス発電分野が、地元森林組合の経営と大きく連動する形になってきている。十日町地域森林組合は21日、事業決算・新年度事業計画を決める第16回通常総代会をクロステンで開いた。任期満了に伴う役員改選で新たにトップに就いた太田耕司・代表理事組合長。総代会翌日、取材に答え「安定的な木材供給先が市内にできる。事業化へ連携していく」と話し、1年後に発電稼働を計画する現地法人・十日町バイオマス発電所と協定に基づく事業連携の運営方針を示した。一方、22日に第53回通常総代会を開いた津南町森林組合は昨年9月に十日町バイオマス発電所と木材供給の協定書を交わし、具体的な供給量と価格方針を結んでいる。涌井九八郎組合長は「他の事業体からも話を受けているが、FIT(固定価格買取制度)認可を優先することになるが、木材提供には将来的な課題が併存している」と、取り組む森林整備との関係性を指摘する。これまで関心が薄かった間伐材など未利用材が、バイオマス発電事業で取引対象の「山の資源」になっており、地元森林組合の運営にも影響し、森林事業は新たな時代に入っている。

 木質バイオマス発電事業は、その使用木材によってFIT価格が違う。森林整備に伴う間伐材は国規定で「未利用材」に区分され、同材での発電は「1KWh40円」の固定買取。立木補償など間伐材以外の自然木は「一般材」、さらに建築材などによる発電買取は間伐材の半分程度になる。

 このため木質バイオマス発電事業者はFITが高い間伐材供給を求めるが、森林整備事業との関連が出てくる。間伐材は新潟県認定の『林業認定事業体』が発行する証明書が必要であり、妻有地域では十日町地域森林組合、津南町森林組合のほか十日町市内で民間2社が同認定事業体の認可を受けている。

 十日町地域森林組合は小千谷森林組合と合併で誕生、今期で17年目。同組合と昨年4月、原木供給協定書を締結した『合同会社バイオマス発電所』は、市内四日町地域の信濃川河畔にすでに用地取得し、FIT認可を今月13日に受け、東北電力への系統接続が可能となり、今春から事業着手し、1年後の発電稼働をめざしている。

 使用する原材料木は約2万3千㌧を見込み、近隣や県内、福島などから調達する意向だ。十日町地域森林組合は協定書の中で年間約3千㌧(本格稼働時)を見込む。取引価格は協議中だ。同組合は市主導で、民間事業者が建設、運営するキナーレ・木質バイオマス発電の熱電供給事業に原材料木年間千㌧を供給するなど、「森林資源、目算100万㌧」の十日町地域の森林資源の有効活用を視野に入れている。太田組合長は「木質バイオマス発電は向こう20年間が約束されている事業。木材供給先が確保されることになる。森林所有者への還元にもなり、森林整備と連動した山林資源の有効活用につなげたい」としている。

​十日町地域森林組合、役員改選の総代会(21日、クロステンで)

「安定的な木材供給」、発電事業と連携

新森林管理システムと木質バイオマス発電と

 十日町市と小千谷市、長岡市川口地域が合併して2004年(平成16年)2月に誕生した十日町地域森林組合(組合員2649人)。第16回通常総代会を21日、十日町クロステンで80人余の総代が出席して開催。任期満了に伴う役員改選で新理事10人、監事2人を選出し、同日午後の理事会互選で太田耕司専務(65)が4代目の代表理事組合長に就任した。今期で退任の星名敏雄組合長は、森林環境税導入に伴い森林環境譲与税が自治体に交付され、十日町市では森林所有者の意向調査などに取り組んでいる状況を説明し、「令和新時代に対応できる新たな体制で森林組合事業を切り開いてほしい」と新体制執行部にバトンを託した。

 同組合の売上の主体事業は食品加工の約2億3453万円(全売上比率58%)。山菜加工主体に大手スーパーなどと取引し、今年2月には衛生管理の世界標準HACCP(ハサップ)認証を取得し、今期は「五輪需要」を見込んでいたが、ここにきて新型コロナウイルス感染拡大で五輪開催が延期される公算が濃厚で、販売戦略の見直しにも迫られそうな状況だ。

 一方、国の森林経営管理法に伴う「新たな森林管理システム」の策定により、その事業体として昨年11月、県知事認可を受けたことで今後、地元十日町市と連携した森林整備事業に森林環境譲与税などを活用して取り組むことになる。今期は森林所有の意向調査を行い、森林整備を計画的に取り組むことになる。さらに市内四日町に建設計画の「十日町バイオマス発電所」への原材料木の供給にも取り組む。すでに昨年4月、協定書を交わし、年間3000㌧を供給し、発電事業との連携を進める方針だ。

 4代目組合長に就いた太田耕司組合長は就任後、取材に対し、「今期は森林整備にあたり森林環境税、森林環境譲与税が本格スタートする。地元行政と連携を密にしながら、効率的な森林整備に取り組みたい。5年前から事業構想が始まっている木質バイオマス発電事業は組合の大口取引先となり、事業推進は組合の販路にもつながると方針を話す。

書面決議で出席29人で開いた総代会(22日、津南町森林組合で)

20億円目前、日本食研取引で

津南町森林組合総代会 ストック倉庫3億円で建設

 新コロナウイルスの感染拡大予防で総代の65%の書面決議で開いた第53回津南町森林組合総代会は22日開催し、前年度総取扱額25億4152万円(事業総収益22億6999万円)による当期剰余金2739万円の前年度決算を承認した。

 総代会は総代200人うち例年180人余が出席するが、今期は感染予防から書面決議出席の形で総代会を開き、本人出席29人に対し書面決議129人となり、会場は当日出席者のイス間隔をあけるなどして開催。来賓は招かず議案説明も部分簡略。提案議案は原案通り可決した。

 質疑に答えた涌井九八郎組合長は、十日町地域で計画が進む木質バイオマス発電にふれ、「十日町バイオマス発電所はすでにFIT固定価格買取制度の認可が下り、間伐材の買取りになるが、依頼があれば対応したい」とバイオマス発電に間伐材提供の考え方を示している。

 53期の事業決算では、日本食研との事業取引が18億円を上回り、組合の売上ベースでは全体の80・47%を占めるなど、日本食研との取引実績が組合運営の主体を成している。日本食研との実績では「取引20億円達成」を目標の一つにしており、来期の目標は18億7700万円で、目標達成まであと一歩となっている。なお、前年継続事業でストック倉庫(建坪646平方㍍、高さ17㍍)を3億円で建設、9月供用開始する。

成人式も延期、9月20日開催

入学式も時短、関係者だけで

 毎年5月3日開催の十日町市と津南町の成人式は新型コロナウイルス感染拡大の予防から両市町とも9月20日(日曜)に延期することになった。十日町市は23日の市新型コロナウイルス感染症対策本部会議で決めた。

 十日町市の該当者(平成11年4月2日〜翌年4月1日生まれ)536人(男254人、女282人)で段十ろうで開催。同対策本部は例年480人余の出席者のうち330人ほどが市外から参加のため、感染拡大の懸念があるため延期を決めた。新市になっての成人式延期は初めて。

 津南町の該当者は90人(同、男44人、女46人)。会場はニュー・グリーンピア津南。開式は午前10時20分で開く。

 新学期が目前のなか新型コロナウイルスの感染拡大に続き、十日町市・津南町・栄村では例年通り入学式を行うが、多くが来賓を招かず、時間短縮規模縮小で開催する。

 十日町市は8日、小学校(18校)は午前、中学校(10校)は午後に入学式を開催。特別支援学校ふれあい校は10日に行う。来編出席はなく入学生・保護者・教職員だけで開催する。

 津南町は8日、午前に小学校3校、午後に津南中学で行うが、同様に来賓出席はなく、入学生・保護者・教職員だけで行う予定だ。

 栄村は6日、午前に栄小学校、午後に栄中学校の入学式を行い、同日、始業式も行う予定。来賓は村長だけで入学生・保護者・教職員だけで行う予定だ。

 県立高校は6日に十日町、十日町総合、松代、津南中等、7日に十日町松之山分校、同定時制、8日は川西支援学校で行い、入学生・保護者・教職員だけで行う方針だ。

校舎入り口に並んだ十日町市で最も少ない鎧島小の卒業生3人の親子ら

きもの姿にマスクで式に臨んだ十日町小の卒業式

3人だけの卒業生、きもの姿も

雪が舞うなか小学校で卒業式

 妻有地域の小学校では24日に卒業式を行い、卒業生は6年間の思い出を胸に学び舎を巣立ち、中学校進学に胸を膨らませた。新型コロナの影響で一斉臨時休校となり、ほとんどの学校で「6年生を送る会」などができなかったなかでの卒業式。当日は突然の雪模様となり、雪国ならではの雰囲気となっていた。

 

 「夢に向かって歩んでいきます」—。十日町市内の小学校で最も卒業生が少ない鐙島小(細木久成校長)では、3人が思い出いっぱいの学び舎に別れを告げた。同校では初となった複式学級で6年間を学んだ3人。「ひまわり学年」として今年度は下級生と協力して学校行事を進めてきただけに、別れの日は在校生から大きな拍手を受けていた。

 細木校長から卒業証書を受けた3人はそれぞれ夢や目標を発表。樋口七海さんは「絵の芸術家になることが夢」と話し、丸山萠衣さんは「中学に進んだらクロカンスキーで全中をめざします」と決意。また宮内海くんは「まだ夢は決まってないけど、十日町の役に立つ仕事がしたい」と大きな声で話した。式では、六送会で行う予定だった「お祝いの歌」なども盛り込み、体育館いっぱいに歌声を響かせた。

     

 今年も着物の町らしい華やかな卒業式—。着物を通じ和文化を体験する「きものサークルわかむらさき」が22年間続く十日町小学校(山岸一朗校長)で24日、第73回卒業証書授与式が行われた。

 卒業生57人中19人が着物姿で、羽織袴の男子、振袖に袴、編み上げブーツを履いた「ハイカラさん」女子もおり、大人びた雰囲気。わかむらさきは毎年6年生の希望児童が受講し、着付けや茶道を学び、民謡流し等にも参加している。メンバーだった村山玲奈さんは「6年間でわかむらさきの活動などたくさん思い出ができました。小学生の最後に着物を着ることができて感動しました」と明るい表情を見せた。

「いつもと違う式だからこそ」とサプライズの花吹雪で卒業生を見送った芦ケ崎小

サプライズ演出、花吹雪で祝う

津南町63人、栄村5人が学び舎後に

 新型コロナウイルスの影響で一斉休校が続くなか、奥信越でも卒業式が行われた。津南町の3小学校の卒業式は24日に行い63人(芦ヶ崎7、上郷5、津南51)が卒業。一方、栄村は18日に行い、栄小を5人が卒業し、自分の夢に向かって新たな一歩を踏み出した。なお津南町は離任式・終業式は中止となっている。栄村は離任式を行っている。

 卒業式は在校生なし、来賓も呼ばない時短形式で行った津南町3小。芦ヶ崎小(丸山浩市校長、45人)は、教職員15人余と保護者10人余が見守るなか実施。一斉休校で学校に来られなかったため、式前に急きょ30分余の練習を行い、本番の式典に臨んだ6年生7人。卒業証書を受け取るとそれぞれが「中学では陸上部に入りお姉ちゃんみたいにカッコいい選手になれるよう頑張ります」や「中学では部活と勉強、友だち作りに頑張ります」などと決意表明。締めくくりには同小の大きな特色になっている伝統の龍神太鼓を披露。1ヵ月余練習はなく、ぶっつけ本番だったが同じメンバーで演奏するのはこの日が最後だけあり、熱の入った卒業太鼓を鳴り響かせた。

 今月2日から一斉休校となり、小学校生活最後の1ヵ月余を失った今期卒業生。芦ヶ崎小では「何か思い出に残ることを」と教職員の発案で、退場時に卒業生には内緒で花吹雪を舞わせることを決定。式の最後、体育館を後にする卒業生を迎える花道を教職員と保護者が作り、黄色や赤、金銀など色とりどりな紙の花吹雪を浴びせた。真新しい中学生服に身を包んだ子どもたちは、思わぬサプライズ演出にみんな笑顔。半戸咲良さんは「全然知らなかったのでびっくりしたし、嬉しかったです。花吹雪を浴びる卒業式なんてもう二度とないと思います」と笑顔。丸山校長は「いつもと違う式にならざるを得ないなら、いつもと違う、心温まることをしようと思った。小学校最後の思い出として残ってくれれば」と花道で卒業生ひとり一人と握手し、教え子を激励していた。

国重要文化財となる本ノ木遺跡出土物(津南町教育委員会提供、小川忠博さん撮影)

昨秋に国史跡、さらに出土物1296点が国重要文化財となる津南町の本ノ木遺跡(24日)

「本ノ木論争」出土資料 国重文

石器や土器など1296点を指定答申 津南町

 あの『本ノ木論争』を生み出した出土物が国重要文化財となる。国の文化財審議会は19日、津南町本ノ木遺跡出土品1296点を国重要文化財に指定するよう文部科学大臣に答申した。津南町の考古資料の重要文化財指定は、堂平遺跡出土物の深鉢型土器2点(2006年)が指定されて以来、14年振り2例目。なお新たな重文が出土した本ノ木遺跡は昨秋に「本ノ木・田沢遺跡群」として国指定史跡となっており、その希少性が改めて研究者の注目を集めている。東京国立博物館では新たな国宝・重文を飾る企画展「新指定展」を4月21日〜5月10日に開催予定で、本ノ木遺跡出土物も展示される。

 本ノ木遺跡出土品は石器1214点、土器片66点、剥片9点、石核7点。石器には特徴的な細身の柳葉型の尖頭器(石槍)で『本ノ木型』と言われるものから、横幅の大きいものから多様に出土。同遺跡は64年前の昭和31年(1956年)とその翌年に第一〜二次調査が行われ、旧石器時代の尖頭器と縄文土器が一緒に出土したことから縄文時代草創期の始まりを巡る『本ノ木論争』が勃発したことで知られ、未だに結論は出ていない。一方、2006年から8年間かけ國學院大と津南町教育委員会が同遺跡を再調査し報告書を作成。2017年には第一〜二次調査の出土物を保管していた千葉大から町に出土物が返還され、現在は町教委で保管している。

 全国でも出土例はまだ少ない、約1万5千年前の縄文草創期遺跡である本ノ木遺跡。出土の石橋は製作の初期工程のものはないが、完成品や半加工の未製品、破損品があることから、外部から持ち込みがあった石器の仕上げ工程を行った加工場と考えられている。國學院大学生時代から同遺跡調査に関わる町教委・今井哲哉学芸員は「国指定史跡、そして今回の本ノ木遺跡出土物の国重文指定。縄文時代の始まりを研究するのに欠かせないものということを評価頂いた。町としては二つの指定を受け、縄文文化の始まりを象徴する遺跡として、活用を考えたい」と話す。町民俗資料館で同遺跡出土物は5月以降に展示予定だ。

 

2020年3月21日(土)

 関越高速道と北陸自動車道を結び、災害時の避難道路や物資搬送など緊急道路ルートとして重要視する高規格道・上越魚沼快速道の『十日町道路』は1月16日、担当する国交省長岡国道事務所がルート公表し、今年はそのルートの中心線を決め、具体的にどこを通るかが決まる。国道117号との接続箇所にハーフインター(六日町方面)、その先の信濃川寄りに「十日町インター」が設置される。その先は長大橋で信濃川を渡河し、市内吉田地区に入り、国道253号に接続する。信濃川を渡河後の吉田地区では、「ここにもインターを」と『十日町西インター』設置を求める動きが、地元で始まっている。十日町市議会一般質問で明らかになった。

十日町道路『十日町西インター』構想浮上

高規格道 吉田地区・地元推進組織立ち上げ

「千載一隅のチャンス」

 吉田地区自治振興会では、すでに各集落代表によるインター推進組織を立ち上げ、今後十日町地域振興局や市と話し合い、取り組みの進め方などを協議する方針だ。地元関係者は取材に対し「十日町地域振興局や市と取り組み方針を話し合ってからでないと、地元としては具体的な話はできない」としている。

 市議会一般質問で川西地域の星名大輔市議は「十日町インターの信濃川対岸にもインターができれば交通ネットワーク整備がさらに進むことになる。平成8年頃にも構想があったと聞く。今回、ルート決定を受ける形で吉田地区自治振興会は2月21日、吉田地区にインターをという住民運動を立ち上げている」と地元の動きを取り上げ、市の対応を迫った。  

 これに対し関口市長は「信濃川の対岸地区と往来できるインター設置は、示された計画にはないが、吉田地区の皆さんから要望があることは承知している」。さらに「十日町道路で信濃川を渡河し両地区間を往来できることは、防災面や利用者の利便性など多くのメリットが期待される。今後市民ニーズなど踏まえ、計画主体の国交省や新潟県と連携していきたい」と方針を話している。また関口市長は「十日町道路は国道253号のバイパスであり、その253号の起点から終点まで指定された意義は大きく、(吉田地区の要望は)十日町西インターとなるが、地域の人が心を一つに取り組むことは意義あること。市も地域と共に国や県に要請していきたい」と積極姿勢を見せている。

 吉田地区が求める『西インター』誘致は、同地域の地域づくりにもつながる。人口減少する同地区の再興活動にインター設置運動を連動させ、地域あげての取り組みにしたい方針。3年前に県道バイパス沿いにオープンしたそば店・ABUZAKAの市内外からの誘客効果が具体化しており、地域農産物や交流拠点などインター設置運動と関連づけ、「千載一隅のチャンス」として地域づくり活動として取り組みたい意向で、今後の誘致運動の具体化に大きな関心が集まる。

    ▽▽▽

 十日町道路は、3年前に供用開始した八箇峠道路の上越方面への延長ルートで、八箇インターから道なりに直進しトンネル(1・17㌔)に入り、池之平地区で橋から再びトンネル(2・38㌔)で、麻畑地区で開口部に出て橋となり、すぐに再びトンネル(1・44㌔)に入り、そのまま伊達に抜け、高架のまま国道117号(六日町方面ハーフインター)とJR飯山線をまたぎ、小黒沢エリアに十日町インターを設置し、高架のまま信濃川を渡河し、高島地域でトンネル(1・31㌔)に入り、国道253号・鐙坂トンネルと名ヶ山トンネルに中間で同国道に接続する。このためトンネル4ヵ所6・3㌔(全長の58%)、橋梁7橋1・9㌔(同18%)となるルート。十日町市は4月以降、十日町インター周辺土地利用の検討を地元と共に研究検討する組織を立ち上げる方針だ。

除染土再利用「再考を」、全会一致で意見書

津南町議会、議員発議で国提出

​放射能レベル不明確、農地投入の懸念も

 来月1日が省令施行とされる福島第1原発事故により放射性物質汚染された除染土を再利用する国の省令に対し、津南町議会は13日の本会議で「除染土再利用の省令案の再考を求める意見書」提出の議員発議を全会一致で決め、今月中に安倍晋三・内閣総理大臣と小泉進次郎・環境大臣に提出する。同省令を問題視する意見書提出は、議員発議した小木曽茂子町議によると全国的に初と見られており、今後、世界最大級の柏崎刈羽原発が立地する新潟県内の他の自治体にどう広がるか関心が集まる。

 議員発議で小木曽町議は、「福島第1原発事故で飛散した放射性物質で汚染された土は、危険だからと除去されたもの。それを再利用するということ、そうした考え自体が危険なことであり、危険だから除去した土を再利用するなどあり得ないこと」と国の姿勢を厳しく指摘。さらに「農地で実証実験した安全性を公表しているが、散布した除染土の上に50㌢の覆土をするというが、耕地が災害などで掘り返される可能性もありあまりにも危険性が高い。さらに再利用する除染土の放射能レベルの表示もなく、除染土に何が含まれているか分からない。農地に投入されたら歯止めがかからない」と危険性を強調。

 原発関係に詳しい小木曽町議はさらに「危険とされる放射能の世界的な知見は100Bq/㎏以下。だが日本は8000Bq/㎏という。これでは世界中の原発廃棄物が日本に持ち込まれる。福島第1原発事故で出てしまった放射性物質は移動しない事が第一。それを原発設置を許可した国と事業者の東京電力が責任を持って放射能レベルが減退するまで保管するべき」と話し、除染土の再利用は放射性物質の拡散につながり、放射能被爆の危険性を全国に拡散することになるとする。発議採決は全員賛成で決議した。

クラフトビール製造に取り組む岩田社長(右)と樋口副代表

異端のビール、十日町から発信 醸燻酒類研究所

情報通信技術で味覚のシステム化も

 クラフトビール(地ビール)界の異端児と呼ばれる海外のビール製造所に熱い思いを抱いた十日町市の幼なじみの青年ふたりが昨年6月、醸燻酒類研究所(ジョークンビールラボ)を創業。ことし5月の連休にはタップルーム(工場内バー)を開業し、7月には自家製造のクラフトビールの販売にこぎつける予定だ。一方でICT(情報通信技術)を活用した新たな味や香りなどの研究にも取り組む方針で、同社では「地元に愛されるビールを造り、またAI技術を活用して味覚を可視化、小規模メーカーの支援にも取り組みたい」としている。

 創業したのは、保育園から中学まで中条地区で一緒だったという岩田貴之社長(32)と樋口啓太副代表(32)。岩田社長がビールを製造、樋口副代表がICTを活用した味覚のシステム開発を行う。製造するクラフトビールは一般的なビール製造中に再び麦芽を加える製法で、香りや甘みが強調された濁りビールとなる。日本酒に例えると『にごり酒』といったところだ。

 製造担当の岩田社長は、北里大学保健衛生専門学院で管理栄養士の資格を取得。海外地ビール「パンクIPA」に出会って感動、クラフトビールと燻製の組み合わせを追求するため、南魚沼市の醸造所・ストレンジブルーイングで醸造研修を積んだ。

 一方、ICT技術でクラフトビールのシステム開発をめざす樋口副代表は、金沢工業大学を卒業後、東京大学学際情報学府で修士・博士課程を修了。東京大学生産技術研究所で特任助教と特任講師を歴任。アメリカ留学中にクラフトビール文化に魅了された。今後、都内のベンチャー企業に勤務しながら進めるという。

 事業所は市内5丁目の空き店舗。初期投資は約2800万円で、市の創業支援事業を導入した。1階に300㍑用の発酵タンク5本を設置し、当面は年間6000㍑を製造する。また飲食店を併設し、クラフトビールと燻製を味わえるスペースを設ける。来年5月期の売上高1500万円を見込んでいる。

 すでに南魚の工場で製造した新作ビールを昨年12月と今年2月に都内で、十日町雪まつりでも節季市会場で提供、好評を得て自信を深めた。

 岩田社長は「これまでと全く違う、甘みと香りが強い濁りビールを提供します。自由なスタイルのビール文化を浸透させ、地域活性化にもつなげていきたい」と話している。

十日町市本町5丁目でクラフトビールを製造する醸燻酒類研究所

 

 過去30年間の平均積雪が3㍍を超え、人口減少率と高齢化率が高く、年間出生率が低い豪雪地の典型といえる『松之山』をフィールドに4年かがりで調査し、その実情分析で「豪雪地のあり方と未来」を住民の声や思いと共にリポートする報告集『豪雪を超えて生きるー十日町市松之山、雪アンケート調査から見えてきたもの』を、地域密着で調査分析活動する「十日町・津南地域自治研究所」が今月発行した。14日の発行説明会で同研究所・齋木文夫所長は「積雪地の未来が見えてきた。それはこの地に暮らし続ける未来である」と語る。報告集では同地での暮らしに魅力を生み出している住人、移住者の地域活動、さらに住民生活を支える行政力の実効性への提言などを取り上げ、「豪雪地の未来」の可能性を示唆している。

豪雪地の未来、暮らし続ける

自治研が報告集「松之山リポート」、貴重な提言も

 2008年設立の同研究所(会員40人)。2017年の研究対象を積雪地の人口減少問題に絞り調査を開始。象徴的な地域として松之山を研究テーマにした。過去平均積雪が3㍍超え、人口はピーク時から8割余も減少(2015年国勢調査2073人)、高齢化率51%超など豪雪地の典型とみる。同研究所は「先ず実態を知ること」と2017年、松之山全世帯対象の「雪アンケート」を新潟大むらづくり研究会・伊藤亮司研究室と連携して実施。「雪」は松之山生活に深く関わるため、雪の処理、雪関係の困り事、雪の楽しみ、雪との暮らしなど全781世帯対象に行い50%超の回答を得た。集計結果報告と共に多数の意見も掲載。「豪雪は過疎化の要因になっているが、自然豊かな『故郷』に住みたい若者はいる」など新たな雪国住人への視点も見られる。

 さらに行政力のあり方も調査。いまでは豪雪地を支援する県事業になっている『冬季保安要員制度』は、当時の松之山町の訴えが県を動かし、県制度になった経過を紹介。前十日町市議(元松之山町議)村山邦一氏が報告集で記す。冬場の「出稼ぎ」が当たり前の昭和40年代「留守家族の難儀や心配を少しでも軽くできないかとの思いから出たのが『冬季保安要員制度』でした」。昭和50年・1975年12月、制度が県条例化された。

 一方で雪処理の行政対応で隣県・栄村の「雪害対策救助員制度」を紹介。担当した桑原加代子事務局長は「全国を調べたが栄村の制度がもっとも充実している」と、実証的に十日町市・津南町を該当し試算的な実現性を数値を示し提言している。

 40年余前から栄村が取り組む同制度は「村決算額の1%」を予算化し、2018年実績では冬季雇用20人体制で除雪対象世帯155戸を支援。事業費3584万円で除排雪。報告集では試算し、十日町市は要員285人、3億9650万円(同年除雪費18億4691万円)、津南町は要員60人、6700万円(同1億6610万円)など行政の除雪コスト軽減を示し、加え冬季雇用拡大につながるとする。

 調査活動、報告集まとめに連携した新潟大まちづくり研究会の伊藤亮司助教は「松之山の暮らしとその課題を考えることは、積雪地域全体の地域住民の生活を考えることであり、それがそのまま地域づくりであり、まちづくりになる。一方でアンケートの意見にもあるが、雪は資源、財産ということを今冬の少雪は実証している」、さらに「松之山を維持することは、この国全体を守る事にもなる。その意味でも貴重な報告集だ」と評価する。調査活動に参加の学生は今期卒業を迎え、調査活動を契機に卒論で扱った学生もおり、伊藤助教は「今後、この報告集をゼミ活動に活用していく」とする。

    ◎ 

 『豪雪を超えて生きる』(十日町・津南地域自治研究所、2008年設立)限定千部、1冊千円(税込)。十日町市の各公民館、十日町情報館、津南町公民館、栄村公民館などで扱っている。連絡先・齋木所長℡090-4946-7570、桑原加代子事務局長℡090-4674-8486。

報告集発行を発表する自治研・​齋木文夫所長(右、14日)

めごらんど(右黄色建物)近くに造成中の野外広場。防災拠点にもなる

子どもの遊び拠点、防災拠点にも

めごらんど、夏オープンの野外広場

​芝生下に貯水タンク、炊き出し準備、日除けテントも

 多くの要望に応え完成した屋内こども施設・児童センター「めごらんど」は昨年8月オープン。子どもの遊びの拠点と共に、隣接に造成中の広場が防災対応の場になり新たな野外拠点が誕生する。めごらんどは先月末で約3万人が利用。市外が3割近くで広域利用されている。特に南魚沼市と津南町の利用者が多く市外利用の半分余りで近隣地域の人気スポットになっている。市では年間6万人の利用を見込む。今月9日の市議会、太田祐子氏の一般質問で明らかになった。

 めごらんどは旧青少年ホーム跡地、すでに解体した市民体育館近くに事業費6億円余で建設。総床面積1516平方㍍でスライダーやボールプールなど様々な遊具が揃う「あそび広場」、ミニ体育館として利用できる「うんどう広場」、乳幼児が親と遊べる「はいはい広場」、さらに飲食ができる「こうりゅう広場」、勉強や読書などできる会議室など多様なニーズに対応する施設だ。

 隣接地で整備が進む野外広場は解体した市民体育館と市民会館跡地に造成する。芝生広場、日よけテント、そりゲレンデ(冬季)、健康遊具、トイレなどで同広場は防災対応も整備。芝生広場地下に100㌧貯水タンクを埋め込み、災害時に煮炊きできる「カマドベンチ」も設置し、同広場がそのまま防災・避難場所に活用できる設備を整える。野外広場は夏休み前オープンの予定。さらに芝生広場には日本さくらの会寄贈の桜18本を植栽する計画だ。

 めごらんどは2月末で2万9594人利用。市外7871人(約27%)、うち南魚沼市2259人、津南町1340人。年代別で3歳以上就学前7645人(全体の約26%)が最多。小学生5051人(同17%)、2歳以下4427人、中高生150人など。一日最多入場は昨年10月14日(振替休日)の640人。靴箱が不足したが混雑感はあまりなかったという。大島満センター長は「雨や雪の日は利用が少なめで、ここに来る移動手段がなく、親が来ないと来られないようです。最近、滞在時間が長くなり多くが来場すると混在する可能性もあります」とする。毎週木曜が休館。朝9時開館で小学生以下は親同伴。利用は無料。新年度からセンター長、副センター長、委託職員3人の5人体制で運営。めごらんど℡025-761-7707。

空間利用の遊具など人気の「めごらんど」

保育園増築予算の議会審議を見守る傍聴者(13日、議場で)

保育園増築可決、検討委でプラン協議

議員提案の修正案可決、「さらに分断深める」

 保育園再編統合を進める園舎増築予算を含む津南町新年度予算案は13日、議会本会議で審議し、増築予算を問題視し、削除する「修正予算」を議員提案したが、反対多数で修正案は否決され新年度予算案は原案通り可決した。保育園再編を支持する園児保護者や増築予算を問題視する住民グループ関係者で満席の傍聴席が見守るなか、原案と修正予算案をめぐり7人が2時間に渡り質疑し、採決は修正案賛成4人・反対9人で否決され原案を可決。採決後、桑原町長は「国全体で少子化が進むなか、現役世代の定住と仕事創出により住み続けられるまちづくりのためにも、子育て世代が安心できる魅力ある保育園づくりに取り組みたい」と語った。一方で原案を問題視する住民からは「これまでの保育行政の反省を踏まえるなら、こうした1園化の再編には向かわないはず。基本的な部分が違う」と議会判断を疑問視している。

 保育園増築予算案は、町中央の「ひまわり保育園」に併設する増築園舎の設計費と園庭整備の6632万円を計上。町教委は現ひまわり園舎を4、5歳100人規模、新園舎を未満児、3歳児150人規模の250人定員を想定。これに対し修正案は「町の説明不足で町内の意見は二分している。このまま予算執行することはさらに住民を混乱させ分断することになる。一度立ち止まり、もっと議論を尽くすべきだ」と修正動議を提案の石田タマエ町議は説明。これに対し原案賛成の町議から「先ずは若い世代の保護者の声を聞くべき。このままでは若者が定住しなくなる」や「保育士不足は全国の問題。再編で保育士に余裕ができ、土曜休日・早朝延長保育にも対応できる」など再編統合の必要性を強調する。

 これに対し、修正予算提出の石田町議は「1園化は現場の保育士に無理がかかる。これまでの経過から町民との信頼関係が損なわれている。その意見の違いを町長は自ら出向き聞く姿勢が必要。このまま予算執行すると、さらに住民の意見の分断が深まる。ここは一度立ち止まり、時間をかけた取り組みが必要」と、重ねて町の執行姿勢を指摘し、再考を求めた。

 約2時間、質疑と討論を行い、満席の傍聴者が見守るなか起立採決を行い、「修正案賛成4」「反対9」で修正案は否決され、原案通り新年度予算が可決した。再編を問題視する、より良い保育を進める町民の会・大島知美代表は「これまでの保育の反省を踏まえるなら、一園化のような管理保育ではない保育のあり方の実現に向かうはず。基本部分が違う」と傍聴後に話した。一方、子どもの育ちを想う会・江村大輔共同代表は「保護者の声を受けてくれた結果として心強かった。修正動議は保護者から見ると、子どもたちのための発言なのかという疑問を傍聴の保護者は抱いた。今後作られる検討委員会に保護者代表を入れてほしいし、想う会として今後も上郷やわかばの保護者の皆さんと意見交換の場を続けていきたい」と話す。

 町教委は予算可決を受け、設計委託の手続きに入るが、その前にこれまで出た意見をどう設計に反映するかなど検討委員会を立ち上げ、設計発注に反映させる方針だ。

新型コロナウイルスの影響で有志で行った「3・12復興灯明祭」(12日夜、森地区で)

忘れてはいけない『3・12』

 震度6強の激震が県境の栄村を襲い、災害関連死3人、民家全半壊202棟の大被害をもたらした新潟長野県境地震から丸9年の3月12日。JR森宮野原駅前で同日夜に復興灯明祭が行われ、今年も『3・12栄村』の文字を浮かび上がらせ、黙とうを捧げた。

新型コロナウイルスによる感染拡大防止でいったんは中止と決まったものの、「忘れてはならない日」と地元有志や震災時に関わった災害ボランティアら10人余が自主開催の形でキャンドル5百本を雪壁に置き開催。有志代表のひとり、森商工振興会長の齋藤龍男さん(76)は地震前は森地区で商店を営んでいたが被災、母子2人で復興住宅に入ったが今年に入り相次ぎ亡くなったことに触れ「地元で商売をやっていた2人。心労など考えるとこれも震災の関連死と言えると思う。やはりこの日を風化させてはいけない」と語った。

 地元の幼馴染4人で来訪したひとり、長野高専4年生の山田匡馬さん(19)。震災時は10歳の小学5年生。「すごく揺れて当時の家がガラスが壊れたりした。近くの中条橋が落ちたのも驚きました。地震から10年の来年は一つの区切りなので、またこの祭に来ます」と話した。

2020年3月14日(土)

いまだ50センチ余の雪があるニュー・グリーンピア津南。だがスキー団体の多くがキャンセル。大きな影響が出ている(13日)

​観光業の業績悪化深刻

地域経済を直撃、すでに5億円超 

新型コロナ感染不安、「人が動かない」 妻有新聞社調べ概要

宿泊キャンセル続出、前年比半減以下

共立観光 「観光キャンセル1億円以上にも」

商店街の人出も減少し、人通りが少ない商店街(12日、十日町市本町で)

 新型コロナウイルスの感染拡大不安が地域経済を直撃し、観光業はじめ飲食など地元産業に大きな影響を及ぼし、妻有新聞社による13日までの主要施設取材では5億円を上回る損害が発生していることが分かった。特に宿泊キャンセルが大きく、ニュー・グリーンピア津南の約2億円、旅行会社・共立観光の約1億円、ベルナティオの約4500万円、さらに地元温泉施設、飲食関係など3億円近い影響額となっている。

 観光業は一段と深刻だ。南魚沼市と新潟市に支店を置く十日町市の共立観光は、新型コロナの感染が広がり始めた2月中旬から春休みを利用した個人旅行のキャンセルが増え始め、4月までの間、中学校の修学旅行を含め、人数は約3千人、延期は約1500人に上り、個人・団体を合わせその額は1億円を超えるという。一方、中学の修学旅行は24校を担当しているが軒並み延期の方針が示され、「秋は高校の修学旅行と重なり、旅館の手配も難しくなる。よい思い出にしてもらうためにも最高の準備をしたいが…。それにしても厳しい状況。東京オリンピック・パラリンピックが予定通り開かれるかも心配」と頭を抱えている。

ニュー・グリーンピア津南 「キャンセル続出、2億円余減収に」

 津南町で最も外から来客があるニュー・グリーンピア津南。2月20日頃から宿泊キャンセルが相次ぎ、東京や千葉などの高校スキー合宿など団体が来町を取りやめ。今月5〜8日は奈良市の高校が貸切で来訪予定だったがキャンセルとなり、急きょ経費削減のため同期間を臨時休館。4月も関東圏高校オリエンテーションが5校余入っていたがキャンセル。4月も含め団体客利用が見込めない状況が続いている。4月までの減収は2億円余に上るとみられ、苦しい経営を強いられている。

 同津南の昨年3月の売り上げは約1億4千万円。樋口明社長は「今年3月の売り上げ予測は3千万円に届くかどうか」と例年に比べ8割もの減収になっている状況を明かす。一方、団体キャンセルが入りつつある4月は「あまり人が動かない時期だが、昨年約6千万円あった売り上げが、今年は数百万円に落ちるだろう。2月からのキャンセルなどと合わせると、この2〜4月で2億円に近い減収になる」と見通しを示す。

 宿泊は現在、平日は一般客が平日40〜60人宿泊、週末は2百人台が来訪しているが「リスクを考え心理的に人が動かなくなっている。ゴールデンウィークに影響が出てくると営業的にかなりきつい。ただ今は耐えるしかないのが現状」。9日からは経費節約のため東館の使用をストップ、本館のみで営業を行うなど、「やれることをやるしかない」と話している。

ベルナティオ 「稼働率60%に抑え、減収4500万円」

 ベルナティオでは当面、今月4〜15日まで「特別警戒態勢」を実施。宿泊人数の制限と使用客室の間隔をあけ、550室のうち稼働率を満室時の60%程度に抑えている。春休み期間は例年だと満室状態だが、これに伴う減収は4500万円余りに上るとみている。

 同ホテルでは感染対策として全客室をアルコール消毒するなど、入念な清掃を実施、パブリックスペースにも加湿器を備えた。一方、首都圏直行バス、ホテルシャトルバス、さらにホテル発着バスツアーについて、出発前のアルコール消毒、マスク携帯、検温器を導入。バイキングレストランについても一部、二部の入れ替え制にし、入れ替わり時に換気やアルコール消毒を行うなど、スタッフを含め徹底した消毒体制を取っている。同ホテル・マーケティング部では「厳しいのは仕方ない。こうした時期だからこそお客様の満足度アップをとピアノ演奏など行い、明るい雰囲気づくりに努めています」と話している。

ラポート十日町 「宴会8割取り消し、JTBも打撃」

 「今までにない、辛い経験」—。ラポート十日町(柄澤和久社長)は新年度を迎える3月から苦戦を強いられている。宴会部門は毎年3月期に大小合わせ歓送迎会など130件ほどの宴会を受注しているが、今年は先月24日の安倍首相の政府基本方針要請後、大きい宴会を中心にその8割がキャンセルに。金額的には約2千万円の損失となる見通し。3月期の婚礼も延期の申し入れが相次いでいる。また同様にレストラン部門、花部門の売上も減少が続いている。

 また同社で取り扱う旅行業務(JTB、らぽーとランド内)は3月期の団体旅行はほぼ100%に近いキャンセル。個人旅行受注面も、キャンセルされると見られ、総額数千万円に上る損失が見込まれている。同社の村山正之専務は「今回は収束がいつになるのか見通しが立たない辛い経験。今は早期の収束を願い、イメージ戦略を継続していくのが効果的では」と対策を練っている。

ひなの宿千歳 「4月は予約70%減、資金援助を要望」

 十日町市松之山温泉・ひなの宿ちとせ(柳一成社長)は2月、政府の新型コロナウィルス感染拡大対策基本方針の要請までは、アメリカ、シンガポール、台湾などからの集客数が伸びを見せ、インバウンド効果により例年になく好調だった。しかしその日を境に宿泊キャンセルが相次ぎ、様相は一転した。先月24日以降、宿泊客172人、3月は271人のキャンセルが発生。予約前年比で2月期12%、3月期40%、4月期70%、5月期53%と減少が見込まれる。

 同館では、安心して利用できる環境を提供することをホームページやSNSで発信しているが、収束の見通しが効かないのが現状で、組合を通じ国や県、市に資金援助の要望書を提出するなど活動している。

森宮観光 「バスツアー催行​積極募集難しい」

 地元発のバスでの国内旅行「ゆうあいツアー」が20周年を迎えている森宮観光。新型コロナウィルスの影響でつなん雪まつりツアーはすべてキャンセル。一般参加の宿泊・日帰りプランも申込者が少なく、4月10日までのツアーはすべて催行中止となるなど影響。人気演歌歌手のコンサートツアーも大勢の申込みがあったが、主催者側による中止判断で取りやめになったケースも。山岸博之社長は「団体の申込みがまとまってキャンセルとなっている。これが5、6月まで続くと厳しい。今後どうなるか先行きが見えず、積極的にツアー募集をかけてみようがないのが現状」と苦しい状況を話している。

千年の湯 「入湯3客割減、休業の心配も」

 濃厚接触の回避が叫ばれ、地元の温泉にも影響が出ている。平日でも1日平均490人余りの入湯客が訪れる千手温泉・千年の湯では、今月に入ってから客数が落ち、現在は350人程度となっている。この時期は町内会の引き渡しなどで小部屋の利用も多く、例年だと延べ百件ほどあったが、今年は予約も入らない状態。運営するまちづくり川西の山岸益雄専務は「感染収束の見通しが見えず、さらに落ち込むのではと心配。ひだまりプールの教室もストップしている。休業だけは避けたいが…」と不安を口にしている

津南町旅館 「イベント中止、宿泊客大幅減」

 旅館業は厳しい。14日の第44回つなん雪まつりの中止を受け、町内旅館はほぼ満館だった宿泊者がキャンセル。加えて3月は歓送迎会の時期でもあり、団体の日帰り宴会なども4月にかけ中止や延期な状況。法事なども見合わせるケースが増えている。町旅館組合・山岸祐二組合長は「雪花火、雪まつりとイベント目的の宿泊客が来なくなり影響は大きい。団体の宴会も自粛。ただ一般の方はこういう状況でも来てくれる方がおり、お客様が来てくれるありがたさを改めて実感している」と話す。加えて「経営面では厳しいが、この機会に経営の合理化など足元を見直す機会と捉えたい。ただ、5月の連休まで影響が長引かないことを願うしかない」としている。

中条温泉トマトの国 「雪まつりなく200万円損失」

 栄村の観光施設も同様だ。中条温泉・トマトの国は、新型コロナウィルスによる感染拡大防止呼びかけがあった2月末から団体予約が減少。栄村と交流ある中国・蘇州市からの一行の来村の中止に。さらに今月7日のさかえ雪ん子まつり、14日のつなん雪まつりも中止となり、満室だった宿泊予約はキャンセル。同国を経営する企業組合ぬくもり・関谷聰代表理事は「本来は歓送迎会や総会シーズンで宴会も多い3月だが、キャンセルで2百万円ぐらいの損失が出ている。新型コロナの影響が長引くと死活問題。5月の連休まで続かないことを祈るしかない」。一方で、何らかの利用アピール方法も現在検討中だ。

津南町飲食店 「歓送迎会や法事、中止や延期続く」

 飲食業も学校関係者や会社などの歓送迎会など、宴会の中止・延期が相次いでいる。法事関係も4月以降に先送りとなり、人の動きは減っている。寿司割烹・松海の桑原亮店主は「こういう状況なので団体キャンセルはどうしようもない。2月末から売上げは下がり、3月は昨年の3割減くらいに収まれば御の字。ただ個人で動いてくれる方はいるので、飲食店としてやれることをやるしかない」と話している。

震災を忘れない、3.11に追悼

 ○…「あの日から9年。決して忘れない」—。2011年3月11日発生の東日本大震災と翌12日の長野県北部地震を忘れてはならないと11日夕、市民交流センター・分じろうで市民ら10人余りがキャンドルを灯し、震災犠牲者に哀悼の意を表し黙とうした。

 ○…震災の日に合わせ毎年、NPO市民活動ネットワークひとサポ(綿貫文人理事長)が追悼セレモニーを開いてきたが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止。しかし、何とか哀悼の気持ちを表したいとひとサポスタッフの有志だけで実施。キャンドル100本余りを灯した。震災4ヵ月後から宮城・石巻で何度もボラ活動してきた樋口道子さん(73)は「この震災を忘れてはなりません。後世に伝えていかなければ」と話し、渡貫理事長は「震災はもちろん、新型コロナウイルスの早期終息も願いました」と話した。

「震災を忘れない」とキャンドルを灯すひとサポのスタッフら(11日)

地元自治体へ移管が示される県立松代病院。「過疎医療の拠点」は必要だ

 昨年11月、新潟県の諮問機関「県立病院経営委員会」が提言した県立病院の見直し案に対し、県は2月10日、今後の県立病院のあり方を示し、昨年の同委員会提言に沿う形で基本方針を示している。この県の姿勢に対して十日町市の関口芳史市長は9日の市議会一般質問で、「年末の地元要望が無視された。残念だ。県はまず赤字脱却の対応策を示すべきで、いきなり市に病院経営を押しつけるなど、到底受け入れられない」と強い口調で県の姿勢を批判した。滝沢繁氏の質問に答えた。

「県は赤字脱却策を示すべき」、関口市長憤慨

県立松代病院の地元移管方針に、地元「署名運動を」

 「松代病院は心の拠り所だ。なんとしても残してほしいと、住民の多数の声が届いている。バス通院などできないお年寄りが多数だ。ここで一生を終わりたいというお年寄りの声もある」と、地元の切実な声を代弁した滝沢氏の質問に、関口市長が答えた。

 昨年11月15日、県立病院経営委員会は県病院局に対し「同一地内に複数の県立病院がある場合の再編統合や回復機能が中心である病院は、市町村へ譲渡する」などと運営見直しの検討を求める提言を提出。この中に松代病院が入った。

 これに対し十日町市は、地元代表と共に昨年12月27日、県病院局が同委員会提示を受けて基本方針を示す前に、知事や病院局長に対し『松代病院の県立官営の継続、医師確保』などを直接要請した。だが、県病院局は2月10日、県立病院の今後のあり方を示し、それは経営委員会の提言とそこに付帯された意見を尊重する形になっており「松代病院は市町村主体の運営を前提に協議を進める」となっていた。

 関口市長は「十日町市の年末の要望は全く無視された。反映されていない。非常に残念だ」と県の姿勢を批判。さらに「県立松代病院は、私は先ず県において、これまでの県立病院経営の検証を行い、経営の改革、さらに赤字脱却に向けた対応策を先に示すべきであり、財政難を理由にいきなり市に病院経営を押しつけるなどというやり方はありえない、到底受け入れることはできない」と、県提示の市町村移管は受け入れず、病院経営の検証と赤字解消策の提示を強く求めている。これに対し滝沢市議は「署名運動など地域あげて取り組む必要がある」と述べた。

戦前まで酒造していた地酒「松風」を下川手集落が復活させた(下川手集会所で)

地酒『松風』、住民の想いで復活

松之山下川手集落が2年かけ

 戦前の地酒『松風』が復活した。美人林が佇む、十日町市松之山の下川手集落(27世帯)。明治初期〜昭和12年頃まで、地元にあった松之山酒造が地酒『松風』を醸造。いまも瓶のラベルや徳利などが残る。このかつてあった地酒を復活させようと地元住民が動き、このほど完成。お披露目会は先月23日同集落集会所で開き、関係者ら40人余が参集。できたばかりの無濾過生酒・特別純米酒『松風』を飲み「甘めで飲みやすい」などと舌鼓を打ちながら郷土の地酒復活を祝った。同酒は坂口安吾が愛した酒『越の露』を2年前に復活させた新潟第一酒造(上越市)に依頼し完成。720㍉㍑4百本(販売価格1700円・税込)、1・8㍑80本(同3500円)の限定品。大棟山美術博物館で販売している。

 下川手集落では、地域活性化を考えるプロジェクトチームを作り、その中で「元々地域にあった『松風』を復活させよう」と案が出て2年前から動き出した。酒米は地元産五百万石を使用。瓶には美人林の間伐材を使ったアクセサリも添付。製作費用約30万円はすべて地元の独自財源。酒作りプロジェクトチーム代表の福原論祐さん(61)は「集落の特産品を考えた時、『松風』は地域の貴重な地域資源と感じた。この酒が広く知れ渡り、アクセサリも自分たちで作れるようになれば活性化に繋がる。将来的には温泉街でも使って貰えるようになれば」と話す。

 『松風』のラベルは、伊沢和紙工房の和紙を使用。揮毫をしたのは地元の柳久作さん(91)。『松風』そのものを飲んだ住民はもういないが、幼い頃学校帰りに蔵で酒粕を食べた記憶がある唯一の住民。「自分が書いた字が商品に使われるのは嬉しいね。この酒が下川手の元気に繋がるといいな」とにっこり。一方、お披露目会には下川手集落出身者らで作るふるさと会『下川手松風会』の会員も参加。会長の久保田秀勝さん(76、船橋市)は「37年目の会だが、名称は大先輩が『松風の酒を忘れることはできない』と言うことでこの名になった。この酒が大いに発展し日本に一石を投じるようになればと思う」と期待した。

 同酒の問い合わせは福原さん℡090‐1033‐0113。

 

 来月21日告示、26日投票の栄村長選。告示まで1ヵ月余に迫るが、ここにも新型コロナウイルスの影響がおよび、後援会活動が大きく制約されている。2期目の現職に挑む新人後援会は、今月中に重点的に行う予定だった集落座談会を延期するなど大幅な変更を余儀なくされている。関係者は「人が集まる場を設けることができず、直接本人の言葉を聞いてもらえない。今後の様子を見るしかない」と困惑している。

選挙戦にも影響、「活動ができない」 栄村長選挙

現職・新人一騎打ち濃厚、集落懇談や集会開けず

 今度の村長選は、現職で2期めざす森川浩市村長(60)に、前村教育長・宮川幹雄氏(66)が挑戦する現職と新人の一騎打ちが濃厚になっている。森川村長は今年1月4日の後援会新春の集いで、「この4年間、種を撒いてきたが、まだ花を咲かせていない事業がある。皆さんの協力で花を咲かせ、新たな種を撒きたい」と事実上の再出馬を表明。森川後援会『明るい元気な村づくりの会』(森川价政会長)を主体に活動し先月27日、4年前の前回と同場所のJR飯山線・宮野原駅前に事務所を開設。先週末、後援会資料『森川こういちのお約束』を手配りし、「住民が主人公の村づくり」や「開かれた村政運営を」など政策理念をあげ、「役所の人材育成」など8分野の具体的な政策項目を掲げている。

 森川村長はこの4年間、毎年1月初めの後援会新春の集いのほか農業者や若者世代、女性グループ、子育て世代などと懇談会を重ね政策に反映している。後援会幹部は「新型コロナで後援会活動がなかなかできない」としながらも、「(相手は)政策の違いがあるから出るのだろうが、それが全く見えない」と新人の動きを疑問視する。配布の政策チラシには6次産業をさらに発展させる『栄村総合株式会社』設立など具体策も見られ、後援会役員は「行政は継続が大切。2期目は実績」と話し、この4年間で培った国や県とのつながりが栄村づくりに必要と支援を呼びかけている。

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 一方、先月26日、村内月岡公民館で開いた準備会に出席の支持者30人余を前に、「優しい村政、公平で公正で偏りのない村政の実現をめざす」と出馬表明した新人の前村教育長・宮川幹雄氏。今月8日、後援会設立総会を50人規模で月岡公民館で予定したが、新型コロナ感染拡大を懸念して書面決済で後援会設立を決めた。後援会長は宮川氏の地元で元村課長の宮川吉郎氏(野田沢)。政治団体届出を行い、森宮野原駅前に仮設事務所を設置。役員会を重ね後援会組織を拡充し、東部地域の一部地区を除きほぼ全村で役員体制を作っている。

だが、新型コロナで後援会活動は大きく制約されている。今月中に予定した集落座談会はすべて延期し、後援会のチラシ配布活動に制約されている状態。後援会幹部は「宮川本人が自分の言葉で村の人たちと意見を交わす場を予定したが、これではどうしようもない。このまま長引けば、さらに大きな影響を受ける。なんとか今月中にメドがつくといいのだが」と困惑する。

 宮川後援会は今週初め後援会チラシ「宮川幹雄目標・未来につながる、むらづくり」を作成、手配りしている。村政課題の7項目で政策の一端を示している。スキー場の今後では「冬の栄村をプラス思考にさせる存在として存続します」、あるいは「村財政の適正化・行政組織の見直し」など、森川村政で問題視される部門などを取り上げ具体的な政策を示している。

 後援会では「支持して頂けるあらゆる方々や団体の応援を受けている。現職の村政を問題視する村民は多い。その多くの人たちの思いを具体化するのが宮川だ。集落懇談会は4月に入るかもしれないが、午前・午後・夜と一日3会場でも開いていく」と、文字通りの短期決戦に挑む構えだ。出馬は無所属でいく方針で「森川村政を問題視するすべての人たちを集結していきたい」と総力戦を全村に呼びかけている。

4部門で受賞した高木さん(8日、松代醸造場で)

コクとキレ、味で4部門受賞

ジャパン・グレートビア・アワーズで十日町妻有ビール

 日本地ビール協会の「ジャパン・グレートビア・アワーズ2020」で、十日町初のクラフトビール醸造会社「妻有ビール」(髙木千歩社長・市内太平)が出品した4種類のビールすべてが受賞。髙木さんは「出店を予定していた市内の冬イベントは軒並み中止で切なかったですが、その中での受賞は本当にありがたい。嬉しさもひとしおです」と笑顔を見せた。

 250種のビールが出品されて審査は先月29日と1日に都内で開催。「めでたしゴールデンエール」(オレンジ風味)がゴールデンエール部門で金賞、「豪雪ペールエール」(麦芽とホップの定番)がインターナショナルペールエール部門で銀賞、「玄武ポーター」(麦芽をロースト)がロブストポーター部門で銀賞、「十日町そばエール」(十日町産蕎麦使用)がフリースタイルダークエール部門で銅賞を獲得した。

 同社は、3種類のビールを2年前の十日町雪まつり広場で初出荷。イベント販売の他、妻有ビールを取り扱うレストランや旅館などは市内から県内、首都圏へと広がっている。工場ではグラウラー(専用瓶による量り売り)を始め地元の顧客も増えた。昨年6月には内閣府特命担当大臣から「女性のチャレンジ賞」が贈られた。

 初出荷から2周年を迎えた髙木社長は「地域に応援してもらい、ここまで来ることができたので皆さんに良い報告ができてよかったです」と感謝し「審査員からは一定の評価をもらったのだと思う。今後も様々な所に出品し外部から評価を受けて自分のビールを高め、地域の人に愛されるビールにしたいです」と目を輝かせていた。

2020年3月7日(土)

「感染不安」、地域活動ストップ 新型コロナ

小中高一斉休校、放課後クラブや学童で受入れ対応

 感染拡大の予防と住民への情報提供、不安対応のため津南町は先月28日午後3時20分、十日町市は29日午前10時、新型コロナウイルス感染症対応の警戒本部を設置。十日町市は4日、対策本部に格上げし、地域での感染拡大の場合の対応策などに乗り出している。

 さらに新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、国の要請を受け入れた小中学校・高校の授業休業が2日から始まっている。学童保育や放課後クラブで児童の預かり活動が続くが、支援スタッフは集団活動をさけるプログラムを組むなど感染予防に努める。担当スタッフからは「通常の学童保育と違い、検温や活動内容など、気を付けるところが多い」と気配りに努めている。

 『見えない相手』をどう予防するか、住民不安は広がり、市町村では広報無線や広報文書などで「手洗い」「せきエチケット」「人込みに行かない」「発熱時は検温する」「不安の時は医療機関、保健所に連絡を」などを呼びかけ、対策強化に乗り出している。

休校初日の2日、西小の一時預かり場所の図書館を訪れた児童たち

朝7時半から夕方6時半、15カ所で 中学修学旅行延期 国助成を要望

 十日町市は24日、関口市長を本部長に警戒本部対策本部に格上げし、3月定例議会開会中だが随時本部長会議を開き、情報収集と住民の不安対応などに乗出している。国の要請を受け入れ、2日から小中学校を休校にし、学童保育・放課後クラブを市内各所に開設し対応している。開設は春休みを含む新学期までを想定するが、感染拡大の場合、国県方針を受け、再検討する方針だ。

 市の学童保育「放課後児童クラブ」は2日から市内13ヵ所の小学校と私立こども園2ヵ所で開設。平日午前7時半〜午後6時半まで対応し、私立こども園(慈光、北越)2園で午後6時半まで対応。なお十日町市の昨年夏休み利用状況は、登録465人に対し399人が利用している。

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 西小学校(南雲秀彦校長、児童261人)では初日の2日、放課後児童クラブ登録の9人が朝から一時預かり場の図書室で読書などで過ごした。3日は30人余が訪れ、友だちと教科書で勉強などした。入校時にアルコール除菌剤での手洗いを義務づける。「学校は休みでうれしいけど、新型コロナウイルスは怖い」と話す児童も。保護者は「子どもを預けることができてありがたい。早く新型コロナウイルスの感染が終息してほしい」と話す。市教委は発熱やカゼ症状の児童利用は控えるよう呼びかける。

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 昨年8月オープンした市児童センター「めごらんど」。土日・祝日には4百人余が訪れる人気スポット。だが先月29日の週末は40〜50人前後。普段の平日は80人余だが、以降は1日20人台に激減している。同センターは、遊びを通じて感染を防ぐためボールプール利用を中止し、今月14日予定のイベント「おりがみであそぼう」も中止。

大島満センター長は「保護者が新型コロナウイルスの感染を心配し敬遠しているようです。遊具はじめ管内の除菌清掃を徹底していますが、早く終息してほしい」と話す。

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 中学校の修学旅行の延期が相次いでおり、十日町市は市内中学校10校のうち9校が延期。まつのやま学園は昨年秋に実施している。中学2年の修学旅行は例年3月か4月初めに実施しており、今回は感染予防から延期を決め、新学期以降を予定し、市ではキャンセル料発生の場合、全額助成の方針を示し、この費用も国対応を要請している。

朝から学童保育に通い、友だちと遊ぶ小学生たち(4日、津南町総合センターで)

学童スタッフ10人体制で対応 津南病院、電話で処方箋受付

 津南町は国要請を受け2日から津南町総合センターで学童保育(朝8時〜午後6時)を開設。利用登録は随時町教委で受付けている。5日現在の利用登録102人(年度内登録数)。4日には13人が朝から利用し、学校支援員や学習支援員など10人のスタッフが交代で担当し、常時8人前後が常駐している。

 学童保育は町総合センターの研修室や武道場、体育館など日中空いている場所を活用し、密接にならないように集団活動に配慮した取り組みをしている。4日は1階の広い研修室で縄跳びやテーブルでのオセロ、工作などにスタッフの指導で取り組み、元気な声が部屋に響いていた。

 この日のスタッフ取りまとめの髙橋洋子さんは普段は保育園の補助に入っている。毎朝、来場する児童たちを検温し、37度5分以下を確認しスタッフ全員がマスクし、子どもたちを指導する。髙橋さんは「朝の検温、活動中はなるべく込み合わないようになど、通常の預かりとは違う気の使い方が必要です。早く収まってほしいですね」と話している。

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 津南中学校の修学旅行は2年生56人が今週6、7、8日、関西方面に予定していたが延期となり、新年度秋口を予定する。今回の延期でキャンセル料が発生し、町教委では国と県に財政補てんを要請している。

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 町立津南病院では感染予防から処方箋対応で外来受診なく電話連絡で薬処方ができる体制を始めている。対象は津南病院を「かかりつけ医」としている方。朝9時から午前11時半の間、電話受付する。受付後、午後に病院から依頼者に連絡を入れ、容態・薬の種類などを確認し、指定の院外薬局へ処方箋をファックスする。依頼者は病院で外来することなく薬を受け取れる。問合せは町立津南病院℡025-765-3161。

休校となった2日より午前8時から児童を受け入れている栄村学童(4日)

学童クラブは午前8時からに 栄村、小中卒業式は規模縮小で実施

 新型コロナウィルス感染拡大で安倍首相の一斉休校要請を受け、栄村の栄小と栄中は今月2日の午後から臨時休校。14日には栄小秋山分校卒業式と休校式を行うが、これには森川村長や石沢教育長など来賓が出席。マスク着用と手のアルコール消毒徹底などで対応。一方、卒業式は小中共に18日に開くが、来賓出席は森川村長とPTA会長のみに留め、在校生も参列する予定だ。4月予定の栄中修学旅行は延期。一方、保育園は通常通りだが、毎日の検温義務付と手指の消毒などの予防策を取っている。

 村民へは2日発行の広報紙など区長文書に合わせ、新型コロナウィルス感染拡大防止を呼びかけるチラシを全戸配布。手洗い徹底や咳エチケットの呼びかけ、村民生課や北信保健所などの問合せ先も併せて記載し、警戒を呼びかけている。

 村の学童クラブは臨時休校を受け、2日から受入れ時間を拡大し午前8時〜午後6時まで子どもたちを預かっている。対象は全小学生(42人)だが、今年度登録は25人。学校が休校となり、活動場所の栄小体育館やミーティングルームには連日10人余が利用している。感染予防に入所の時に手指のアルコール消毒などを実施。また保護者には毎日の検温を願い、熱がある場合は利用を控えるよう要請している。村教委では「利用の登録申請はこれからも受け付けている。アルコール消毒などで感染予防を図り、対応していきたい」(広瀬忠一事務局長)としている。

雪下にんじん、出荷スタート

少雪で収穫時期が1週間早まる

 ◎…一面の雪原。ここは津南町赤沢大地。標高450㍍。この雪の下に広大な耕地が広がる。秋収穫のにんじんをそのまま雪の下にして春まで保存する「雪下にんじん」。先駆けの農業者が津南町で作り始めて25年余。その食味、評判が評判を呼ぶ市場が求める「雪下にんじん」。他の積雪地では「スノーキャロット」「雪美人にんじん」「雪の下にんじん」など出回る。発祥地をブランド化するため津南町は農水省の「GI認証(地理的表示)」を昨年取得。今冬の少雪で、その特産の雪下にんじんの収穫が1週間ほど早まり、今週初めから始まっている。

 ◎…千葉出身で北海道大卒後、新規就農で23年前に津南町に移住した宮崎朗さん(48)。というより、パンや焼きいも、加工食品、スイーツなど食品ブランド『はらんなか』の宮崎さんでよく知られる。雪下にんじんは5年前から取り組み、現在50㌃ほど作付けする。「雪が少なく、このまま雪消えが進むと、収穫作業が集中し、ちょっと大変です」。この日は赤沢地域の8㌃ほどの畑で収穫。先月末に積雪40㌢を除雪し収穫の準備。周囲はまだ30㌢弱の雪のなか、土から掘り出した雪下にんじんの赤が際立つ。「今年の出来はいいです。大きさも揃って、うまいです」。来月初めまで収穫作業は続く。

 ◎…ところで『はらんなか』の人気の一つが「焼いも」と「自家製パン」。毎週火曜(JA津南町わきメルシー店)と金曜(町内正面、津南ショッピングセンター)で軽トラで店開き。焼いも用のイモも自作、パン酵母も自作。人気が広がっている。

少雪で収穫が早まる雪下にんじん。残雪は30センチほど。「雪消えが早まると作業が集中する」と宮崎朗さん(4日、津南町赤沢地区で)

町出身医師、4月から非常勤赴任 元新潟市民病院副院長・月岡医師

医療体制充実に期待、訪問診療などを

 町立津南病院に4月から町出身の内科医が非常勤で勤務することが決まった。先月27日、町議会定例会で桑原悠町長が施政方針表明で明らかにし、医療体制の充実に期待が集まる。

 同内科医は、町内船山新田出身の月岡恵(さとし、67)医師。新潟市民病院副院長を歴任後、現在は一般財団法人・新潟県労働衛生医学協会医師を務め新潟ウェルネスに在職している。

 町立津南病院では4月から週1回内科に入り、一般診療のほか訪問診療なども担当する予定で詳細は今後具体化する。現在津南病院の常勤医師は内科医3人で、非常勤ながら内科医が増えることで診療体制の拡充につながる。桑原悠町長は「地域の実情を良く知る方から来ていただけることは、大変ありがたいことです」と話している。

木育活動に取り組む推進協議会設立メンバーら

消防本部隣にできるヘリポートは大型双発ヘリも離着陸できる(完成予想図)

双発ヘリも離着陸可

十日町地域消防本部隣に 来年春、本格運用

 防災や緊急搬送などの拠点となる十日町地域消防本部に隣接して設置するヘリコプター離着陸場の整備事業は新年度で完了し、早ければ降雪前にも運用を開始する。3年継続の事業費は3億1313万円を見込み、自衛隊の大型双発ヘリが離着陸できるヘリポートとなり、ドクターヘリなど緊急搬送の拠点となると共に災害時の空輸の拠点となり、防災・緊急対応の大きな拠点が誕生する。

 計画では、十日町市下島バイパス沿線の十日町広域消防本部庁舎わきの6083平方㍍の敷地に消雪パイプ敷設のへりポートを造成。同地は市道高山太子堂線と田川が交わる角地(現水田・雑種地)で幹線道路に面し救急搬送などの利便性が高い場所。新年度に造成、事業費約2億1572万円を見込み、年内の工事完了をめざし、早ければ降雪前に来年1月から試験運用を開始し、3月から本格運用する予定だ。

木育活動に取り組む推進協議会設立メンバーら

木に親しみ、人づくりを

妻有木育推進協議会設立

 妻有地域に広がる豊かな自然を生かし「木育」をキーワードに地域の人々から森林や木に親しんでもらおうと、森林などの自然をフィールドに活動するメンバーらが集まって先月28日、十日町情報館で『妻有木育推進協議会』を設立。あてま森と水辺の教室ポポラの荒川茂樹館長を会長とする役員を選出した。今後、親子で楽しめる木育玩具や遊具の開発、木育イベントなど開き、木育を十日町から発信していく方針だ。

 木育は『木とふれあい、木に学び、木でつながる』取り組み。設立総会にはポポラや越後妻有森のようちえんノラソラ、サンウッド新潟、十日町地域森林組合などの代表者やオブザーバー参加者など20人余りが参集し、規約や役員、事業計画など決めた。

 南魚沼地域振興局農林振興部の真島健一副部長は「森林の大切さを理解されることは有意義な事。末永く木育活動に取り組んでほしい」と挨拶。ポポラの荒川館長や「森の学校」キョロロの小林誠学芸員、ソラノラの馬場久美子代表がそれぞれの取り組みを紹介した。このうちキョロロの小林学芸員は松之山・美人林のブナ間伐材を活用したアカショウビンのプルトーイや保育園での木育の取り組みを紹介。「木育は地域課題を地域資源に変える有効なツールになりえる」と強調した。

 荒川会長は「思いを同じくする人たちの力を集め、子どもたちをはじめ多くの人たちに豊かな体験を提供し、人づくりに取り組んでいきたい」と話している。

 役員は次の通り。

 ▼会長=荒川茂樹(ポポラ)▼副会長=藤田求(サンウッド新潟)▼監事=太田耕司(十日町地域森林組合)江村文里(株式会社丸山)

土日返上で障がい者と職員らが増産を行った(ワークセンターあんしんで)

注文殺到、新型コロナで

あんしん トイレットペーパー増産

 「トイレットペーパー(TP)は地産地消で」—。新型コロナウイルスの影響で不足する紙製品。障がい者の就労支援事業等を平成14年から続けるNPO法人支援センターあんしん(樋口功会長)の「ワークセンターあんしん」(市内稲荷町)は障がい者の自立のためTPを製造販売しているが、急増したTP注文に増産体制で対応している。

 市内のスーパーやホームセンター、薬店などの棚からマスク、TP、ティッシュ、紙オムツ、生理用品が姿を消しているなか、同センターではTPを月平均約6万個を出荷。困っている人のためにと先月28日には、ホームページで「トイレットペーパーの在庫は十分にあります」と発信した。情報閲覧者は1万5千人近くに上り、2日までに全国から約340件、TP3万9千個余りの注文が殺到した。

 同センターは通常土日は休業だが急きょ先月29日と今月1日、障がい者と職員が出勤し、ボランティアも駆け付け、TPを買いに来たお客さんまでが「これは大変」と手伝い、製造と出荷を急いだ。また、市内のセブンイレブングループから「店頭で売るTPが入荷しないので卸してほしい」と1日朝に要望があり、当日のうちに5店舗に500個ずつ出荷し、追加注文もあり納品した。さらにJA十日町ベジぱーくや川西じろばた等5社にも卸しており、個人客もあるので配送担当者もてんてこ舞いだった。

 同NPOの久保田学事務局長は「必要とする人に急ぎ対応している。原料も静岡から入っており、3日には7500㍍巻きの原料20巻が入荷。慌てず普通どおりの購買に戻ってほしい」、そして「市内には工場があることを知っていただき、地産地消で障がい者支援に繋げてほしい」と話し、樋口会長は「今回の注文対応で障がい者と職員らが積極的に集まってくれ本当にありがたい。新型コロナは災いだが『あんしんTP』をさらに知ってもらう機会にして、障がい者自立に向けた福に転じたい」と話している。

 問合せと購入は℡025‐757‐5511、ホームページは「NPOあんしん」で検索。

在校生のいない式場をあとにする卒業生(3日、十日町高校で)

在校生が並ぶ位置まで間隔をあけて座った卒業生。参列は保護者だけ(十日町総合

来賓が並ぶ予定の右側が空席となったなかで開かれた卒業式(2日、十日町高定時制で)

来賓席が設けられず挙行した卒業式(3日、下条中で)

「卒業式できてよかった」

高校、中学、新型コロナ対策で簡素化

 新型コロナウイルスの感染拡大防止対策で、妻有地域でも高校や中学校の卒業式は来賓や在校生不在など異例の内容で2、3日に相次いで開き、高校では十日町高全日制272人、定時制12人、松之山分校24人、十日町総合高178人、松代高45人の合計531人が母校を巣立った。

 各校とも式では来賓挨拶もないなど簡素化、在校生不在のため卒業生が間隔をあけて整列したり体育館の後方ががらんと空くなど、いつもの卒業式と違う会場光景となった。参列者からは「少し寂しい感じですね」などの声もあった。卒業生のひとりは「新型コロナの影響で卒業式ができるかどうか心配されたけど、無事できたのでよかった。在校生不在はちょっと寂しい感じがしました」と話していた。

 十日町高(加藤徹男校長)の卒業式は3日、同校体育館で開き、272人が学び舎を後にした。

 加藤校長は式辞で「社会変化に対応できるよう学び続けること。夢の実現に向け挑戦し、結果に責任を持つこと」と激励、孟子の『惻隠の心は仁の端なり』を挙げ「地域や地球規模問題が山積するなか、幅広い知識を持ち、世界や我が国が進むべき道を模索してほしい」と言葉を贈った。卒業生を代表して豊岡嵩斗くんが教師、父兄らに感謝の気持ちを述べながら、在校生に向けて「立ち止まることがあるかもしれないが、自分の周りには応援してくれる人が必ずいる。限りある高校生活を楽しんでほしい」と思いを託した。

 十日町総合高(入澤享校長)では3日、第25回卒業式を挙行。通常だと在校生が並ぶ位置まで卒業生が間隔を空けて並んだ。入澤校長は「生涯学びつづけ、チャレンジし続けてほしい」と呼びかけ、ただ一人の在校生・南雲和也生徒会長が「母校の伝統を引き継いでいきます。卒業おめでとうございます」と送辞。これに応え卒業生を代表し山本壮一郎くんが「選んだ道で自立した生活を送っていきたい」と旅立ちへの決意を語った。

 入澤校長は参集した保護者に「新コロナウイルスの感染拡大防止のため、今の時点で精一杯の卒業式。各教室へ入ることも遠慮いただきますが、担任が心を込めてそれぞれの生徒に卒業証書を渡します」と説明、理解を求めた。保護者はほとんどがマスク姿だったが、卒業生は数える程度だけだった。

 働きながら学ぶなど十日町高定時制の卒業式は2日に開き、12人が巣立った。

 加藤徹男校長は「惻隠の情を忘れず、夢の実現に向け失敗を恐れることなく歩んでいってほしい」と呼びかけ、これに応え卒業生を代表し西原翔也くんが「新型コロナウイルス感染問題のなか、無事に卒業式を迎えることができうれしい」と喜びを語った。担任から卒業生ひとり一人への呼びかけはなかったが、1年間の活動を振り返る写真をスクリーンに映した。

 新型コロナウイルス感染症対策として、卒業式は時間の短縮や児童生徒と教職員、保護者のみで開催とするなか、市内の中学10校は予定どおり3日に開き、卒業生419人が希望を胸に新たな一歩を踏みだした。

 このうち下条中では卒業生21人が拍手を受けて入場。太島誠校長は一人ずつ卒業証書を授与し「新型コロナウイルス感染拡大で当校も臨時休業となったが、何とか式を挙行でき嬉しく思う。卒業生のますますの活躍と幸多い未来を心から願います」と言葉を贈り、卒業生代表の宗村和奏さんは職員と両親、在校生に感謝し「別々の道を進むことになりますが、勉強と部活を両立できるよう頑張ります」と述べた。

 「友よさようなら、そしてありがとう。再び会えるその日まで…」。まだまだ幼いと思われていたその姿が、ちょっぴり大人びた顔立ちとなって背も伸びた中学生たち。地域で育った卒業生たちを祝おうと川西中卒業式の3日、橘小学区の保護者が地区内の沿道に「祝・卒業おめでとう」と書いた手作りの看板を掲げ、卒業生を祝った。

 橘小学区の川西中卒業生は男女合わせて10人。一昨年、保護者が沿道の雪壁に「卒業おめでとう」と書いて祝ったことが好感を呼び、今年も再びと、少雪で雪壁はなかったがその代わりに看板を掲げた。新型コロナウイルスの感染拡大防止で卒業式は簡素化されたが、思わぬ地域のエールに卒業生たちはびっくり。「ちょっと恥ずかしいけど、でもうれしい」と家族と共に写真に収まり、喜んでいた。

卒業おめでとうと保護者が看板を設置(3日、橘地区で)

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