雪国妻有今昔物語

シリーズ連載

いまは統合で閉校した当時の倉俣小学校の子どもたち。前に活発な男子たち、女子たちは後ろで見ている

一枚の写真から

   ​写真・文 駒形覐

 この写真を見ていると、往時の事を思い出す。半世紀以上も前の事になる。民俗調査をしに旧倉俣村に出かけた折、ムラ中でにぎやかな男の子たちの群に出合った。「写真を撮らせて」と言うと「ハーイ」と元気な声が返ってきた。倉俣小学校の児童たちだった。

 遠足の帰り道だったのだろうか。それとも、きちんとした制服、制帽で、水筒などは持っていないところから見ると、修学旅行の帰りだったのかもしれない。女の子の集団はその後の方に見える。

 元気な顔、明るい顔、仲の良さそうな顔、小学校の高学年だったようだ。仲良しといっても、ふざけたり、からかい合ったり、時にはけんかになったりすることもある齢頃であるが、仲直りするのもまた早い。写真からそんな様子が感じられる。

 高学年だった彼等も、今はもう70歳過ぎの後期高齢者になっているわけだ。何人ぐらいがムラに残っているのだろう。仕事仲間、茶飲み友達として元気に過ごしていることだと思う。この写真は学校や子どもたちに届けていないので、本紙の写真を見て、話の種にしてもらいたいものだ。

 話は変るが、近ごろは小中高校などのいじめと、それに伴う不登校児童や生徒の多発化問題がしきりに報道されている。どうしてこんなことになったのだろう。

 識者は社会が、学校が、そして家庭のあり方が問題だと指摘しているが、具体的な対応についてははっきりしない。どうすればよいのだろう、心配になってくる。倉俣小学生の明るい顔の写真を見ていると、ふとそんな思いにかられるのである。

(2020年11月21日号掲載)

両岸からの橋梁コンクリートが連結。翌年に開通した宮野原橋

​国境の橋

1984年・昭和59年11月   ​本紙撮影

 両岸から張り出したコンクリートの橋梁。その中央に紅白の幕が見える。なにやら、未完成の橋の上で祝い事を行ったようだ。

 「連結式」である。新潟県と長野県を結ぶ国境(くにさかい)の橋『宮野原橋』の架け替えで、両岸から張り出したコンクリート橋梁がこの日、めでたく連結した。なんとも壮大な橋梁工事だ。

 いまでこそ、長野県に行く時は必ず通る国道117号に架かる宮野原橋。架け替えの前の橋が下流側、左に見える。大型車のすれ違いができず、両岸で待機しながらバスなどが往来していた県境の難所でもあった。

 宮野原橋は1985年・昭和60年8月に開通。全長224㍍。その前年晩秋の記録写真だ。前方が新潟県・津南町側。手前の民家も津南町だが、右側へ少し行くとすぐに県境。そこに今は「道の駅信越さかえ」がある。いまでこそわずか数秒で渡りきる宮野原橋だが、この連結式の時は、欄干もないコンクリートむき出しの平面を渡っての取材。巨大な空母のイメージだ。昨年10月13日の台風19号による大増水は、この橋すれすれまで水位があがる過去最大の流量を記録している。

 国境の橋。「千曲川が信濃川に名を変える」、その地点がこの橋。一本の川が途中で名を変えること自体、きわめて珍しい。その改名の地でもある宮野原橋だ。

(2020年11月14日号掲載)

第5回合同演劇祭の「シャッポの会」。「ジャックと豆の木」上演後のメンバー

妻有の演劇サークル

昭和35年11月   ​写真・文 駒形覐

ことになるが、もと教え子たちが結成したアマチュア演劇サークルの裏方を何年かやってみたことがある。楽しかった。

 十日町公民館主催で第1回合同演劇祭を昭和30年11月6日に開催した。参加8団体、会場は十日町高校の講堂だった。昼と夜の2部制で、それぞれが800人を超える観客を動員することができたので、大喜びをしたものだった。手許にその時のプログラムがあったので紹介してみる。

 昼の部(12時開会)

「花子」十日町高校演劇クラブ 

「夕鶴」白鷺会(川治青

年学級) 

「逃げる神様」青年文学

座(十日町青年学級) 

「二十二夜待ち」案山子

の会(中条青年団) 

「月食」十日町高校定時

制演劇部

 夜の部(18時30分〜)

人形劇「いじわるやめよう」あすなろクラブ(十日町青年学級) 

「死神から命をもらった話」シャッポの会 

「トンネル」劇団演劇人

 

 それ以降も出演団体に多少の減少はあったが、合同公演は第7回まで続けることができた。また、31年から3年間、十日町雪まつりに各劇団混成チームによる雪上舞台演劇を上演、これがその後の雪上カーニバル誕生の契機になったとも言われている。

(2020年11月7日号掲載)

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