社説

PCR検査体制の格差、これも医療格差

 これも医療の地域格差ではないのか。感染不安対策の一つに「PCR検査」がある。首都圏では民間検査機関などを含め検査体制は相当整いつつあり、誰でも、いつでも、検査を受けられる状況になっている。だが、地方はどうか。ここ妻有地域は記事の通り、「かかりつけ医」の紹介、医師の判断、保健所の紹介など、検査に到るハードルはまだまだ高い。「帰省して家族に会いたい」、仕事関係で「東京に行って来た」など、その行動そのものが制約される環境下にあり、感染するリスクの予防と共に、感染させるリスクに重点を置いた対応策が求められる。

 新型コロナウイルスの感染拡大は止まらない。大都市から地方へ広がり、地方自治体は重大な危機感を抱き、緊急事態宣言を独自に出すなど国の先を行く取り組みを見せる。国主導のGoTo事業が感染拡大を招いた大きな要因であることは、毎日の全国的な感染拡大を見れば否定できない現実だ。

 妻有地域では、PCR検査は保健所の行政検査、新潟県の委託事業で開設の十日町市検査センター、さらに県立十日町病院、町立津南病院に設置のPCR検査機器での検査体制を整えている。このほか開業医院で民間検査機関を活用した検査実施もあるようだ。ただ、「誰でも、いつでも」検査受診できる体制にはなっていない。

 町立津南病院は、今年度補正予算でPCR検査機器3台購入の予算を確保。2台は設置済みだが全国的に設置希望が多く、あと1台はまだ設置されていない。この検査機器は鼻孔から献体採取、1時間後に結果が判明する最新機器。同病院の林院長など医師の多くが東京慈恵会医大からでPCR検査機器に詳しい。PCR検査は首都圏では数千円で検査できる民間検査機関も誕生し、学生なども受検している。

 これも医療格差だろう。PCR検査の一般化が急務だ。不安を不安のまま抱き続ける、それこそ不安だ。

 

盲点を突いた雪害、停電多発

 初雪が大雪となった今冬。寒波のスタートダッシュは、湿った重い雪が杉など立木をなぎ倒し送電線を断線、妻有エリアの東北電力管内で昨年15日の降り始めから20日までに2400戸の停電被害を引き起こした。ほぼ全てが倒木による断線。栄村では2日間停電が続き、電源車5台を村役場前に配備、20日の復旧まで電力供給した。電化が進む生活で電力ストップは「死活問題」。氷点下で暖房が使えない家内は野外と変わらない寒さ。今回の大規模な電力供給の寸断は「想定内事態」であり「雪害」だ。まさに盲点を突かれた災害ともいえる。

 電力事業者は送電線の巡視を定期的に行い危険個所の排除に努める。だが今回の「雪害」は巡視で危険排除した樹木の枝ではなく、木そのものの倒木が断線を引き起こしたケースが多い。つまり、従来の「送電線に架かる枝の除去」では対応しきれない雪による倒木がゲリラ的に発生した。これはもはや「雪害」だろう。

 この倒木断線による停電で、津南町では下水道処理場のエンジン機器が2施設で故障し、600万円の取り換え費用が生じた。「自然災害以外のため保険適用外」の理由もおかしいが、町は自前財源での修繕となる。さらに今回の断線停電は一般家庭、特に高齢者世帯を直撃した。火災予防から石油ストーブから火を直接使わないファンヒーターに代えた家が多く、真冬日のなか火の気のない2日間を耐えた世帯もあったと聞く。

 「想定内の被害」と受け止め、すぐに動いたのが栄村議会の議員。「今回の停電は雪国では想定できる被害。送電線の断線の危険排除の不足」と地元選出の衆参議員に連絡、早急の現地視察を求め「雪害防止の倒木伐採の予算確保」を求めた。今週末にも寒波が来襲する。今後も同様の事態発生が懸念される今冬だ。 県を超え、市町村を超えた雪国連携で要求を上げる時だろう。

 
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