今週の妻有新聞最新号抜粋記事
多彩なガイド106人がご案内
認定10年目の苗場山麓ジオパーク
最年少の小学4年生2人、こへび隊も合格
津南町と栄村が県境を超え協働し事業展開、日本ジオパーク(GP)認定10年目を迎えている「苗場山麓」。その活動の要となるのが「ガイド」。毎年認定試験を行うなか、第9回は20人が受検し、16人が合格。最年少記録タイとなる小学4年生2人、大地の芸術祭ツアーに協力する十日町市や東京在住のこへび隊、さらに中国出身者から合格者が出るなど、多彩な人材が揃いつつある。認定ガイドは今回で百人を超え106人となる。実際にどうガイドがGP案内や研究を深めていくかに関心が集まる。
2024年5月4日号
まちづくり 公開討論会2023 開催
2023年10月13日(金)午後7時00分開会
- 会場
- 津南町文化センター
- 討論会出席者
- 津南町議選立候補予定者
◆ 設問テーマに対する政策や考え方を述べて頂きます。
2023年10月13日(金)午後6時55分から放送開始します
YouTubeライブ配信多彩なガイド106人がご案内
認定10年目の苗場山麓ジオパーク
津南町と栄村が県境を超え協働し事業展開、日本ジオパーク(GP)認定10年目を迎えている「苗場山麓」。その活動の要となるのが「ガイド」。毎年認定試験を行うなか、第9回は20人が受検し、16人が合格。最年少記録タイとなる小学4年生2人、大地の芸術祭ツアーに協力する十日町市や東京在住のこへび隊、さらに中国出身者から合格者が出るなど、多彩な人材が揃いつつある。認定ガイドは今回で百人を超え106人となる。実際にどうガイドがGP案内や研究を深めていくかに関心が集まる。
2024年5月4日号
職人技活きる、国内シェア8割製品も
十日町市中条「ホクホク機械」
生産額600億円を誇った1970年代の十日町織物を織機などで支えてきた十日町機械工業が織物の衰退とともに1997年(平成9年)に姿を消したが、どっこい製菓機械製造会社として事業を引き継いでいるのがホクホク機械(髙橋政隆社長)。経営的に厳しかったコロナ禍を乗り越え、順調に製菓・食品機械の製造に取り組んでいる。「メロンパン用カット機械は国内シェア8割。その一方で1、2台だけの機械といった受注も多い」と髙橋社長。雪国から全国お菓子づくりの『縁の下の力持ち役』を担っている。
2024年5月4日号
自民の敗北、金融政策への影響は
やはり気になる金融政策の行方
今年もゴールデンウィ
ークを迎え、気温差がまだあるものの、草木が芽吹き、一緒に桜の開花も楽しめる妻有の風景を想像しています。新潟県や長野県の中山間地域では、桜の花のピンクがより色濃く、美しさを増しているように感じます。
そのようなゴールデンウィークのさなか、国内の政治経済に目を向けると、衆議院補欠選挙が3地域で行われ、その全てで与党・自民党が議席を得ることができませんでした。この結果を受けて、岸田政権はどうなっていくのでしょうか。東京と長崎の選挙区は自民党議員の不祥事による補欠選挙だったため、候補者をたてられませんでしたが、島根は自民党と立憲民主党の一騎打ちに。
島根出身とすぐに思い浮かぶ苗字の自民党の錦織氏と、地元での政治活動を熱心に行ってきた立憲民主党の亀井氏との戦いで、応援の大物政治家が現地入りする様子がニュースでさかんに流れました。自民党王国の島根での敗北を自民党がどう総括するか注目されます。
今年も変わらない美しい春の訪れを自然は見せてくれていますが、政治経済の話になると、気になることが頭をよぎります。
もう一つの気になることに、4月末に開かれた日本銀行の金融政策決定会合があります。世界の水準に合わせる方向で利上げが示されるのか示されないのか、どのようなメッセージが出されるのか注目されましたが、現状維持とのことでした。
中央銀行の金融政策の目的は、どの国においても「物価の安定」です。それと一緒に「景気対策」を目的に加えるか否かは国によって、或いはその時の状況によって異なります。
「物価の安定」と「景気対策」は、効果を発揮するまでの期間も違いますし、効果を図る指標も違うので、それらを両立する金融政策をいかに実施するかは、まるで複雑な方程式を解くことのように思います。果たして、そのような複雑な方程式を解くことができるでしょうか…。
そのせいか分かりませんが、最近は日本銀行も米国の中央銀行も、分析に基づいた方向性を示すことが少なくなり、その代わりに、時々の情勢により判断する、という言い方が多くなっているような気がします。
いま、対ドルなどの円の為替相場の動向に、人々の関心が大きく向いており、円安がどこまで進むのか、その議論の際に、国際金融のトリレンマ(国は自由な資本移動、金融政策の独立性、為替相場の安定の3つを同時に実現することはできず、2つしか実現できないこと)が言われています。今後の行方を気にしてゆきたいと思います。
2024年5月4日号
埋もれた軌道跡
小林 幸一(津南案内人)
昨年秋に前倉の阿部利昭さんから、前倉上の三叉路付近で残雪期に軌道跡らしき平坦な道が見えるとの情報を頂き、早速探索に向かいましたが、軌道の痕跡が見えるのは最初だけで、あとは急斜面の連続でした。まさかこんな所を電車が走る訳がないと一旦は探索を諦めていましたが、先日阿部さんから今の時期なら分かるかもしれないと連絡を頂き、再度向かってみました。
今回は友人と二人で送水管の横坑前から探索を始めましたが、やはり急斜面の連続で人の手が入ったような場所は発見できず、一旦林道までよじ登り、林道上から下を探す作戦に切り替えました。また今回から地図上の等高線を頼りに電車の通ったルートを想定し、横坑と同じ標高を重点的に探したところ、断片的ですが軌道跡らしきルートを見つけることが出来ました。
軌道跡には斜面に石垣を積んだ場所もあり、此処が電車道であることが分かります。思うに、秋山林道を切り開いた時に大量の土砂を崖下に落とし、軌道跡の大半が土砂で埋まってしまったのではないのでしょうか?
後日、阿部さんと前倉の聖徳太子碑の上部で石垣と完璧な軌道跡を発見し前倉の砕石場から秋山林道までの軌道跡が繋がる日も近いと思いました。
2024年5月4日号
心揺さぶられる「二十歳の言葉」
我が身を考えた。二十歳の時だ。この紙面に載る「二十歳の言葉」をフィードバックし、あの日、あの時を思い起こしても、蘇るのはアウトサイダーな自分だ。お膳立てされた成人式に出て、なんになるのか、そんな自分がそこに居た。成人式の出欠ハガキを親に転送してもらい、結局、出さずじまいだったあの日。青臭い、甘っちょろい、ささくれ立った、ささやかなアンチテーゼだったのだろう、いま思うと。
社会人2年目、『学ぶ』ことは多いだろう。勤務する職場の先輩、皆わが師だろう。このひと言に、すべてが込められている。『挑戦』もその通りだ。齢を重ねても、つねに挑む気持ちが求められ、それがエネルギーになっている自分を、この言葉が鼓舞してくれる。『オレの生き様』は決意表明か。バスケットで「食っていく」ことをあえて口にし、さらに自分を鍛えるために16歳で東京へ引っ越し、通信制高校に転入し、実業団チームの下部組織に入り、プロをめざす思いを抱くも、生き様を求め、経営学を学ぶ道へ。いま「人生は一度きり」が、自分を動かすエネルギーになっている。
『好きの追求』は、幼少期から好きな絵を通じて、さらにクリエイトな分野へとの自分を導く魔法の言葉だ。古来より、好きこそものの上手なれ、という。その好きを貫く自分を、追求する自分が俯瞰し、創造という世界へと導いてくれる言葉だ。『思うは招く』は、本当にそうだなぁと実感する。良いことも悪いことも、どう思うかによって結果は変わる…。だが、現実は思いと裏腹の場合が多いが、この言葉も事態を変えるマジック・ワードなのだろう。
あの日、あの時から数十年、早や終活の言葉が脳裏に浮かぶ年代に入ったが、「二十歳の言葉」に心を揺さぶられる。この感覚が我が身を鼓舞するエネルギーなのだろう。二十歳を迎えた人たち、ひとり一人に「言葉」がある。
2024年5月4日号
「今はタイミングではない」、明言避ける
JR東・宮中ダム維持流量発電、「将来の大規模改修時」示唆
任期満了(来年4月30日)まであと1年余の十日町市・関口芳史市長(65)。現在4期在職中で、次期について明確な態度は表明していない。23日の定例会見で記者団が次期市長選の出馬意思があるかを質問。関口市長は「今はまだそういうことを考えるタイミングではない。目の前の課題をしっかり解決するために全力をつくしたい」と明言を避けた。一方でJR東日本の水利権更新を来年6月30日に控え、「いずれ来る宮中ダム改修時、維持流量発電を検討することになっている」と初めて明かした。来春の市長選には樋口明弘氏(76)が出馬表明し、宮中取水ダムの水利権更新に合わせ『発電電力の地元還元』を求め企業誘致をはかる考えを示している。会見の主な質疑を掲載する。
2024年4月27日号
グローバルな視点促す「夢講演」、始まりは
建学理念『夢の実現』 県立津南中等教育学校
「夢の実現」を建学理念に掲げる県立津南中等教育学校(関口和之校長、387人)は、その夢のヒントを学生に提供する『夢講演』を開校時から毎年開いている。専門分野の研究者や世界で活躍するプロフェッショナルなどを講師に招き、将来を考える学生に刺激を与え、進学する大学選択やめざす分野への多様な価値判断の視点を育てている。「夢講演」はどう始まったのか。
2024年4月27日号
『居心地の良さ、住み続けたい』
原 拓矢さん(1994年生まれ)
「なにか、しっくりこない」。こんな風に感じる日々は誰にもある。その時、どう動くかで、その後の時間は大きく変わる。立教大で社会学を学び就職した会社は「全農パールライス」。米を扱う国内大手で輸出分野でも大きなシェアを持つ。2年ほど在職し、さらに数社で働くなかで「しっくりこない」と感じ始めた。そこで自分を動かしたのは「農業がしたい」という内なる声だった。だが、移住となると二の足を踏んだ。そこでさらに内なる声が聞こえた。「やりたいことをやらなきゃ、後悔する」。
地域おこし協力隊制度を知り、リサーチを始めると福島や山梨、新潟で農業分野の協力隊を募集していた。「各地へ行き、いろいろ見ましたが、十日町の鉢や中手に来た時、直感的ですが、ピンときました。ここだと」。
2022年1月、真冬のお試し体験に入った。「全くの初めての私を、いつも会っているように歓迎していただき、地元の皆さんの人の良さが決め手でした」。
その年の4月、吉田地区の鉢・中手を担当する地域おこし協力隊で赴任。吉田地区には協力隊の先輩、山口洋樹さんが地域支援員として活動している。「中手集落は5世帯6人です。でも水田を耕作する人は3人、70代、80代の方です。この先を考えると担い手不足は明らかで、自分に何ができるのか、すこしでも力になりたい、という思いと農業がしたい、その結果の吉田地区でしょうか」。 いまは鉢集落に住み、来年3月の任期満了後も暮らし続け、中手の田んぼを受けて米づくりをするつもりだ。いまは40㌃ほどを手伝い耕作する。
なぜ農業、米づくりなのか。全農パールライス時代に感じたのは、「自分で作ったものではなく、営業していてもしっくりこなかったんです。自分で作った米を、自信を持って提供していきたい、その思いが強くなっていきました」。時々、両親が暮らす埼玉・川越に帰るが、「どうも人がいっぱいいる所が苦手なんです。生まれ育った川越には友だちもいて、近所付き合いもありますが、ここで2年間暮らし、感じているのは『いざという時の強さ』でしょうか。災害など起こった時も、こちらでは生きていける強さがあります。これは生きる安心感にもつながります。それに居心地の良さですね」。
今夏は第9回大地の芸術祭。暮らす鉢集落には絵本作家・田島征三氏の『絵本と木の実の美術館』がある。芸術祭で人気トップ級の拠点だ。「田島さんには何度もお会いしていますが、あの飾らない、いつも自然体の人柄はいいですね」。
昨年初めて自作の米を自炊で食べた。「美味しかったですね。中手は山からの水でコメ作りをしていますから、標高も400㍍余りで良いコメができるようです。もうご飯だけでも充分です」。
自炊生活も3年目、レトルトや冷凍品などからは遠ざかり、「近所の方が玄関先に野菜を置いていってくれたり、ありがたいです」。身長188㌢は、高い所の用事など何かと声もかかる。
「毎日が仕事で、毎日がプライベートの時間、そんな毎日ですが、居心地の良さは、なにものにも代えがたいですね」。
◆バトンタッチします。
「小林舞さん」
2024年4月27日号